ポダンギス・ダクティロケラス

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ポダンギス・ダクティロセロス
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ラン科 Orchidaceae
亜科 : セッコク亜科 Epidendroideae
: ポダンギス属 Podangis
: ポダンギス・ダクティロセロス Podangis dactyloceras
学名
Podangis dactyloceras (Rchb.f.) Schltr.

ポダンギス・ダクティロセロスPodangis dactyloceras (Rchb. f.) Schltr.) は、ラン科植物の1種。葉は左右から扁平な単面葉で、花は距が長くて丸っこい。本種のみでポダンギス属をなす。

特徴[編集]

茎の先端が伸び続ける単茎性のランであり、茎は短く詰まる[1]。葉は左右から扁平で細長くて先が尖り、長さ4-8cm、鎌形で4-10枚を扇状に広げる。葉の基部には短い葉鞘がある。

花期は春から夏。花茎は長さ5cm前後と葉より短く、その先端に10個前後の花を密につける。花茎は1つの茎から1-3本生じる。花は白の半透明で、半ばまで開いて内側の葯帽の緑が透けて見える。萼片、側花弁は短く、いずれも長楕円形で花弁の方が幅が狭い。唇弁は丸く、下部は管状で長い距に続く。距は先端が丸く膨らんで2個の突起があるという変わった特徴を持つ。花粉塊は2個が別の枝に着く[2]

属の学名の由来はギリシア語のpodos(足)と angos(管)に由来し、距の形が足を思わせることによるとされる。

分布[編集]

西アフリカ及びタンガニカ、ウガンダ、アンゴラで、熱帯雨林に生育する[3]

分類[編集]

ポダンギス属は本種のみの単形属であり、アングレカム属に近縁なもので、 BolusiellaDiaphanthe に類似したものである[4]。距の特徴などから別属となっている。

利用[編集]

園芸用に栽培され、洋ランの一つとして扱われる。ただし、一般に普及はしていない。

出典[編集]

  1. ^ 記載は主として園芸植物大事典 2(1994)p.2959-2560
  2. ^ 唐澤監修(1996),p,554
  3. ^ 園芸植物大事典 2(1994)p.2960
  4. ^ 園芸植物大事典 2(1994)p.2959

参考文献[編集]

  • 「園芸植物大事典 2」、(1994)、小学館
  • 唐澤耕司監修、『蘭 山渓カラー図鑑』(1996)、山と渓谷社