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マッカーサー基金

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マッカーサー基金
John D. and Catherine T.
MacArthur Foundation
設立 1970年[1][2]
目的 公共政策メディア芸術
所在地
貢献地域 おおよそ50ヵ国
重要人物

共同創立者

  • ジョン・ドナルド・マッカーサー
  • John D. MacArthur
  • キャサリン・T・マッカーサー
  • Catherine T. MacArthur
寄付基金
$65億(2014年)
ウェブサイト macfound.org
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マッカーサー基金英語: John D. and Catherine T. MacArthur Foundation)は、アメリカ合衆国で10番目に大きな私設基金である[3]マッカーサー財団とも呼ばれる[4]

概要

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ジョン・ドナルド・マッカーサー英語版キャサリン・T・マッカーサー英語版夫妻により1970年創立の慈善基金団体で、おおよそ50ヵ国の非営利組織を支援してきた[5]シカゴに本拠を置く当基金はその趣旨を「より公正で緑豊かな平和な世界の構築に取り組む、創造的な人々、有効な機関、影響力のあるネットワーク」の支援とする[6]

加えて、本国でも[注 1]日本でも「天才賞」と呼ばれる奨学金制度「マッカーサー・フェロー」(別称マッカーサー賞)[注 2]を運営している。毎年、分野を問わず社会を発展させうる能力を備えた20~30人に特別研究費[7]を支給する[10]

歴史

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1978年1月6日にマッカーサーの夫が死去すると、遺言に従い資産の92%は私設の当基金(: John D. and Catherine T. MacArthur Foundation)の設立に充当された。設立時の理事会には遺言のとおり夫が所有したバンカーズ社重役陣から子息J・ロデリック・マッカーサー英語版ほか3名、ラジオの評論家ポール・ハーヴェイ(Paul Harvey)が就任[1]、理事にはのちにジョナス・ソーク[注 3]も加わった。

創設者(夫)は保守派資本主義を擁護した[12][13]。財団設立には「政府支出の無駄の回避を発見、公表」するという遺志を後付けする意図もこめられながら、基金の果実の使途は指定がなかった[注 4]。そのため夫の息子で基金の理事でもあったJ・R・マッカーサー(初婚の子J. Roderick MacArthur自由主義者)は理事就任の翌1979年、まちがった政治信条に従い補助金の使い途を誤ったとして理事会を提訴、1981年まで保守主義の理事との間で法廷で争った[15]

いったんは双方とも裁判にメリットなしと降りたが、子息のマッカーサーは1984年に再度、クック郡巡回裁判所に訴えて基金に解散を迫り、被告に亡父が信頼を寄せたウィリアム・カービー弁護士も加える。ただし原告は健康上の理由で訴えを取り下げている[16][17]

当基金はこの経緯から、自由主義的な慈善団体へと発展していく[18][19][20][21]

助成計画の拡充

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当基金は2025年3月、第2次トランプ政権が打ち出した合衆国予算の引き締めに呼応し、基金の果実から助成事業にあてる割合を少なくとも6%に引き上げると発表した[22][23]。当基金の理事長ジョン・パルフリー(John Palfrey)は発表に際して、支給する助成金の12%は国庫由来であると示して述べた。

「私たちの目標は現状の人為による緊急事態が及ぼす悪影響とリスクの軽減であり、受給者がその使命を果たせるよう支えることに他ならない[24]」。

運営母体

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マッカーサー・フェローシップ

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部門ごとの基金と事業

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ストーカー人権映画祭

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ハンドレッド・アンド・チェンジ

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当基金は2016年6月に最優秀企画を対象とする助成事業「ハンドレッド・アンド・チェンジ」(: 100&Change)を立ち上げると発表、額面1億アメリカドル($100 million すなわち100万ドルの100倍)の助成金を贈るとした。「現代の重要な問題の解決に向けて、分野や場所を問わず真の進歩を約束する提案」の公募におよそ2000件の企画案が殺到し、翌年2017年12月に第1回最優秀企画を発表、セサミ・ワークショップ(Sesame Workshop)とユダヤ人救出委員会International Rescue Committee)を選んだ。

中東における難民児童の教育にも助成金を支給する[25]

ジャスト・ホーム事業

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交流

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参考文献

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記事の典拠となるもの。主な執筆者、編者もしくは媒体名の順

外国語資料

(アルファベット順) 書籍

  • Hauer, Peter W. (2011) (英語). The Big Picture: The Past, The Present, & Your Children's Future [全体像:過去、現在、皆の子どもたちの未来]. Author House. p. 355. ISBN 9781420815351 
  • Husock, Howard (2015年12月4日). “Trust Chan and Zuckerberg to Decide How to Spend Their Money for the Public Good [公共の利益のために資金をどう使うかチャンザッカーバーグ両氏を信頼し決めさせよう] (英語). The Chronicle of Philanthropy. https://www.philanthropy.com/article/Opinion-Trust-Chan-and/234491 2016年10月12日閲覧。 
  • Nielsen, Waldemar A. (1996). Inside American Philanthropy: The Dramas of Donorship. オクラホマ州Norman: University of Oklahoma Press. pp. 132-134. ISBN 978-0-8061-2802-3. https://archive.org/details/insideamericanph0000niel/page/132 2016年9月1日閲覧。 
  • Sherrow, Victoria (2009). Jonas Salk: Beyond the Microscope [ジョナス・ソーク:顕微鏡を離れて] (改版改題 ed.). Infobase Publishing. p. 99. ISBN 978-1-4381-0411-9  旧版は『Jonas Salk: Beyond the Microscope』第2版

媒体

脚注

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注記

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  1. マッカーサー賞のアメリカ本国における通称は、「天才の賞」: Genius Award[7]
  2. 国際交流基金日米センター[8]、科学技術振興機構[9]による言及がある。
  3. ジョナス・ソークはポリオワクチンを発見した医学者[11]
  4. 先代マッカーサーが理事たちに遺した次のことばが伝わる。「私自身はどうやって金を稼ぐか考え抜いた。(理事の)ご一同にはその使い方を熟慮願いたい。」[14]

出典

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  1. 1 2 MacArthur Foundation: Our History”. macfound.org. 2015年7月14日閲覧。
  2. 『ウォール・ストリート・ジャーナル』誌 2011
  3. Top 100 U.S. Foundations by Asset Size [アメリカ合衆国資産規模別財団番付100]”. Foundation Center. 2015年6月3日閲覧。
  4. 米「マッカーサー賞」発表、ジャーナリストやダンサーなど24人”. Reuters (2015年9月30日). 2022年5月1日閲覧。
  5. “MacArthur Foundation: Chicago Grants [マッカーサー財団:シカゴ本拠の助成金団体] (英語). Inside Philanthropy 2015年6月3日閲覧。
  6. About Us [当基金について] (英語). MacArthur Foundation. 2021年1月23日閲覧。
  7. 1 2 日本大百科全書(ニッポニカ): マッカーサー賞(まっかーさーしょう)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2026年1月13日閲覧。
  8. 国際交流基金日米センター(編)『CGP newsletter』第20巻、国際交流基金日米センター、2002年9月30日、pdf20.pdf。「(略)支援つき住宅に再生させた女性。このタイムズスクエア・ホテルが全米のモデルとなり、天才賞といわれるマッカーサー賞を受賞した実践的「天才」です。ロザンヌの提案と日本NPOセンターの協力をえて(略)」
  9. 科学技術振興機構研究開発戦略センター(編)「環境や社会の変化に伴う水利用リスクの低減と管理 : 戦略プロポーザル (戦略提案・報告書)」、科学技術振興機構、2020年3月、CRDS-FY2019-SP-06.pdf。「(略)信頼の再構築などを目指している。同教授はワシントン DCでの水道の鉛汚染調査の実績で、天才賞と呼ばれるマッカーサー・フェローシップを受けている。(略)」
  10. Coutu, Diane (2007-05). “Picking Winners [受給者の選出] (英語). Harvard Business Review.
  11. Sherrow 2009, p. 99
  12. Husock 2015, philanthropy.com
  13. Hauer 2011, p. 355
  14. 『シカゴ・トリビューン』紙 1985
  15. Nielsen 1996, pp. 132–134
  16. 『People』誌 1984
  17. UPI通信社 1984
  18. 『ウォール・ストリート・ジャーナル』誌 2005
  19. 『フィランソロピー・マガジン』誌 2008
  20. 『ニューヨーク・タイムズ』紙 1993
  21. 『ウォール・ストリート・ジャーナル』誌 2011
  22. Wolfe, Dawn (2025年3月4日). As Crisis Drives Payout Bumps, One Small Funder Bucks Conventional Wisdom [配当を急騰させる財政危機、常識に反抗する小規模な基金] (英語). Inside Philanthropy. 2026年1月6日閲覧。
  23. Candid. MacArthur Foundation boosts giving to 6 percent in wake of crisis [マッカーサー財団、財政危機を受けて寄付を6%増額] (英語). Philanthropy News Digest (PND). 2026年1月6日閲覧。
  24. SSIR. Philanthropy Must Accelerate Spending and Broaden Collaboration (SSIR) (英語). ssir.org. 2026年1月6日閲覧。
  25. Johnson, Steve (2017年12月20日). “Sesame Workshop child refugee plan wins first MacArthur $100M challenge [セサミ・ワークショップの難民児童支援計画、マッカーサー財団より1億ドル助成事業枠を勝ち取る] (英語). Chicago Tribune 2018年12月20日閲覧。

関連項目

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関連資料

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  • 南ア日本国大使館(編)『月刊・南ア・ニュース』2009年6月、外務省、2009年6月、国立国会図書館書誌ID:4021667June_2009.pdf オンライン出版。
  • 松永伸夫「書評 : 『内なる治癒力 : こころと免疫をめぐる新しい医学』を読む」『保健医療経営大学紀要』第12号、保健医療経営大学、2020年3月、65-72頁、国立国会図書館書誌ID:13591290、65-72-matsunaga.pdf。「(前略)研究のためのマッカーサー基金などの顧問でもある。ダグラス・コリガン(後略)」 オンライン出版。
  • 野村総合研究所コンサルティング事業本部社会システムコンサルティング部 編「内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業」『デジタル化時代における諸外国の労働政策動向に関する調査報告書』令和元年度、経済産業省、2020年3月。国立国会図書館書誌ID:14462012000607.pdf。「(略)ロックフェラー財団、マッカーサー基金など、多数の財団からの資金を用いて運営している、としている。(略)」 オンライン出版。
  • 未来工学研究所 [] 編『諸外国における学修歴証明のデジタル化に向けた導入事例・導入方法に関する調査研究 : 学修歴証明デジタル化 : グローバル・トレンドとナショナル・イニシアティブ』文部科学省、2022年3月。国立国会図書館書誌ID:20220609-mxt_daigakuc03-000023240_01.pdf オンライン出版。

外部リンク

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