ノート:近鉄奈良線列車暴走追突事故

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ブレーキシステムについて[編集]

本項目を読み返していて気づいたのですが、事故車直通ブレーキではなく非常直通ブレーキ装備ですので、戦中戦後の資材難でやむを得ず非常弁の機能を殺していたがために当該事故に至ったのではなかったでしょうか? 残念ながら小生手持ちの文献等でこの辺の事情を明記したものが発見できていないため、とりあえず問題提起をしておきます。--HATARA KEI 2009年1月7日 (水) 19:35 (UTC)[返信]

私の手持ちの資料、『佐々木冨秦、; 網谷りょういち (1995-11-10). 続・事故の鉄道史. 日本経済評論社. ISBN 4-8188-0819-9 』の127-132ページにそれについての記述がありまして、128ページ7-9行目に次のように記述されています。“大正時代は単車運転(一両で走る)が主体だったので、空気ブレーキはGE(ゼネラルエレクトリック社)のエマージャンシー・ストレート方式(非常直通型空気制動機)、つまり直通ブレーキとなっていた。”とあり、多分そこから直通ブレーキと勘違いして記述されたのではないかと思います。で、この文献によれば「直通空気管」と「非常管」のうち「直通空気管」が破断したため、「非常管」の空気を抜いても空気溜めの圧搾空気が直通空気管の破断箇所から漏れたと解説しております(詳細は文献をご覧になられた方が良いかと思います)。もっとも、この解説が正しいかどうかは当方には判断つきかねますので、HATARA KEIさんにご判断戴きたく存じます。この記事は参考文献が殆んど示されていないので他の資料も探して、整えたほうがよいように思います。--UE-PON2600(旧↑PON) 2009年1月15日 (木) 14:01 (UTC)[返信]
ご教示ありがとうございます。当該書籍を確認し、さらに非常直通ブレーキの空気配管図と比較して検証してみたのですが、この記述の通りであるとすると、直通管から空気圧が漏洩していても非常ブレーキが正常動作するのではないか、という結論に達してしまいました。参照したのがGEの非常直通ブレーキそのものではなく、ライバルWH社のSMEの配管図であるため、細部構成に相違がある可能性は否定できないのですが、概要としては以下の通りです。
最も単純な機能を備えた三動弁としての非常弁はブレーキシリンダー直近に取り付けられ、非常管圧力が定格値の時には直通管からの空気圧を直接ブレーキシリンダーへ送り込むように経路を構成し、非常管破断や非常ブレーキ指令などの非常時にはこれを閉鎖し、空気溜(MR)→空気溜管(MP)→非常弁→ブレーキシリンダーの順に圧縮空気が供給されるように設計・接続されています。で、ここからが肝心なのですが、直通管が破断して空気が漏洩したとしても、直通ブレーキのブレーキ弁を閉鎖していれば、空気溜の圧縮空気が直通管から漏洩することはあり得ません。後年のSMEE/HSCブレーキ搭載車は元空気溜管を各車間で引き通しているのですが、SMEやGE非常直通では空気溜管は各車両内で完結しており、これはコンプレッサー→空気溜→空気溜管→運転台制動弁→直通管→非常弁→ブレーキシリンダーという経路でブレーキ力として利用する一方、上述の通り別系統で非常ブレーキの動力源としても利用されている(しかもフェイルセーフ確保のために要所に逆止弁が挿入されています)ため、仮に直通管から漏れたとしても、運転台の制動弁を閉じ、かつ非常弁が正常ならば直通管からブレーキシリンダーへの系統を閉鎖して非常ブレーキ系統が機能し停車に至る筈です。というか、そもそもこうなっていないと非常ブレーキとして肝心なときに役に立たない(非常管が切断されるような場合、直通管も切断されてしまうのが普通で、となると当該書籍の理屈で行くとそういう場合にこのブレーキは全く役に立たないことになってしまいます)訳で、このあたりのメカニズムをちゃんと理解した上で著者の方が書かれているのか、少々疑問に思ってしまいます。ちなみに小生が最初の部分で非常弁を殺して云々と書いたのは、事故前に浦原利穂氏が撮影された近鉄電車の写真で、自動ブレーキ装備車(こちらは元空気溜管を繋がなくとも応答性は悪くなりますが自動ブレーキ動作をします)も直通ブレーキ装備車も揃ってブレーキ管を1本しか下げていなかったためです。まぁ、この辺は裏が取れないと単なる独自研究となってしまうのですが、以上のようなことですので、今の間違った記述を放置する訳にも行かず、かといって文献の記述を鵜呑みにもできず、少々困ってしまうところではあります。--HATARA KEI 2009年1月19日 (月) 13:37 (UTC)[返信]