ハイリー・センシティブ・パーソン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

ハイリー・センシティブ・パーソン: Highly sensitive person, HSP)とは、生得的な特性として、高度な感覚処理感受性(あるいは生得的感受性[1][2])を持つ人のこと。テッド・ゼフの著書「The Highly Sensitive Person's Companion」による定義では「産まれたときから幼少期に渡り説明のつかない体験を繰り返し、HSPではなく生まれた人より五感が鋭く、精密な中枢神経系を持ち、良い刺激にも、悪い刺激にも強く反応する感受性の強い人達」[3]とされる。

HSPは病気や障害ではなく、心理学上の概念であり精神医学上の概念ではない。DSMにも指定はされていない[4]。以前より、HSPが既存のビッグファイブ英語版 における性格特性の要素(外向性英語版神経質傾向英語版など)から独立した概念ではないとして疑問視する臨床医が多く存在しているが、それはエレイン・N・アーロン博士による著書がピア・レビューを受ける前に、HSPの概念が広がってしまったことによるもので、現在に至ってはHSPに関心がある多くの人達により実質的なピア・レビューは受けているとされる[4]。2018年に発表された研究によると、HSPの感度には低・中・高の3種類の分類があることがわかり、ビッグファイブ英語版外向性英語版神経質傾向英語版、そして感情反応性の違いによって、その人の感受性レベルが決定されることが示された[5]

HSPは生まれ持った気質であり、生涯、変わることはない[6]。人口の約15~20%を占め、男女によって偏りは見られない。同様の性質は、人間以外にも100種以上の生物にも見られる[7][8]

言葉の用法[編集]

「ハイリー・センシティブ・パーソン(HSP)」という言葉は、1996年にエレイン・N・アーロン博士が考案した[9]。他にHSPの子供時代を指す語として「HSC(Highly Sensitive Child)」、HSPの3割を占める、外向的で好奇心が強いタイプを指す「HSS:High-Sensation Seeking・刺激探求型」などがある[10]

  • HSPを題材として書かれた主な著書。
『The Highly Sensitive Person』、『The Highly Sensitive Child』、『The Highly Sensitive Person in Love』、『The Highly Sensitive Person's Workbook』(以上4冊はエレイン・アーロンの著作)
『The Highly Sensitive Person's Survival Guide』、『The Highly Sensitive Person's Companion』、『The Strong, Sensitive Boy』(以上3冊はテッド・ゼフ博士の著作)
『Making Work Work for the Highly Sensitive Person』(バリー・ジェーガーの著作)
『Help Is On Its Way』(ジェンナ・フォレストの回顧録)[11]

属性・特性[編集]

HSPの属性は「DOES」という頭文字で表され、4つ全ての性質を持っているとされる[12]


  • 処理の深さ(Depth of processing)
・HSPは感覚データを通常よりはるかに深く、かつ徹底的に処理しているが、それは神経システムにおける生物学的な差異によるものである[13]
  • 刺激を受けやすい(Overstimulated)
・感覚的に敏感である。五感や、人の感情や雰囲気から自身の内部に入り込まれ受ける刺激が非HSPに比べ強い。何に対して敏感かは個人差がある。2019年、東京大と米カリフォルニア工科大などの共同研究チームが人間の第六感、磁気を感じる能力を発見したように、現代では解説が不可能な現象やデジャブ、説明のつかない多くの刺激を受けるため、心身ともに疲れやすい。疲れが蓄積され不機嫌や体調不良などにつながりやすい。嫌なことだけでなく、楽しいことでも刺激が多すぎると疲労になる。よって原因が定かではない、若しくは原因が定かである身体症状症などの慢性疲労症候群を引き起こすことも稀にある。ストレス環境要因を減らしていくことや広い捉え方を持ち、認知を変えていく姿勢が必要である。
  • 感情的反応性・高度な共感性(Emotional reactivity and high Empathy)[14]
・神経細胞「ミラーニューロン」の活動が活発であることにより、共感力が高く感情移入しやすい。HSPは生まれたときから境界を持てないケースがあり過剰同調性のために自身と他者との問題を自身の問題として同一しやすい面もある。
  • 些細な刺激に対する感受性(Sensitivity to Subtle stimuli)
・人や環境における小さな変化や、細かい意図に気づきやすい。無意識的あるいは半無意識的に環境内の些細な事柄を処理できる能力から、しばしばHSPは「ギフテッド」や「第六感」を持っているように見えることも発達障害などに近い要素や面を持つこともあり生まれ持ったもの、発育環境要因による性格として捉える場合と、全く異なる違った見解をする事が専門家にも必要である。
少数派であるHSPは「アグレッシブな性格や、強い刺激を求められる現代社会で暮らすのは大変なことであり、本来の自分の価値観とは異なる物に無理やり従い、自尊心を傷つけたり、大きな精神的ダメージを受けることがある。結果として、『私はおかしいところがある』、『私はこういう目にあって当然』と思い、自身の繊細さや感受性の強さまで否定するようになる人もいる。」と述べられている。
一方で多くのHSPが持つ優れた点として「優れた良心の持ち主で裏切り行為をしない誠実さ・私情を挟まない正義感」「愛情喜びをより深く感じ取る」「ポジティブな人生観」「親切で共感力が強い。カウンセラー教師ヒーラーへの高い適正」「アート音楽などのの理解・共感力」「独創性が豊か」「異なる立場にある人への共感と理解」「危機を早期に察知する能力」「環境問題への関心の高さや、生物/動植物への優しさ・意思疎通」「優れた五感/六感を持ち、美味を十分に味わったり、アロマテラピーヨガ瞑想、マインドフルネスや呼吸法によるリラクゼーションの効果やプラシーボ効果もHSPではない人より高い」。1を知って10を知るような「直観が鋭く、スピリチュアルな体験をすることも多い」などが挙げられている(以上は、テッド・ゼフの著書「The Highly Sensitive Person's Companion」[15])。
HSPが様々な生物における集団や、人間社会に存在する理由の一つとして、「一定数存在する『超敏感体質な個体』が、環境の変化や危険などにいち早く感知し、隠れた脅威に反応することで、集団全体が危険にさらされる前に警鐘を鳴らすこと」がある[16]。この危険察知・喚起の役割は、しばしば「鉱山のカナリア」に例えられる[17]。また集団内の「潤滑油」としての役割も担っているとされる[18]
 
<具体的な行動的特徴>
・充実した内面生活を送り、スピリチュアルなことや、創作、医学、心理学哲学に興味を持つ傾向がある[19]
・言語能力が高い[20]。しかし言語能力については個人差がある。優れた言語能力が活かされる環境にも個人差がある。
発達などの障害の要素が強い場合は頭にある言語を他者に上手く表現することが困難な場合があるため児童精神、精神神経系の専門家はこれらをひとつひとつ細かく細部を見ていく姿勢を求められる。
・HSPの内、7割が内向型で、3割が外向型(=HSS)である[21]
・生まれつき感情や社会性をつかさどる右脳が活発。ただし「右脳タイプ」というわけではなく、上記の様な「優れた言語能力」や「深い思考」に見られるように、左脳の能力も十分に発達させる。HSP/非HSPに関係なく、人間の脳は 「言葉や、意味の分析・解釈は左脳」「言葉によらない感覚処理は右脳」で処理し、右脳が先に発達し、左脳は遅れて発達する。HSPにおいても幼少期が特に強く、10代にさしかかり左脳の能力が発達してくると大人びた美的センスや、鋭い洞察力を見せる様になる。右脳で得た深く細やかな感覚データを、左脳で適切に処理できる様になる為である[22]。この為に他者からは誤解やいじめも受けやすい。
・大きな音、太陽、眩しい光、蛍光灯、強い匂い、小さい音が大きく聞こえる、弱い匂いが強く感じるような刺激にも弱い。視覚過敏や聴覚過敏など五感からも与えられるものを持ち合わせることがある。
・物事に対して容易に驚き、短い時間にたくさんのことを成し遂げるよう要求されると混乱する。
・一部のHSPを表現するとき、シャイさ、抑制、恐怖症、パニック症状といったネガティブな言葉がしばしば使われる。しかし、これらの性質は周囲の環境的なストレス源の有無によって獲得されたりされなかったりするので、全てのHSPに当てはまるとは限らない[23]
 
<家庭・養育環境において>[24]
「物事をより細かく感じ取り、あらゆることに影響を受けやすい」というHSPの特性は、生まれて間もないころから発現され、無意識に情報を潜在記憶に取り込みやすい。それゆえHSPの子供(=HSC)は、良い/悪い/養育環境から強い影響を受け、より敏感に人生へ反映していく。愛着に満ちた安定した養育環境で育てば、より安定した大人に育つが、不安定な養育環境で育つと、ひときわ不安定な人生に苦しむ。
はたから見れば問題のない家庭環境だったり、比較的平穏な子供時代を送ったように見えても、HSCは余計に「つらさ」を感じ、また、家族や兄弟の全てがHSPという訳でもなく、兄弟の中でもとりわけ強い感受性・より色濃いHSP特性を生まれ持つ。
家庭だけでなく保育、幼稚園、学校ですらHSPの概念は「感受性が強い」というのみに限定されやすく、深く認知、理解されていない。
HSPという概念を知らない環境にいる教育に関する指導者は感受性が強い側面から「良いもの伸ばそうとする教育」によってもHSPの生きにくさの要素が増えたり、感受性が磨かれるほどHSPは自身の生きにくさを助長されることもある。また、祖父母や両親、血縁者がHSP特性を持っていることもあり先天的遺伝の可能性は否定出来ない。とりわけ機能不全家族の中では、HSP/HSCが他の兄弟より「歪み」を受けやすいが、その後の生涯にわたる発育、成長過程においてはこの特性によって「歪み」を自身でケアする力もHSPには備わることもある。
前述の通り、HSP特性は、生まれて間もない頃から発現する為、現在の問題の原因となった、上記の様な子供時代の大きな出来事を、本人が覚えていない場合も多いこと、逆に記憶力が強いものほど全てを覚えている場合もある。この「無意識」が、深い不信感や、うつ状態自責不安感を引き起こし、急性ストレス反応として自律神経失調症やパニック障害を含む心身の問題から、不安障害やPTSD、メニエール病、身体症状症、自律神経系の五感からも二次的な問題が発生することがある。この場合、原因となったものを改善、または克服することが道を拓くことになる。
 
<学習・学校生活・職場において>
学校生活、社会生活はHSC、のちのHSPにとっては負担が大きい。ただし大抵は得意分野において勉強が好きであり、友情も大切に育む。ひとりの友達と深くつきあったり、少数の仲間と楽しく過ごす子や、リーダーになる子もいる[25]。その為に他者との境界/バウンダリーを持てない場面が多々ある。
HSPである学生は、HSPではない人々とは異なる仕方で学習する。稀に教師や指導者などが回答に困る質問も成される。HSPは些細で細かい部分に注目し、それについて長時間考えを巡らせるが、学習課題に対する理解を示すまでには時間がかかる。それは物事を深く思考するからであり、もしHSP学生が授業内の議論に貢献していないとしても、必ずしもその学生は理解していないとか、シャイであるとは限らない。全く異なる洞察や理解、捉え方をしていることもある。HSPはしばしば、一般的な常識を覆す。一般とは見解が異なる洞察を抱くが、それを披露することは恐れる。なぜなら、口に出してしまうことは自らにとって受ける精神的身体的刺激が大きすぎるからである。周囲と異なる意見は、HSPではない人にとっても負担が大きいものと同じである。
感受性の高い学生を教える際のコツが知りたいのであれば、『The Temperament Perspective』[26]や『The Highly Sensitive Person』[27]の最後の部分が参考になるだろう。HSPは時に得意科目、得意分野によっては1を知って10を知ることがあるために勉学などの吸収は速いが、それ以上の答えまで洞察することもあり得るために心身に無理を生じやすい。
同様のことは職場にも当てはまる。HSPは素晴らしい働き手になりうる。細部をよく見ており、思慮に富み、忠実であるからだ。そのために疲労の負担もとても大きい。HSPが一番活躍するのは、静かで落ち着いた環境が整っているときであることが多い[28]。HSPは監視されていると力を発揮できないため、自己主張の適切な表現が難しい環境において昇進から漏れることもある。HSPは社交性が乏しい傾向にあり、自分ひとりで処理できる経験を好む傾向にあるため学校や組織という人間関係からは浮きやすく、心が通う人間関係も限定的である[27][29]

認識論的考察[編集]

アーロンらによって採用されたアプローチは、「シャイさ」という概念を問い直し、人間を含む多くの生物種に見られる行動における基本的な差異を説明する上で、その概念がどのような役割を果たしているかを再考することであった。シャイさは、社会的判断に対する学習された恐怖感であるが、HSPはこれとは異なる。また、単なる恐怖に他ならず、進化的優位性が皆無であるような生得的性向ともしばしば混同されるが、それは誤りである。高度な感受性は、進化的に保存されてきた基本的な性質であり、それ自体に生存優位性があるものだ。アーロンがこの結論に部分的に達したのは、正常な幼児に見られる知覚閾の低さなどの気質の変異[30]について、また動物種におけるシャイ=勇敢連続体(shy-bold continuum)[31] [32]について調査していた頃であった。どちらの事例においても、この性向は正常なものであり、十分な環境において生き残るために優位的に働いた。さらに、確かなこととして、高度な感受性やその他の生得的性向を持つ幼児は、成長過程において、自らの生得的気質に影響を受け続けるのである。しかしながら、成人を対象とした研究では、行動における観察可能な差異、例えば内向性(自己の内的生活に主な関心を持っていること)や神経症(不安・抑うつ状態)などに焦点が当てられるが、その際、そういった性質の潜在的な起源が、環境と気質の相互作用であるとは考えられない傾向がある。事実として、高感受性を持って生まれた人々の一部は、内向的・神経症的に見えることもあるが、全員がそうであるわけではなく、環境要因によって性質は異なってくるのである(そしてもちろん、内向的・神経症的な人々の全員がHSPであるわけでもない)。このことが示唆するのは、感受性はより基礎的で生得的な性向であり、しばしば上記のような他の類似した性質の起源である場合もある、ということだ。

基礎的な生存戦略である性質に対してなされた命名上の明らかな間違いを正すため、アーロンたちは高度な感受性(high sensitivity)あるいは感覚処理感受性(sensory processing sensitivity, SPS)という概念を考案した。このような名前の遺伝子があるわけではないので、高感受性という言葉は人の性向にのみ用いられるものだと彼女らは考えた。しかし、HSP測定法(「高感受性を持つ」自覚のある人々に対して研究初期に行った面接を通じて作成した測定法)を使用した調査を進めていくうちに、研究は興味深い方向へどんどん拡大していった。多様な方法(遺伝学、fMRI、実験、統計調査)を用いて得られた結果は、成人のパーソナリティを研究する際に研究対象となる典型的な性向の人から得られる結果と比べ、同等あるいはそれ以上に有力なものであった。

研究[編集]

感覚処理感受性についての研究は、アーロンら(Aron, Aron, & Jagiellowicz)[2]に最もよくまとめられている。感覚処理感受性(当該の性向の科学的名称)についての彼女たちの理論は、ハンス・アイゼンクによる内向性と興奮性についての研究、そしてグレイによる行動抑制システム(behavioral inhibition system, BIS。このシステムについて、怖がりで引きこもりがちな行動をもたらすものだという考えをグレイは否定した。彼はこのシステムを再定義し、脅威と好機のどちらに対して行動を起こすときでも、動く前に立ち止まってチェックすることを可能にするものだとした[33][34])についての業績に基いていると説明されている。グレイのアイデアはジェローム・ケーガン英語版[35]により受容され、子どもに見られる抑制を記述するのに用いられた。最後に、トーマスとチェス[30]の伝統があり、それはエヴァンズとロスバートによる著作『Orienting Sensitivity』[36]に結実することとなる。今日の数多くの研究[37][38][39][40]が示唆するところによると、感覚処理感受性(SPS)は生得的なものであり、人類の15〜20%に見られる性質である。感覚入力処理が通常よりも深いという点で特徴付けられ、それにより些細な事柄に対する気づきやすさを生んでいる[41]。合わせて、他の人には気にならない程度の感覚刺激によって容易に興奮してしまうという現象も、恐らくは必然的な結果として生じている。

人口中、敏感な人の割合が一貫して低く(約15〜20%)留まっている理由は、負の頻度依存選択によるものだと考えられる。というのも、もしあまりにも多くの人がこの性向を継承してしまったとすれば、もはや何の価値もなくなってしまうからである(例えば、もしあまりにもたくさんの人が交通渋滞を避ける近道を知ってしまったら、その近道は誰にも役に立たなくなってしまうのと同じである)[7]

発達心理学における最近の研究は、人によって感受性が異なることを裏付けるさらなる証拠を提供している。ベルスキー(Belsky 1997b; 1997a; 2005)の提唱する感受性差異仮説(differential susceptibility hypothesis)によると、経験・環境の質から人が影響を受ける度合いは、個々人によって異なるという。一部の人はこういった影響に対して他の人よりも感受的(敏感)であるが、これが意味するのは、ネガティブな影響だけでなく、ポジティブな影響にもより敏感に反応するということである。例えば、プルースとベルスキー[42][43]の研究が示すところによると、幼児期に気難しい気質をもっている子どもは、生まれてから5年間の間に受ける養育・ケアの質に対して、より強い感受性を持っている。興味深いことに、このような子どもは、質の低いケアを受けると、より多くの行動的問題を起こしたのだが、その反対に、質の高いケアを受けた過去を持つ子どもについては、問題行動が最も少なかった。このことが示すのは、気難しい気質を持つ子どもは、単に気難しいというわけではなく、感受性が高いということであり、したがって他の感受性が低い子どもに比べて、ポジティブな経験からもより顕著に恩恵を受けることができるということである。これらの発見を受けて、プルースとベルスキーは優位感受性(vantage sensitivity)という概念を用いて研究結果を考察し、この性向の進化的優位性を強調した[44]


測定方法[編集]

HSP測定法という内的・外的に妥当性があることが確認されている方法よって測られる[45]。 エレイン・N・アーロン博士は、27項目からなるHSP測定法(HSPS)を開発した。感受性に関する様々な項目が含まれており、例として次のような設問がある。「強い感覚刺激を受けると容易に驚いて圧倒されてしまいますか?」、「痛みに対して人よりも敏感ですか?」などである。HSPSは感覚処理感受性に用いる一元的な測定法で、合格信頼性水準(α = 0.87)に達していると考えられていた[27]。しかし、最近の研究によると、HSPSは3つの異なる要素、すなわち、感性的感受性(Aesthetic Sensitivity)、知覚閾の低さ(Low Sensory Threshold)、興奮しやすさ(Ease of Excitation)に区分することが可能である[46]

しかしながら、HSPSが40回の定性面接に基いて作られたものであることを考えると、このように下位尺度が発見されたことは不思議ではない。処理の深さという単一の属性は、生活の複数の局面に対して影響を与えるが、HSPSの項目はそれらを反映しているのである。したがって、測定の観点から見たときにより驚異的なのは、これらの様々な項目が実によく相関しているという事実である。

ドンブロフスキの過度興奮性との比較[編集]

HSPに関心のある人は、アーロンのアプローチをカジミェシュ・ドンブロフスキの積極的分離理論(Theory of Positive Disintegration)における過度興奮性(over-excitability)と比較検討してみたいと考える。

内向性との比較[編集]

エレイン・アーロンは、スーザン・ケイン英語版が2012年に上梓した著作『Quiet: The Power of Introverts in a World That Can't Stop Talking』と、それに関連する『Time』誌のカバーストーリー[47]に応答し、次のように述べた。すなわち、ケインが記述しているのはHSP(感覚処理感受性の観点から定義[45]される性質)についてであり、内向性(アーロンによれば、この概念は最近、社会的相互作用の観点から、より狭い意味で定義[48]されるようになっている[49])については書かれていない、と。ケインたちは感受性と内向性の違いを曖昧にしているとアーロンは書いてはいるものの、『Time』の記事については、HSPを理解するための「大きな、大きな一歩」として評価している。また、研究が進めば、HSPの30%[48]を構成する外向的な人々についても理解が進むであろうとも述べている[49]

脚注[編集]

  1. ^ Aron, E.N. (2006). “The Clinical Implications of Jungs Concept of Sensitiveness”. Journal of Jungian Theory and Practice 8: 11–43. オリジナルの2007年9月29日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20070929125223/http://www.junginstitute.org/pdf_files/JungV8N2p11-44.pdf. 
    • Jung, C. (1913). 'The theory of psychoanalysis'. CW 4.
    • ______ (1916). 'Psychoanalysis and neurosis'. CW 4.
  2. ^ a b Aron, E.; Aron, A.; Jagiellowicz, J. (2012). “Sensory processing sensitivity: A review in the light of the evolution of biological responsivity”. Personality and Social Psychology Review 16: 262–282. doi:10.1177/1088868311434213. 
  3. ^ 上記の著書より
  4. ^ a b Lawrence, Kelsey (2019年5月6日). “Understanding the Highly Sensitive Person” (英語). Medium. 2019年9月1日閲覧。
  5. ^ Pluess, Michael; Jagiellowicz, Jadzia; G. Leonard Burns; Aron, Elaine N.; Aron, Arthur; Lionetti, Francesca (2018-01-22). “Dandelions, tulips and orchids: evidence for the existence of low-sensitive, medium-sensitive and high-sensitive individuals” (英語). Translational Psychiatry 8 (1): 1–11. doi:10.1038/s41398-017-0090-6. ISSN 2158-3188. PMC: PMC5802697. PMID 29353876. https://www.nature.com/articles/s41398-017-0090-6. 
  6. ^ mazecoze研究所 2018.11.27記事 『子育てハッピーアドバイス』シリーズ著者より http://mazecoze.jp/diversity/5198
  7. ^ a b Wolf, M.; Van Doorn, S.; Weissing, F. J. (2008). “Evolutionary emergence of responsive and unresponsive personalities”. PNAS 105 (41): 15825–15830. doi:10.1073/pnas.0805473105. 
  8. ^ While many animals are sensitive to specific stimuli, it seems that others demonstrate a broader sensitivity, plasticity, or flexibility. For example, Sih and Bell (2008) wrote that enough examples exist "to suggest that individual difference in environmental and social sensitivity is common, potentially quite important, and worthy of further study" (p. 16). Dingemanse and colleagues (2009) provide an integrative model for observing personality traits (e.g., shy, bold, aggressive, nonaggressive) that in some species or individuals are inflexible and completely specific to context but in other cases are flexible, occurring in some contexts and not in others, according to its usefulness, so that the underlying trait in these cases would be being sensitive enough to know when to be sensitive—suggesting layers of processing.
  9. ^ 相磯展子 (2016年8月31日). “生き残りの要 仕事場で「繊細な人」が必要なワケ”. NIKKEI STYLE. 2018年5月6日閲覧。
  10. ^ mazecoze研究所 2018.11.27記事 『子育てハッピーアドバイス』シリーズ著者より http://mazecoze.jp/diversity/5198
  11. ^ Dr. Aron describes a second trait that can considerably alter the look of the trait in a particular person which is high sensation seeking. Although it may seem to be the opposite of sensory processing sensitivity, "the opposite of a Highly Sensitive Person (HSP) is a person who takes many risks, that is, acts without reflecting very much. An HSP who is an HSS (High Sensation Seeker) also will find ways to have novel experiences, but will not take ill-considered risks." (from WebMD Live Events Transcript The Highly Sensitive Person In Love with Elaine Aron).
  12. ^ mazecoze研究所 2018.11.27記事 『子育てハッピーアドバイス』シリーズ著者より http://mazecoze.jp/diversity/5198
  13. ^ Ketay, S., Hedden, T., Aron, A., Aron, E., Markus, H., & Gabrieli, G. (2007, January). The personality/temperament trait of high sensitivity: fMRI evidence for independence of cultural context in attentional processing. Poster presented at the annual meeting of the Society for Personality and Social Psychology, Memphis, TN. Summary by Aron (2006): "A functional study comparing brain activation in Asians recently arrived in the United States to European-Americans found that in the nonsensitive, different areas were activated according to culture,during a difficult discrimination task known to be affected by culture, but culture had no impact on the activated areas for highly sensitive subjects, as if they were able to view the stimuli without cultural influence."
  14. ^ Besides Study 4 in Aron, Aron, and Davies, 2005, a study under review as of 2012 has found HSPs to have more mirror neuron activity (associated with empathy) than others when looking at photos of happy or distressed faces. Another under review has found stronger arousal compared to others when viewing pictures known to arouse strong emotions, both positive and negative.
  15. ^ 上記の著書による記述
  16. ^ ダ・ヴィンチニュース2017/8/30 https://ddnavi.com/news/396370/a/
  17. ^ レインボーアカデミーhsp https://hspthrive.com/about-hsp/
  18. ^ ダ・ヴィンチニュース2017/8/30 https://ddnavi.com/news/396370/a/
  19. ^ (「ひといちばい敏感な子」エレイン・アーロン)
  20. ^ (「ひといちばい敏感な子」エレイン・アーロン)
  21. ^ (「ひといちばい敏感な子」エレイン・アーロン)
  22. ^ (「ひといちばい敏感な子」エレイン・アーロン)
  23. ^ Aron, E. N.; Aron, A.; Davies, K. (2005). “Adult shyness: The interaction of temperamental sensitivity and an adverse childhood environment”. Personality and Social Psychology Bulletin 31: 181–197. doi:10.1177/0146167204271419. 
  24. ^ (「ひといちばい敏感な子」エレイン・アーロン)
  25. ^ (「ひといちばい敏感な子」エレイン・アーロン)
  26. ^ Jan Kristal, Brookes, 2005
  27. ^ a b c Aron, Elaine. 1996. The Highly Sensitive Person, ISBN 0-553-06218-2.
  28. ^ Bhavini Shrivastava. "Predictors of work performance for employees with sensory processing sensitivity" September 2011, MSc Organizational Psychology, City University, London, Department of social sciences, Psychology
  29. ^ sensitiveperson.com Attributes and Characteristics of Being Highly Sensitive by Thomas Eldridge
  30. ^ a b Thomas, A., & Chess, S. (1977). Temperament and development. New York: Brunner/Mazel.
  31. ^ Wilson, DS; Clark, AB; Coleman, K; Dearstyne, T (1994). “Shyness and boldness in humans and other animals”. Trends in Ecology & Evolution 9 (11): 442–446. doi:10.1016/0169-5347(94)90134-1. 
  32. ^ Hedrick AV (2000). “Crickets with extravagant mating songs compensate for predation risk with extra caution”. Proc. Biol. Sci. 267 (1444): 671–5. doi:10.1098/rspb.2000.1054. PMC: 1690585. PMID 10821611. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1690585/. 
  33. ^ McNaughton, N.; Gray, J. A. (2000). “Anxiolytic action on the behavioral inhibition system implies multiple types of arousal contribute to anxiety”. Journal of Affective Disorders 61: 161–176. doi:10.1016/s0165-0327(00)00344-x. 
  34. ^ Amodio, M. D.; Master, L. S.; Yee, M. C.; Taylor, E. S. (2008). “Neurocognitive components of the behavioral inhibition and activation systems: Implications for theories of self-regulation”. Psychophysiology 45: 11–19. doi:10.1111/j.1469-8986.2007.00609.x. 
  35. ^ Kagan, J. 1994 Galen’s prophecy. New York: Basic Books.
  36. ^ Evans, D. E.; Rothbart, M. K. (2007). “Development of a model for adult temperament”. Journal of Research in Personality 41: 868–888. doi:10.1016/j.jrp.2006.11.002. 
  37. ^ Jagiellowicz, J.; Xu, X.; Aron, A.; Aron, E.; Cao, G.; Feng, T.; Weng, X. (2011). “Sensory processing sensitivity and neural responses to changes in visual scenes”. Social Cognitive and Affective Neuroscience 6: 38–47. doi:10.1093/scan/nsq001. 
  38. ^ Aron, A.; Ketay, S.; Hedden, T.; Aron, E.; Markus, H. R.; Gabrieli, J. D. E. (2010). “Temperament trait of sensory processing sensitivity moderates cultural differences in neural response, Special Issue on Cultural Neuroscience”. Social Cognitive and Affective Neuroscience 5: 219–226. doi:10.1093/scan/nsq028. 
  39. ^ Chen, C.; Chen, C.; Moyzis, R.; Stern, H.; He, Q.; Li, H.; Dong, Q. (2011). “Contributions of dopamine-related genes and environmental factors to Highly Sensitive Personality: A multi-step neuronal system-level approach”. PLoS ONE. 6: e21636. doi:10.1371/journal.pone.0021636. 
  40. ^ Licht, C., Mortensen, E. L., & Knudsen, G. M. (2011). Association between sensory processing sensitivity and the serotonin transporter polymorphism 5-HTTLPR short/short genotype. Biological Psychiatry, 69, supplement for Society of Biological Psychiatry Convention and Annual Meeting, abstract 510.
  41. ^ Gerstenberg, F. X. R (2012). “Sensory-processing sensitivity predicts performance on a visual search task followed by an increase in perceived stress”. Personality and Individual Differences 53: 496–500. doi:10.1016/j.paid.2012.04.019. 
  42. ^ Pluess, M.; Belsky, J. (2009). “Differential Susceptibility to Rearing Experience: The Case of Childcare”. Journal of Child Psychology and Psychiatry and Allied Disciplines 50 (4): 396–404. doi:10.1111/j.1469-7610.2008.01992.x. 
  43. ^ Pluess, M.; Belsky, J. (2010). “Differential Susceptibility to Parenting and Quality Child Care”. Developmental Psychology 46 (2): 379–90. doi:10.1037/a0015203. PMID 20210497. 
  44. ^ Pluess, Michael; Belsky, Jay (2012). “Vantage Sensitivity: Individual Differences in Response to Positive Experiences”. Psychological Bulletin 139: 901–916. doi:10.1037/a0030196. 
  45. ^ a b Aron, Elaine; Aron, Arthur (1997). “Sensory-Processing Sensitivity and its Relation to Introversion and Emotionality” (PDF). Journal of Personality and Social Psychology 73 (2): 345–368. doi:10.1037/0022-3514.73.2.345. http://www.hsperson.com/pdf/JPSP_Aron_and_Aron_97_Sensitivity_vs_I_and_N.pdf. 
  46. ^ Smolewska, Kathy A.; McCabe, Scott B.; Woody, Erik Z. (2006). “A psychometric evaluation of the Highly Sensitive Person Scale: The components of sensory-processing sensitivity and their relation to the BIS/BAS and "Big Five"”. Personality and Individual Differences 40 (6): 269–1279. doi:10.1016/j.paid.2005.09.022. http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0191886905003909. 
  47. ^ Walsh, Bryan, "The Upside Of Being An Introvert (And Why Extroverts Are Overrated)" (WebCite archive), Time, February 6, 2012.
  48. ^ a b Aron, Elaine N., Ph.D, "Understanding the Highly Sensitivity Person: Sensitive, Introverted, or Both? | Extraverted HSPs face unique challenges" (WebCite archive), Psychology Today, July 21, 2011.
  49. ^ a b Aron, Elaine N., Ph.D, "Time Magazine: "The Power of (Shyness)" and High Sensitivity" | ... Quiet describes HSPs (WebCite archive), Psychology Today, February 2, 2012.

参考文献[編集]

学術論文
  • Aron, Elaine; Aron, Arthur (1997). “Sensory-Processing Sensitivity and Its Relation to Introversion and Emotionality”. Journal of Personality and Social Psychology 73 (2): 345–368. doi:10.1037/0022-3514.73.2.345. 
  • Bruch, M.; Gorsky, J.; Cullins, T.; Berger, P. (1989). “Shyness and Sociability Reexamined: A Multicomponent Analysis”. Journal of Personality and Social Psychology 57 (5): 904–15. doi:10.1037/0022-3514.57.5.904. 
  • Deo, P.; Singh, A. (1973). “Some Personality Correlates without Awareness”. Behaviorometric 3: 11–21. 
  • Gough, H., & Thorne, A., "Positive, negative, and balanced shyness: Self-definitions and the reactions of others" in Shyness: Perspectives on Research and Treatment ISBN 0-306-42033-3.
  • Higley, J., & Suomi, S. "Temperamental Reactivity in Non-Human Primates" in Temperament in Childhood ed. Kohnstramm, G., Bates, J., and Rothbart, M. (New York: Wiley, 1989), 153–67.
  • Kagan, J.; Reznick, J.; Snidman, N. (1988). “Biological Bases of Childhood Shyness”. Science 240 (4849): 167–71. doi:10.1126/science.3353713. PMID 3353713. 
  • Thorne, A. (1989). “The Press of Personality: A Study of Conversations Between Introverts and Extraverts”. Journal of Personality and Social Psychology 53: 713–26. doi:10.1037/0022-3514.53.4.718. 
  • Raleigh, M.; McGuire, M.; Brammer, GL; Yuwiler, A (1984). “Social and Environmental Influences on Blood Serotonin and Concentrations in Monkeys”. Archives of General Psychiatry 41 (4): 181–90. doi:10.1001/archpsyc.1984.01790150095013. PMID 6703857. 
  • Revelle, W.; Humphreys, M.; Simon, L.; Gilliland, K. (1980). “Interactive Effect of Personality, Time of Day, and Caffeine: A Test of the Arousal Model”. Journal of Experimental Psychology General 109 (1): 1–13. doi:10.1037/0096-3445.109.1.1. PMID 6445402. 
  • Zumbo, B.; Taylor, S. (1993). “The Construct Validity of the Extraversion Subscales of the Meyers-Briggs Type Indicator”. Canadian Journal of Behavioral Science 25 (4): 590–604. doi:10.1037/h0078847. 
  • Belsky, J.; Pluess, M. (2009). “Beyond Diathesis-Stress: Differential Susceptibility to Environmental Influences”. Psychological Bulletin 135 (6): 885–908. doi:10.1037/a0017376. PMID 19883141. 
単行本

HSPを扱った作品[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]