ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応

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ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応、ヘルクスハイマー反応(Jarisch-Herxheimer reaction, JHR)とは、 梅毒レプトスピラ症回帰熱などの治療などの為にペニシリンなどの抗菌薬を投与した結果、梅毒などの起因菌が体内で大量に死ぬことによって、患者に発熱などが起こることである。名称は、アドルフ・ヤーリッシュ Adolf Jarisch senior (1861-1942) カール・ヘルクスハイマー Karl Herxheimer (1861-1944) にちなむ。

症状[編集]

ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応の症状としては、次のようなものが知られている。

  • 全身の倦怠感
  • 発熱
  • 頭痛
  • 悪寒
  • 筋肉痛
  • 頻脈
  • 体温の上昇
  • 呼吸切迫
  • 血圧の低下
  • 一時的な病変部の悪化

通常は投与後1〜4時間前後から始まり、24時間で軽快する。病原の細菌が大量に死滅・破壊されて、細菌内部の毒素が血液に混入する事が原因と見られている。この機序から明らかなように、他の感染症の治療の目的で抗菌薬を投与した時にも起こり得る反応である。例えば、梅毒患者に対してヘリコバクター・ピロリの除菌を行った場合などが挙げられる [1] [注釈 1]

注釈[編集]

  1. ^ 2018年現在、ヘリコバクター・ピロリの除菌には3剤併用が基本である。この3剤のうちペニシリン系抗菌薬のアモキシシリン(合成ペニシリン剤)は、梅毒の治療にも用いられることのある抗菌薬である。つまり、ヘリコバクター・ピロリの除菌の目的で投与されたアモキシシリンは、ヘリコバクター・ピロリだけではなく、梅毒の原因菌であるスピロヘータに対しても殺菌的に作用する。

出典[編集]

  1. ^ ヘリコバクター・ピロリ除菌治療剤 - ラベプラゾール・アモキシシリン・クラリスロマイシン』 p.5 (2017年10月改訂版)