マルサヤワムシ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マルサヤワムシ科
ワツミワムシの1種
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
上門 : 扁形動物上門 Platyzoa
: 輪形動物門 Rotifera
: 単生殖巣綱 Monogononta
: マルサヤワムシ目 Flosulariaceae
: マルサヤワムシ科 Flosculariidae
学名
Flosculariidae Harring, 1913
和名
マルサヤワムシ科

マルサヤワムシ科 Flosculariidae はワムシ類の科の1つ。ラッパ状の形をしており、固着生活をするものが多い。

特徴[編集]

成熟した雌はラッパのような姿をしており、細長い柄のような足の先端で器物に固着する[1]。ただし雄個体と雌の幼時には自由に泳ぐことが出来る[2]。頭部の前端は大きく広がって円盤状、あるいは大きな裂片に分かれて頭冠を形成する。その縁沿いに腺毛帯を持ち、それによって摂食を行う。身体の後半は細長い柄状になり、その基部で多物に固着する。少なくともその基部は膠室の管室に包まれており、種によっては全身が管室に収まる。管室が水草などに着いている場合、固着性の生活をするが、その部分で他の個体とくっつきあって群体を形成するものもあり、その場合には群体の姿で浮遊することもある。卵は膠質や管室の中に粘着して保護される。

類似のもの[編集]

テマリワムシ科 Conochilidae のものはやや似ているが、頭冠が大きく広がらないこと、それに口の位置が腹面でなく背面によることではっきりと区別される[3]

分類群[編集]

  • Beauchampia
  • Floscularia マルサヤワムシ属
  • Lacinularia ハナフサワムシ属
  • Limnias ワツミワムシ属
  • Octotrocha
  • Ptygura
  • Sinantherina

出典[編集]

  1. ^ 以下、主として水野・高橋編著(1991),p.298
  2. ^ 上野監修(1973),p.293
  3. ^ 水野・高橋編著(1991),p.301

参考文献[編集]

  • 水野寿彦、高橋永治編著、『日本淡水動物プランクトン検索図鑑』、(1991)、東海大学出版会
  • 上野益三監修、『日本淡水生物学』、(1973)、図鑑の北隆館