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ノート:ユーフォニアム/過去ログ その他 2007年1月5日 - 2007年1月27日

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バリトン[編集]

バリトンとすると、声楽のバリトンの記述にリンクされますが、そのなかに金管楽器としてのバリトンが有ると記載されています。ユーフォニアムの記事の中では、「バリトン(金管楽器)」とされていますが、英語のページにならってバリトンホルンという記述にしたらどうでしょう。バリトンホルンのページが出来れば、金管楽器のページのリンクも書き直す必要があります。Mackey7jp 2007年1月5日 (金) 09:09 (UTC)[返信]

いや、機械的に置換されると一寸困る、複雑な事情があるんですよ。これは実際に日本の吹奏楽でバリチューバプレイヤーである人しかわからない、激しく「独自の」「当事者感覚」なのでしょうが、バリトンホルンが論理的にはこの記事内容にふさわしいもっとも定義を広く取れる項目名だと頭は理解するんですが、やっぱり現在の日本の吹奏楽界で使われない言葉で(去年不毛な言掛りをつけられましたが)ぶっちゃけ死語といってもいいくらいです。その原因は、現在多くの楽団が編成に加えているユーフォニウムは「バリトンホルンの一種」という系統学的に妥当な見方より「バリトンを駆逐した(より優れた)新しい楽器」という受け止め方をされていて、だれもそれを「バリトン」とも「バリトンホルン(ホーン)」とも言わないからです。現在の楽器や楽譜のパート名の圧倒的普及率を考えると、この記事はやはりバリトンホルンでもテナーチューバでもなくユーフォニアムであるべきでしょう(私自身がこの表記を使わず「ニウム」表記なのは、擬古ラテン語風名称を英語読みしたくないという独自主張ですから)。
実際、日本国内では「バリトン」というのは英国式金管バンドで使われる中細管のBbの楽器、「テナー」は同細管の楽器(吹奏楽では同様にユーフォニウムが駆逐した)、「アルト」はその上のEb管(まずメロフォンに、次いでフレンチホルンに駆逐された)である、という通念が、それらがすべて編成から消えたことによってかえって強固に化石化して保存されてしまっています。世界的視座では日本の吹奏楽編成が戦前のヨーロピアンスタイルからアメリカンスタイルに徐々に変わったのであって特定の楽器が廃れたのではないのですが、近視眼的にはそう見えるんです。それらはみな「~ホーン」の略であることを理解していても、あったころからそうは呼ばれませんでした。
また、「バリトンホルン」というと先の英仏式「バリトン」よりむしろドイツ式ポザウネンコアで使われる「ロータリーのユーフォニウム相当楽器、テナーチューバといっとくと当り障りのないもの」という印象で、やっぱりユーフォニウムが思い浮かべられることはないように思います。で、このニュアンス差が存在する為、記事名をユーフォニアムのままにするとしても、「バリトン」を「バリトンホルン」に「表記統一」してしまうことにも賛成し難いです。LR 2007年1月6日 (土) 05:37 (UTC)[返信]
勘違いなさっているのではないかと思うのですが、バリトン (金管楽器) という未執筆の記事名をバリトンホルンにすればどうかという提案ではないのですか?--Uraios 2007年1月6日 (土) 05:55 (UTC)[返信]
気の回しすぎかもしれませんが、勘違いではないです。「ユーフォニウムはバリトンホルンに完全に包含される」「この記事はユーフォニウムを定義を確定するより類縁楽器の記述の充実に精力的である」「それらとユーフォニウムが混在している本記事の、百科事典上の楽器分類的に相応しい記事名は明らかにユーフォニアムではなくバリトンホルンである」ということは宜しいですか。ですからバリトンホルンという記事を作ってこの記事と住み分けを生真面目に考えると、こちらには殆ど何も残らなくなる、というか、それはこちらを改名してあてがわねばならないだろう、だから「三手先」の弁明をしているんです。LR 2007年1月6日 (土) 09:09 (UTC)[返信]

バリトンホルンあるいはテナーホルンなど定義が曖昧な中で、新たなページを作成する事は問題がある事は、当事者でもありますので、理解できます。ウィキペディアという百科事典と言う体裁を考えた時、当事者以外が調べものをする時、あるいは英語との記述比較という点で、バリトンホルンという項目がある必要があり、ユーフォニアムテナーホルンなどの楽器との区別が問題になっている事を記載し、詳細についてはユーフォニアムのページを読むように誘導する事にしたら如何でしょうか?他のアイディアとしては、バリトンホルンのリンクがユーフォニアムにリダイレクトされるようにする方法も一つかと。--Mackey7jp 2007年1月7日 (日) 04:53 (UTC)[返信]

完全無欠の「ユーフォニウム(狭義)」は定義可能か[編集]

先に触れましたが、この記事の内実は、広義のバリトンホルンの記事になっていることは事実だといえます。そしてそのバリトンホルンの記事をユーフォニアムで維持するには、これを突き止めておかないといけないと思うのです。何がバリトンで何がユーフォかという厄介な問題に強引に独自の白黒を付けて他を排除するのではなく、「これはユーフォニウムではなく何々だ」といわせない範囲を、小さく但し強固に確保し、定義に載せてしまうことで先手を打ちたいんです。たたき台として「ラージボア円錐管、テナートロンボーンと同じBb管、四本ピストン」じゃないかと思うのですが、皆さんのご意見はいかがでしょうか。LR 2007年1月6日 (土) 05:37 (UTC)[返信]

ユーフォニアムに限らず、ネット上で定義をするのは、なかなか困難ではないかと思います。まずは、どのバリトンを指して、ユーフォニアムと区別した方がよいのかをはっきりさせた方が、少しはまとまりが付くと思います。もしイギリス式バリトンを指しているのであれば、これはサクソルンバリトンの現代の形と言っても良く、他にバリトンと呼ばれたアメリカやドイツの金管楽器と比べて、格段に全体の管が細いです。ただ、イギリス式バリトンの記事を独立させる必要があるかとなると、サクソルンの項目で十分なように思います。ですので、私は取り立てて「バリトンホルン」の記事を作らなくてもよいのでないかと思います。現在、ユーフォニアムやその近縁の楽器を、便宜上「ユーフォニアム」の項目として記載していることに、私は賛成です。現在の日本では、なかなかドイツ式バリトンや、アメリカ式のバリトンホーンが使われる機会は少ないですので、これらを「便宜上」であることを記した上で、各国で使われているユーフォニアムとして紹介するのがベターではないかと思います。ということで、現状でよいのではないかと思いますが、どうでしょう。--HIDEっち 2007年1月6日 (土) 15:01 (UTC)[返信]
LRさんが「先手を打ちたい」と仰る気持ちはよく判りますが、もし「結論先にありき」で無謀な主張をするものを相手として想定されているのであれば、あまりこちらは手を打たないで良いのではないかと思います。どれだけ厳密に定義しようとしても、振り回されるのみでしょうから。無謀な書換があったら、資料に基いて辛抱強く間違いを糾す、根拠があやふやであれば、出典を明らかにさせる。出典すら示せないのであれば、どんなに正統だと主張しても「思いつき」の域を出ませんので。地味ですが、そのような取組みで処したいと、私は思っています。--HIDEっち 2007年1月6日 (土) 15:01 (UTC)[返信]
私は、現状のスタイルを維持するために必要な提案をしたつもりでいます。想定しているのは、問題ユーザーではありません。むしろその「地味な取り組み」がより厳密な人によって我々に向けられる事態です。定義できないものは記事に出来ないんですよ、本来。ですから、論拠として片端から文献定義を挙げることになりますが、そこから重なりを導いて統合定義とする事ならここでも出来ます。LR 2007年1月6日 (土) 23:50 (UTC)[返信]
LRさんの目指す方向性が、いまいちぴんと来ないので確認なんですが、日本でユーフォニアムと呼ばれている楽器について、最も狭い定義を確立して、その楽器についてしっかりと記述した上で、それに関連する少し違う楽器を扱うという形で、いわゆるバリトンホルン全体を包括するような記事を構成するということなのでしょうか。yhr 2007年1月7日 (日) 03:38 (UTC)[返信]
良く意を汲んで下さって感謝します。ユーフォニアムは統括概念ではないので、中低音円錐金管総合記事になってしまうと本来看板は張れない、バリトンホルンと峻別がきちんとつけられない現状では別記事にも出来ない、でも保有台数も現場知名度も圧倒している、という厄介な状況で、こいつに看板張りつづけさすにはどういう理論武装が要るか、ということです。LR 2007年1月7日 (日) 05:20 (UTC)[返信]
完全無欠の「ユーフォニウム(狭義)」は定義と聞かれれば、「メーカーがユーフォニアムと名前を付けて販売した楽器」などというアカデミックでない定義になってしまいます。「ラージボア円錐管、テナートロンボーンと同じBb管、四本ピストン」という定義ですと、4バルブでなければユーフォニアムと言わないことになると、英語版でも議論になっていましたが、スクールバンドでは、ほとんどが3バルブの楽器しかなくて、それはバリトンホルンなのか?それはおかしいということになってしまいます。「ラージボア円錐管」円錐管という部分は良いにしても、ラージボアてどれくらいの太さがあれば良いのか、どこを測るのかなど、難題ですね。バリトンホルンとユーフォニアムの区別が曖昧になった原因は、米国のバンドの発達過程にあると考えられるのですが、米国でのユーフォニアムの発達について、記事を書いてみました。、ご意見をいただければ幸いです。--Mackey7jp 2007年1月7日 (日) 06:48 (UTC)[返信]
私などは、人が生み出すものに完全無欠なことなどなかろう、と思っているひねくれ者ですから、定義は苦手です(笑)。しかし、LRさんが仰ることにも頷けます。結局ユーフォニアムの歴史を辿ってゐると、ユーフォニアムのユーフォニアムたる所以は何かという根本的な所に、私もぶつかるからです。何を以てユーフォニアムなのかということですね。それが知りたくて、細々と研究しているのかも知れません。ですので、今後も細々で、先手は打てそうにありません(笑)。問いは消えないでしょうけれども。--HIDEっち 2007年1月7日 (日) 14:03 (UTC)[返信]

日本ではテナーってどんな楽器だったか[編集]

>実際、日本国内では「バリトン」というのは英国式金管バンドで使われる中細管のBbの楽器、「テナー」は同細管の楽器(吹奏楽では同様にユーフォニウムが駆逐した)、「アルト」はその上のEb管(まずメロフォンに、次いでフレンチホルンに駆逐された)である、という通念が、それらがすべて編成から消えたことによってかえって強固に化石化して保存されてしまっています。世界的視座では日本の吹奏楽編成が戦前のヨーロピアンスタイルからアメリカンスタイルに徐々に変わったのであって特定の楽器が廃れたのではないのですが、近視眼的にはそう見えるんです。それらはみな「~ホーン」の略であることを理解していても、あったころからそうは呼ばれませんでした。

以上、LR2007年1月6日 (土) 05:37 (UTC)の投稿より[返信]

本題とは別で恐縮ですが、「テナーは同細管の楽器(吹奏楽では同様にユーフォニウムが駆逐した)」というのは初耳ですが… これ、日本における通念となっていますでしょうか? 本題の方を先に進めていただいて結構ですので、またお時間がありましたら。
楽器としてのテナー像は、あってますでしょ? で、日本吹奏楽史の方は、より正確には「テナーのパート譜を含む欧州編成譜(Bb移調ト音記号のテナーとバリトンを含み、小バス以下がBb移調ヘ音、大バスは移調の上さらに一オクターブ高く書かれている、仏流?の編曲譜)が流行らなくなり、始めからそれを含まない米国編成譜(テナーもバリトンも小バスも譜面がなく、あるのはユーフォニウム1(2)の実音譜)が完全に優勢となった」でしょうか。隣の学校が持ってなくて譜面にもない楽器は新調しませんからね。この変化は昭和40年代に進行し、昭和50年代からは現在のスタイルと思っておいて大丈夫ですよ。LR 2007年1月6日 (土) 23:37 (UTC)[返信]
日本国内では、テナー(ホルン)というと、B♭の楽器ではなく、E♭の楽器(アルト)として捉えられているのが一般的ではないでしょうか? テナーをB♭の楽器としているのは、主にドイツや、チェコなどの東欧諸国で、その地域の吹奏楽譜は、昭和40年代以前の日本では一般的ではなかったのではないかと思いますが、どうでしょう。--HIDEっち 2007年1月7日 (日) 14:03 (UTC)[返信]
いえ、輸入譜などというおハイソなものではなく日本で出版された譜の話です、これ。楽器に立奏用の肩紐留めるわっかと譜面挟み差し込んでねじで留める四角い箱型金具が標準でついてた頃、その譜面挟みに留められる、B6サイズ厚紙の、多分戦前~1960年代の、それこそ「アルト」「バリトン」「小バス」と漢字カナでパート名が書いてあるような、行進曲の楽譜です(お判りでしょうか?)。
で、その手のものではアルトは第二まで、その下にテナー(セカンドはない)が来て、これが三和音で7日21日の後打ち(文茶文茶文茶菓茶ッ茶、の茶菓の部分=独2.Tenorhorn)、バリトンが対旋律などオイシイところ(独1.Tenorhorn)、小バスは大バスの買えない楽隊の貧乏バスで1日15日の頭打ち(文の部分、独逸 Baritontuba)、だったと記憶します。つまりテナーの記譜上の役割は今日の編成の3rdHrですね。で、この記譜はinBbではなかったかと記憶するのですが、なにせ30年以上前の、すでに演る者も実物のもなかった楽器の記憶で、追及されると一寸自信がありません(笑)。アルトとバリトンと小バスの描写は磐石ですけど。LR 2007年1月8日 (月) 07:09 (UTC)[返信]
この当時の「共同音楽出版」の楽譜などがそうだと思います。チムパニとかトロムボーンとかのパート名が書いてありました。懐かしいです。いくつか持っておりますし、中学生時代はこの譜面が多かった(行進曲や小曲等)ですが、テナーは見たことがないです。もちろんテナーサクソフォンはありましたが。そういえば、確かにアルトは2パートでした。曲によってパリトンに第2のパートがあって、それが、仰るようなテナーの役割をしていたことがあります。--HIDEっち 2007年1月8日 (月) 09:01 (UTC)[返信]
HIDEっちさんご無沙汰しております。みどりの掲示板では幾度かすれちがっております。みなさま、興味深い議論面白く拝見させて頂いております。とりあえず戦前の資料では、テナーの記述の見覚えはありません。小バスとユーフォニウムを同一視するのはあったと思います(明治期。必要なら資料示します)。--Ks aka 98 2007年1月8日 (月) 09:53 (UTC)[返信]
そうそうそれそれ。「チムパニ」表記は私の中学生当時既に爆笑ネタでした。マーチの他にエグモント序曲や軽騎兵序曲をそのシリーズで演りましたよ。で、それにもテナーなどない、ということになると、長じて大学でやった輸入譜(inBb移調譜の読みかたなんか忘れてて酷い目に逢った)の仏系行進曲の譜面と記憶が混じってしまったかもしれません。但し、です。先にバスとチューバの区分をしてた古い本のバリトンの項(p230)では、日本での呼称を「バリトーンまたはテノールホーン」としており、全く根拠が示せないわけでもありません。共同の譜面も曲(原典?パクリ元?)によってテナーが在ったりなかったりしているのかも。スーザにはなさそうですが、タイケだとどうか、とか。それともうひとつ。1970年代前半のヤマハの管楽器カタログ(カラー横開きのヤツ)に華奢なテノールホーンは載ってなかったでしょうか(激しくうろ覚え)。LR 2007年1月9日 (火) 02:37 (UTC)[返信]
LRさんへ。なるほど、確かに共同音楽出版社の譜面は、曲によって原典が異なっていましたので、考えられなくはないですね。尤も、最終的には三戸知章先生のパート分によるわけですが(笑)。タイケの旧友は、原典不明ですが、これも時代によってパートが入替ってきました。昭和40年代の譜面(中学時代に使用した譜面)では、B♭テナーは記憶にないですね(あったら興味津々で眺めたと思います)。そこで、考えられるのは、オランダのモレナール社の古い譜面です。この編成には、B♭テノールホルン(複数パート)とバリトン(括弧付けでユーフォニアムと列記してある場合もある)のパートが入っていることが多いです。これを共同音楽出版が原典にしたとすれば、B♭テノールホルンのパートもあったかも知れません。もし入っていたとしたら、当時の人も悩んだでしょうね。オランダの譜面はドイツ式に近いので、これなら、バリトン(中細)、B♭テノール(細)というお話も納得できます。英または仏式でしたら、ユーフォニアム・小バス(太または中細)、バリトン(細)、テナー(またはアルト E♭)、米式ならバリトンというパートのみになります。ただ、どちらかと言うと、戦後の日本の場合は、主に英仏式から米式へと移行していったのではないかと思います。日本とドイツが敗戦国であることも、日本の吹奏楽に関係しているかも知れませんね(軍楽隊の影響が大きいですから)。いやはや、勉強になります。
深海氏の記述は興味深いです。丁度その本の元になった連載記事が掲載されているバンドジャーナルを年末にお借りできたのですが、該当の号がなくて残念です(他に面白い発見が沢山ありましたが)。同誌には、毎号、赤松文治氏を初めとした面々が、各国の吹奏楽団の編成についての研究を掲載しています。各国から吹奏楽団が相次いで来日し、レコードも次々に発売され、コンクールもかつてない盛り上がりを見せている、さて、これからの日本の吹奏楽編成をいかに整えていくか、という時代だったのかもしれません。そんな中、博識の深海氏が各国の吹奏楽編成を考慮した上で、記述したのかもしれません。ここからは独り言ですが、もしも氏が「米式バリトンホーン(英仏式ではなく)」と「ドイツ式テノールホルン」とを同じ役割の楽器として認識していたとしたら、心から感服いたします。
ヤマハにはB♭のテノールホーンという機種はなかったと思いますが、やけに華奢なE♭のアルトホルン(テナーホーン)はありました。手持ちの古いカタログが何年のものだったか、調べてみます。
Ks aka 98さん、ご無沙汰しております。この件の調査とは別に、その資料自体に大変興味があります(笑)。一度、ユーフォニアムとそれに近い楽器に関する研究会をやってみたいものです。--HIDEっち 2007年1月9日 (火) 09:35 (UTC)[返信]
お待たせしました。1976年のカタログには、華奢なアルトホルン(YAH-201)がありましたが、テノールホーンはありませんでした。これ以前のカタログは持っていないので、もしお持ちの方がいらしたら、ご教示頂きたいと思っています。--HIDEっち 2007年1月18日 (木) 07:49 (UTC)[返信]

自宅にある一番古い『楽語辞典』(島崎赤太郎監修、昭和5年)を見てみました。

  • Tenorhorn:独、テノール記号を用い、コルネットの如く旋律用として軍楽に用いる。
  • Euphonion:独、Ophileide, Ophikleidともいう。1843年吹奏楽器製造家Sommerの発明した3個のVentilを有する金属製半音階吹楽器の名。その音色はTenorhornのそれににて調はハ調変ロ調及びイ調の3種であり又音域は変ろ(下点)乃至イ(上点)音。今日用いているのはボヘミアのCzervenyの改良したものである
  • Euphonium:英、1→Euphonに同じ(多数のガラス管からなる楽器)。2→bass saxhorn。
  • baritono:伊、1→人声音中最美な男声音の名(略)。2→1700年頃発明された弦楽器で(略)。3→tuba種の金属製吹楽器の名;1843年Sommerという人によって作られる。euphoniumともいう。
  • Saxhorn:独、Saxの喇叭。普通の信号喇叭よりも太く3個乃至5個の弁子を持つ金属製吹楽器。之に七種ある。(略)4.Tenorhorn(変ロ調)5.Tenorbass(変ロ調)(以下略。bassは記載無し)

いかがでしょう? 記述は基本的に他国の辞典からの引き写しだと思いますし、読者は音楽学校関係者に限定されると思いますが、いちおうTenorhornについては記載されています。

その他思いつくところでは、吹奏楽講座や吹連史などの記述は、多く堀内敬三や目黒三策ら音楽之友社系人脈に負うところが多く、これは戦前の日本管楽器~管楽研究会の流れにあり、陸軍系になります。赤松氏は、確か昭和12~13年の『ブラスバンド喇叭皷隊ニュース』(管楽研究会、目黒が編集)がもっとも初期の執筆にあたり、後記では学生と紹介されていました。昭和初期に学校などに吹奏楽団が生れていくのに貢献したのは堀内、平林勇、廣岡九一といったあたりですが、堀内はアメリカ留学経験があり、平林はアメリカ音響学会に関係していたようで、また廣岡もアメリカから雑誌を取り寄せるなどしていたようですから(テューバかかえて参照)、米スクールバンドへの視線は、この頃からあったように思います(戦後吹奏楽が、はっきりとアメリカに目を向けたのは、昭和42年の視察旅行からですが)。しかし、同時に海軍~田邊楽器系の流れもあり、こちらは今なお歴史としてきちんと記述されていませんので、ドイツからの影響が見えにくくなっている可能性もあります。特に日中戦争がはじまる昭和12~13年あたりからは、KDF運動などの影響もありドイツに目が向いていくはずで、ちょうどこの時期、東海、関東、関西に連盟が揃い、爆発的に吹奏楽団が学校職場に作られていくのと重なります。まだ戦中期は十分調べていないので、そのうちなにか資料が出てくるかもしれません。

なお、日本の管楽器史、管楽器産業史は、まったくといって先行研究がない状態です。研究会するなら乗りますよ。--Ks aka 98 2007年1月18日 (木) 20:42 (UTC)[返信]

Ks aka 98さん、有難うございます。大変参考になりました。さて、つい先日、横須賀は戦艦三笠記念館内の、海軍軍楽隊資料室を訪問しました。瀬戸口藤吉氏「Gunkan - March」の樂譜が展示してありました。いつ刷られたものかは判りませんが、Tenorhorn が2パート、Bariton が1パートあり、驚きました。そこで、帰ってきてから、楽水会編『海軍軍楽隊』の「楽器別各年次入団者名簿」を見ますと、見事に年によって名称がバラバラでした(笑)。一覧表にでもして整理すると、何か見えてくるのかも知れません。ちなみに Tenorhorn I がメロディー、II が後打ち、Bariton は頭打ちと後打ちをいっぺんにやっています。あ、ついでに、昭和15年入団の、鈴木隆氏寄贈のクランポン製「ユーフオニアム」が展示されていました。見事なサクソルン・バスであったことを申し添えておきます。こちらも失礼(署名忘れ)--HIDEっち 2007年1月27日 (土) 15:08 (UTC)[返信]