ノート:知多鉄道

ページのコンテンツが他言語でサポートされていません。

戦時統合の表現[編集]

戦時統合についてですが、「陸上交通事業調整法」「地域交通統合」「自主的・行政介入」等の関係についてちょっと疑問があります。

  • 多くの(合併された側の)典拠では「戦時中の交通統合の流れ…」とかで法令について触れてないか、「陸上交通事業調整法」を掲げているのみ(たまに「調整区域に指定された」という誤りを含む記述になっている)。
    • そもそも「陸上交通事業調整法」は戦時立法じゃなくて事業者の要請によるもので、根源的には昭和不況が理由(「私鉄全史」より。図書館で貸出中だったので必要なら後日詳しく書きます+陸上交通事業調整法に出典足します)。三河鉄道の場合において「改正陸運統制令」が代わりに提示された典拠があったはずだが見失った…。
    • 「陸上交通事業調整法」を背景に交通統合が加速したのは事実だが、その流れと戦時が重なったのは偶然であり、「不況による陸上交通事業調整法」と「戦時体制による統合推進(=改正陸運統制令?)」が並走しているはず。
  • 名鉄の統合について『「陸上交通事業調整法」によらず自主的に整理統合をすすめた』という記述もよくあるが、これが合併全体のことなのか、「名岐・愛電」に限った事なのか曖昧。
    • 「名岐・愛電」も結局は仲介者がいるので何をもって「自主的」なのかが微妙だが、「百年史」曰く“5地域の拘束力と違い”とあるので、「陸上交通事業調整法」を背景とするかしないかが「自主的」の境界なのか。
    • 三河鉄道合併について、百年史では「自主交渉ではなく当局の強力な介入で実施された珍しい例」とあり、他の合併と差別化されている(あと瀬戸電も詳しく取り上げられてる)。それに対して知多・碧電あたりは運営委託の関係からか比較的スムーズに合併されたと書かれている。

上記のように私自身も一つの結論に達してないので、今把握している資料をもって本文を改定するつもりはないのですが、表現的に疑問があるのも確かです。少なくとも傍系の碧電・知多(それと谷汲、竹鼻あたり)の合併について、行政の介入はあったとしても、「陸上交通事業調整法」「強制」が文中に使われるほどの強引さがあったとは思えず、若干違和感を感じています。なにか情報があれば募集します。--ButuCC+Mtp 2014年2月6日 (木) 15:16 (UTC)[返信]

コメント 編集報告・コメント 取り急ぎ、私が作成した知多鉄道および碧海電気鉄道記事における当該記述については、典拠とした青木栄一著『名古屋鉄道のあゆみ -その路線網の形成と地域開発-』(鉄道ピクトリアル通巻473号 p.75)の記述により忠実な形に修正いたしました。修正以前の内容では、確かに行政からの強制によって意に反した合併を強いられたかのような誤解を招きかねず、些か不適切なものであったと思います。ご確認いただければ幸いです。
上記戦時統合に関するご指摘は大変興味をそそられるもので、ある意味楽しく拝読させていただきました。以下、私の知る範囲で見解を申し上げます。
当時の日本国内における交通事業者の統合に関する根拠法は「陸上交通事業調整法」および「改正陸運統制令」のみであったと記憶しています。「陸上交通事業調整法」は仰る通り昭和初期の経済不況下において企業体力強化を目的に成立したもので、戦時体制への移行による国家権限の強化を目的とした「改正陸運統制令」とは異なるものです。また両者が根本的に異なるのが、前者が民間事業者同士の統合を目的としているのに対して、後者は鉄道路線など陸上輸送機関を国家の管理下に置くこと(国有化)を目的としている点です。民間事業者同士の合併について、合併時期の戦前戦中・対象事業者の大手中小などを問わず「陸上交通事業調整法」を根拠としているのはそのことに起因すると思われます(端的な例が阪和電気鉄道の保有路線で、「陸上交通事業調整法」に基いて南海電気鉄道へ吸収合併され同社路線となったのち、「改正陸運統制令」に基いて国家買収されています)。従って、戦中における民間事業者同士の合併、いわゆる戦時統合については、「『改正陸運統制令』などを背景とした行政からの事業者統合圧力が強まったことを受けて、『陸上交通事業調整法』を根拠法として実施されたもの」と解釈するのが妥当ではないかと考えています。
なお、名鉄の例における「自主的」とは、陸上交通事業調整法の存在とは無関係に、行政など第三者の介入なしに事業者間のみで合併に合意した例を指すのではないでしょうか。名鉄の被合併事業者で比較的後年まで独立事業者であったもののうち瀬戸電・三鉄の2社を除外すると、いずれも資本的繋がりを有するか純粋な子会社であるかどちらかでしたから、行政からの圧力を背景とした合併であったとしても比較的スムーズに合意に至ったであろうことは、『百年史』の内容を受けるまでもなく想像に難くありません。また、先に述べた理由から三鉄の名鉄への吸収合併について「改正陸運統制令」が根拠であると説明した資料の信憑性には些か疑問符を付けたくなります。もっとも、同件は「改正陸運統制令」の根拠法「国家総動員法」を適用して合併を強制したことを指すのかもしれませんので、現段階では何とも申せません。
長々と失礼いたしました。何らかのお役に立てば幸いです。--MaximusM4会話2014年2月7日 (金) 09:55 (UTC)[返信]
コメント - コメントありがとうございます。「『改正陸運統制令』などを背景とした行政からの事業者統合圧力が強まったことを受けて、『陸上交通事業調整法』を根拠法として実施されたもの」という解釈は私も妥当だと思います。ホンネとタテマエじゃないですが、『陸上交通事業調整法』を根拠法としつつも戦時体制が背景にあったという流れは自然ですね。修正内容も確認しましたが、程度としては修正後内容くらいがベターだと思います。
なお、三鉄統合に関しては鉄道省が介入するレベルだったことまでは典拠から明らかなのですが、『国家総動員法』が背後にあったかまでは確認できませんでした。見失った「『改正陸運統制令』が提示された資料」についても、覚えている限りではそこまで詳細に語られていたものではなかったはずで、もしかしたら「調整区域」の誤り同様、筆者が戦時体制を示すために触れた程度だったかもしれないです。--ButuCC+Mtp 2014年2月14日 (金) 12:47 (UTC)[返信]