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ポアソンランダム測度(ポアソンランダムそくど、英: Poisson random measure)とは、ポアソン分布に従う確率変数としての性質を持つ測度のことである。
を
-有限な測度(英語版)
を持つ測度空間とする。intensity 測度
を持つポアソンランダム測度とはある確率空間
上で定義される確率変数の族
で以下を満たすもののことを言う。
- すべての
について
はパラメータ
のポアソン分布に従う確率変数である。
- 集合
が互いに交わらないのであれば、1.で定義される、対応する確率変数は互いに独立である。
- すべての
について
は
上の測度である。
もし
ならば、
とすれば1.-3.のすべての条件を満たす。そうでない場合、
が有限測度(英語版)であるならば、パラメータ
のポアソン分布に従う確率変数
と、確率分布
に従う独立な確率変数
を所与として
![{\displaystyle N_{\cdot }(\omega )=\sum \limits _{i=1}^{Z(\omega )}\delta _{X_{i}(\omega )}(\cdot )}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/c08cb5865ff69aee870209a869596caf48816cc6)
とすれば、
はポアソンランダム測度となる。ここで
は
に位置する退化分布である。有限測度でない場合は、
が有限であるような
の部分から構成された測度によって
を得ることができる。
この種類のランダム測度(英語版)は確率過程のジャンプを記述する時にしばしば用いられる。特にレヴィ過程(英語版)のレヴィ-伊藤分解(英語版)などである。
参考文献[編集]
- Sato, K. (2010). Lévy Processes and Infinitely Divisible Distributions. Cambridge University Press. ISBN 0-521-55302-4