ラゴウニープロット

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様々なエネルギー貯蔵装置について比出力に対して比エネルギーをプロットしたラゴウニープロット

ラゴウニープロット英語: Ragone plot[注釈 1])は、様々なエネルギー貯蔵装置のエネルギー密度を比較するために使われるプロットである。ラゴーニプロットラゴーンプロットラゴンプロットといった表記も見られる。こういったチャートでは、比エネルギーの値(単位はW·h/kg)が比出力(単位はW/kg)に対してプロットされる。両軸ともに対数スケールであり、これによって大きく異なる装置の性能を比較することができる。ラゴウニープロットは重量エネルギー密度に関する情報を明らかにするが、容量エネルギー密度に関する詳細は示していない。

ラゴウニープロットは最初は電池の性能を比較するために使われた[2]。しかしながら、いかなるエネルギー貯蔵装置[3]、そしてエンジン、ガスタービン、燃料電池といったエネルギー装置の比較にも適している[4]。名称はデイヴィッド・V・ラゴウニー英語版に因む[3]

概念的には、縦軸は単位重量当たりどのくらいのエネルギーが利用可能であるかを表わしており、横軸はどのくらい素早くエネルギーを伝達することができるかを示している。

装置をその定格出力で動作させることができる時間(単位は時間h)は比エネルギー(縦軸)と比出力(横軸)との間の比として与えられる。これは装置の全体のスケールにかかわらず成り立つ。その結果として、ラゴウニープロットにおける等値線は直線となる。

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ President David V. Ragone”. ケース・ウェスタン・リザーブ大学. 2015年4月21日閲覧。
  2. ^ Ragone, D. V. (1968). “Review of Battery Systems for Electrically Powered Vehicles”. SAE Technical Paper. SAE Technical Paper Series 1. doi:10.4271/680453. 680453. http://papers.sae.org/680453. 
  3. ^ a b Christen, Thomas; Carlen, Martin W. (2000). “Theory of Ragone plots”. Journal of Power Sources 91 (2): 210–216. doi:10.1016/S0378-7753(00)00474-2. https://www.researchgate.net/publication/229122460. 
  4. ^ Lee, Sang C.; Woo Young Jung (June 2016). “Analogical understanding of the Ragone plot and a new categorization of energy device”. Energy Procedia 88: 526–530. doi:10.1016/j.egypro.2016.06.073.