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『両都賦』(りょうとふ)は、中国の詩作品のひとつである。中国後漢の歴史家・文学者である班固(32年 - 92年)の作。
83年(建初8年)頃の成立。題は西都(長安)賦と東都(洛陽)賦の意。
東都の主人と西都の客とを登場させ、西都の客が旧都長安の美しさ、文化や制度が整っていることを誇張表現し、そのあと東都主人が西都の客の主張に論じかえしながら、東都の美しさを語らせたもの。
班固は後漢の皇帝である和帝(在位88年 - 105年)が都を洛陽(東都)から前漢時代の都の長安(西都)に移そうとするのを危惧して、この賦を作りいさめた。
『文選』等に収録されている。