前兆

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ニュルンベルク年代記における前兆の例

前兆(ぜんちょう、: Omen)とは、何かある出来事が起こる前触れのことである。予兆。きざし。

概要[編集]

通常、「前兆」と言った場合は、人為的な現象ではなく、日食動物の行動などといった様々な自然現象が起こる前に出現する予告的な現象のことを指す場合が多い[1]。例えば、地震火山噴火と言った自然災害が発生する前に、それらの現象が実際に発生するよりも前に起こるとされる何らかの現象・事象は、「地震の前兆」あるいは「噴火の前兆」などと呼ばれる[1]。地震の前兆については、「動物が異常行動をする」「地震雲が出現する」など様々な説や俗信があるが、これらはいずれも科学的・直接的な根拠はない。このように、何かの「前兆」とされるそ現象の中には、人間による単なる経験則などによる根拠のない俗信伝説などに基づいたものも含まれ、科学的・直接的な根拠・理由がない(もしくは曖昧な)、いわばこじつけと言えるものが多い[1]。そのため例えば、現在でも地震の前兆を証明し、「地震予知」を行うことは困難だとされている。なお、良いことが起こる前兆のことを瑞兆、悪いこと(不吉なこと)が起こる前兆のことを凶兆と呼ぶ。

脚注[編集]

  1. ^ a b c 前兆』 - コトバンク