ファグラダルスフィヤル

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ファグラダルスフィヤル
Fagradalsfjall
Geldingadalagos.jpg
標高 385 m
所在地 アイスランドの旗 アイスランド 南西アイスランド
位置 北緯63度54分 西経22度16分 / 北緯63.9度 西経22.27度 / 63.9; -22.27座標: 北緯63度54分 西経22度16分 / 北緯63.9度 西経22.27度 / 63.9; -22.27[1]
山系 クリースヴィーク-トロラディングヤ火山帯
種類 割れ目噴火
最新噴火 2021年3月19日
ファグラダルスフィヤルの位置(アイスランド内)
ファグラダルスフィヤル
ファグラダルスフィヤル (アイスランド)
Project.svg プロジェクト 山
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ファグラダルスフィヤル(Fagradalsfjall、アイスランド語発音: [ˈfaɣratalsˌfjatl̥])はアイスランド南西アイスランド地域にある活火山である[2]

地殻変動の設定[編集]

ファグラダルスフィヤルは南西アイスランドのクリースヴィーク-トロラディングヤ火山帯(Krýsuvík-Trölladyngja volcanic system)にある活火山で[3]、ユーラシアプレートと北アメリカプレートの発散型境界である大西洋中央海嶺の真上(そもそもアイスランド自体がアイスランド・ホットスポットと呼ばれる活発な湧出帯により形成された陸地である)にある。

歴史[編集]

1943年の墜落事故で、犠牲者の遺体を回収する米陸軍当局者。
南方からの空撮。

1943年5月3日、米陸軍航空隊の創設者であるフランク・マクスウェル・アンドリュース英語版中将らが搭乗したB-24 ホット・スタッフが山腹に墜落して、アンドリュース中将ほか14名が死亡した[4]。同機は欧州戦線で31回もの戦略爆撃任務を完遂した後、戦時国債の販促活動のため本国でのツアー飛行を行うべく回航する途中であった。生存者は機尾機銃手のジョージ・アイゼルただ一人であった。

2020年から2021年の噴火活動[編集]

2019年12月から2021年3月にかけて、レイキャネス半島でマグニチュード5.6に達する群発地震が発生し、噴火の前兆であると懸念されていた[5][6][7]。この群発地震は、マグマがレイキャネス半島の下を移動し、岩脈に貫入することによって発生しているものと考えられた[8]。2021年2月4日にはマグニチュード5.6の地震により、軽微ながら家屋にも被害が出た[9]。過去3週間で、地震計は40,000回以上の地震を記録していた[10]

2021年3月19日午後9時30分頃にケルティンカタリル(Geldingadalir)を火口として噴火が始まった。レイキャネス半島での火山噴火は約800年ぶり、ファグラダルスフィヤルの噴火は実に6,000年ぶりのことであった[11][12]。午後9時40分にアイスランド気象局が噴火を発表し[13]、長さ600-700メートルの亀裂から溶岩が噴出していると報告された[14]。溶岩流による住民への危険はないものの、噴出する二酸化硫黄による影響が懸念されている。噴火開始と同時期に地震活動は低調となった。また、カトラのような爆発的噴火ではなく溶岩流主体の比較的安全な噴火ということで、国内から見物客が火口周辺に集まり、一種のアトラクションと評されている[15]。3月には火山学者が溶岩流でホットドッグを調理する動画が注目を集めたり[16]アイスランド国営放送が噴火の様子のライブ配信をネット上で開始した[17]

4月5日にGeldingadalir火口の北東約1kmに、長さ数百mの割れ目火口が出現 (Meradalir火口)。溶岩流は東側に流下し、メラタリル(Meradalir)渓谷に溶岩扇状地を形成している。これを受けて、国は火口周辺の立ち入りを制限した[18][19][20]。新火口出現直後、合計のマグマ噴出率が10m3/sに増加したが、数時間後に元の5~6m3/sに戻った。4月7日に、Meradalir火口とGeldingatalir火口の中間に更に新たな割れ目火口が出現。Meradalir火口の噴出率が低下した。また、Meradalir渓谷への溶岩流流出が停止し、溶岩流は再びGeldingadalir渓谷内に留まるようになった[21]

対応[編集]

ファグラダルスフィヤルの噴火を受けて、ケプラヴィーク国際空港の全発着便の運航が取り止めとなった[22]

関連項目[編集]

参考文献[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ Fagradalsfjall volcano”. Volcano Discovery. Volcano Discovery. 2021年3月20日閲覧。
  2. ^ Guardian staff and agencies (2021年3月20日). “Iceland volcano: eruption under way in Fagradalsfjall near Reykjavik”. The Guardian. The Guardian. https://www.theguardian.com/world/2021/mar/19/iceland-volcano-eruption-under-way-in-fagradalsfjall-near-reykjavik 2021年3月20日閲覧。 
  3. ^ Krýsuvík-Trölladyngja”. icelandicvolcanos.is. Catalogue of Icelandic Volcanoes. 2021年3月20日閲覧。
  4. ^ MT FAGRADALSFJALL”. Visit Reykjanes. Visit Reykjanes. 2021年3月20日閲覧。
  5. ^ Peltier, Elian (2021年3月4日). “In Iceland, 18,000 Earthquakes Over Days Signal Possible Eruption on the Horizon”. The New York Times. The New York Times. https://www.nytimes.com/2021/03/04/world/europe/earthquakes-eruption-iceland.html 2021年3月20日閲覧。 
  6. ^ M 5.6 - 11 km SW of Álftanes, Iceland”. USGS-ANSS. USGS. 2021年3月20日閲覧。
  7. ^ M 5.6 - 6 km SE of Vogar, Iceland”. USGS-ANSS. USGS. 2021年3月20日閲覧。
  8. ^ Hafstað, Vala (2021年3月18日). “Earthquakes on Reykjanes Peninsula Explained”. iceland monitor. iceland monitor. https://icelandmonitor.mbl.is/news/news/2021/03/18/earthquakes_on_reykjanes_peninsula_explained/ 2021年3月20日閲覧。 
  9. ^ FRÍMANN (2021年2月24日). “Earthquake with magnitude Mw5,7 in Reykjanes volcano (update at 12:28 UTC)”. ICELAND GEOLOGY. ICELAND GEOLOGY. 2021年3月20日閲覧。
  10. ^ “Volcano erupts near Iceland's capital Reykjavik”. BBC. BBC. (2021年3月20日). https://www.bbc.com/news/world-europe-56465393 2021年3月20日閲覧。 
  11. ^ Associated Press (2021年3月19日). “Long Dormant Volcano Comes to Life in Southwestern Iceland”. US News. https://www.usnews.com/news/news/articles/2021-03-19/long-dormant-volcano-comes-to-life-in-southwestern-iceland 2021年3月20日閲覧。 
  12. ^ Hafstað, Vala (2021年3月20日). “‘Best Possible Location’ for Eruption”. iceland monitor. iceland monitor. https://icelandmonitor.mbl.is/news/news/2021/03/20/best_possible_location_for_eruption_video/ 2021年3月20日閲覧。 
  13. ^ Fontaine, Andie Sophia (2021年3月19日). “BREAKING: Eruption At Fagradalsfjall”. Reykjavik Grapevine. Reykjavik Grapevine. https://grapevine.is/news/2021/03/19/breaking-eruption-at-fagradalsfjall/ 2021年3月20日閲覧。 
  14. ^ ELLIOTT, ALEXANDER (2021年3月19日). “Volcanic eruption: what we know so far”. RÚV. https://www.ruv.is/frett/2021/03/19/volcanic-eruption-what-we-know-so-far 2021年3月20日閲覧。 
  15. ^ Iceland's Mordor volcano an instant visitor attraction in Reykjavik” (英語). nzherald.co.nz (2021年3月22日). 2021年4月5日閲覧。
  16. ^ celand volcano: Scientists studying eruption cook sausages on lava” (英語). BBC NEWS (2021年3月22日). 2021年4月5日閲覧。
  17. ^ Live from Geldingadalir volcano, Iceland”. YouTube. RÚV. 2021年4月5日閲覧。
  18. ^ BREAKING: New Fissure Opens North Of Geldingadalur, Area Evacuated” (英語). The Reykjavik Grapevine (2021年4月5日). 2021年4月5日閲覧。
  19. ^ Pétursson, Vésteinn Örn (2021年4月5日). “Ný sprunga að opnast á Reykjanesskaga” [A new crack opens on the Reykjanes peninsula] (アイスランド語). Vísir. 2021年4月5日閲覧。
  20. ^ Ný gossprunga skammt frá gosstöðvum í Geldingadölum” [New eruption fissure close to eruption sites in Geldingadalur] (アイスランド語). Veðurstofa Íslands (2021年4月5日). 2021年4月5日閲覧。
  21. ^ Eldgos í Geldingadölum” (アイスランド語). Jarðvísindastofnun Háskólans (2021年4月7日). 2021年4月6日閲覧。
  22. ^ “Iceland volcano erupts spewing molten lava into skies as red glow seen for miles”. Mirror. Mirror. (2021年3月19日). https://www.mirror.co.uk/news/world-news/breaking-iceland-volcano-starts-erupt-23762608 2021年3月20日閲覧。