ノート:セイレーン

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「中世以降の変化」の項について[編集]

ギリシア語の初学者ですが、上記の項の中で気になる記述がありましたのでトピックを立てます。

まずπτερνγιονは正しくはπτερύγιονです(νニューではなくυユープシーロンに鋭アクセント)。

πτερύγιονはπτέρυξ(翼)の指小語で、「翼状のもの(鰭, ミミズクの耳羽, 等); 小尖塔」(古川晴風『ギリシャ語辞典』)を意味します。LSJのリンクを貼ります。 [1]https://lsj.gr/wiki/πτερύγιον

一方、ギリシア語で羽根 featherを意味する言葉はπτερόνであり、この語にも鱗の意味はありません。 [2]https://lsj.gr/wiki/πτερόν

πτερύγιον は鱗(うろこ)ではなく鰭(ひれ)であり羽根(feather)は意味せず、羽根と鱗とを意味する言葉は同じではありません。

また、ラテン語のpennisが羽根、pinnisが鱗と紹介されていますが、pennaとpinnaはどちらの語形も羽根feather、翼wing、鰭finを意味し、鱗の意味はありません(pennisとpinnisは複数与格または複数奪格の語形となります)。 [3]https://lsj.gr/wiki/penna [4]https://lsj.gr/wiki/pinna

ギリシア語とラテン語で羽根と鱗にあたる語が同じ、あるいは似ているために半人半鳥から半人半魚へと変化したとの論は、引用元を確認しましたが典拠が明示されておらず、取り上げられている単語の語義からは確認することができません。

当該部分の削除を提案します。--Melopepon会話) 2023年12月8日 (金) 18:17 (UTC) --Melopepon会話2023年12月8日 (金) 19:47 (UTC)Melopepon[返信]

Σειρήνの語源について[編集]

「その名の語源は「紐で縛る」、「干上がる」という意味の Seirazein ではないかという説が有力である。」との記述ですが、

Seirazeinとの語がギリシア語とは明記されていませんが、文脈からこれをσειραζεινのローマ字転写とするとσιεράζωの現在不定詞形σειράζεινを意味するものと思われます。σειράζωの語義はstrike 打つです。LSJでは"strike, of lightning"とあります。

「紐で縛る」はσειράω、「干上がる」はσειρέωなのでどこかでこの2つの語と混同されたのではないでしょうか。

なお、辞書では動詞は1人称単数形を見出し語とするのが慣例です。単語を紹介するときもそれにならうのが通例で不定詞形とすることは一般的ではありません。

wikipediaの英語版ではセイレーンの語源については論争があると書かれています。日本語版で典拠の不確かな説を有力とするのは問題があると思います。--Melopepon会話2023年12月8日 (金) 19:11 (UTC)[返信]

Λίγειαについて[編集]

「概要」の項でΛίγεια リゲイア を「金切り声」としていますが出典が不明確です。

呉茂一は「朗声」(『ギリシア神話 上』p.254)、ケレーニイは「明るい声を持った女」(『ギリシアの神話 神々の時代』P.72)としています。 λίγειαは形容詞λιγύςの女性形単数主格の形でclearとshrillの意味があります。shrillの意味をとって「金切り声」としたのでしょうが、「美しい歌声で航行中の人を惑わす」声が金切り声というのは無理があります。clearの意味をとるのが自然です。--Melopepon会話2023年12月14日 (木) 12:10 (UTC)[返信]