ノート:カール・ヘルマン・フランク

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カール・ヘルマン・フランクの地位の日本語訳[編集]

この項目では、1943年8月20日にフランクが任命された地位を「ベーメン・メーレン保護領担当国務相」と訳しています。こう訳したのは私なのですが、当初から、我ながらいささか問題のある訳だと思っておりました。といいますのは、この地位はドイツ語版ウィキペディアでは「Deutscher Staatsminister für Böhmen und Mähren」、英語版では「Minister of State for Bohemia and Moravia」と記載されています。Minister of Stateはイギリスでは通例の地位ですが、イギリスでは大臣は内閣に属する「Secretary of State(閣内大臣、閣内相)」と属さない「Minister of State(閣外大臣、閣外相、国務相)」に分かれます。つまり、日本の「大臣」はイギリスでは「Secretary of State(閣内大臣、閣内相)」に相当し、「Minister of State」はそれよりも一段低い地位なのです。ただ、「Minister of State」の日本語訳は「閣外相」または「国務相」とするのが定訳です。したがって、フランクの地位「Minister of State for Bohemia and Moravia」は一応、「ベーメン・メーレン保護領担当国務相」と訳しておくべきかと思いました。

しかし、「国務相」というと日本語では「国務大臣」の略称であるのが通例であり、こうなるとイギリスの「閣内相」と区別がつかなくなります。ヒトラー時代のドイツ政府に閣内相と閣外相の区別があったのかどうか調べがついていないのですが、ヒトラー時代の閣僚は通例は「Reichsminister」であり、これがイギリスの閣内相や日本の国務大臣にあたる地位かと推察されます。そうすると、フランクの地位にだけ「Deutscher Staatsminister」が使われているということは、これは大臣は大臣でも「Reichsminister」よりも一段低い地位ではないかと思われるのです。

そうすると、誤解を避けるためにも、適切な日本語訳を探そうとしたのが、寡聞にして日本語文献では「Deutscher Staatsminister」の定訳が見あたりません。これを、これまで通り「担当国務相」としておいて良いのか、それとも別訳を考えるべきか、ご意見をうかがいたいと思います。「国務長官」というのがしっくりくるかな、と思ったのですが、これはアメリカで大統領・副大統領に次ぐ閣僚の日本語訳としてすでに定着していますので、そちらと混同されるのも困るでしょう。私案では、日本語の語感を重視し、かつ、日本の国務大臣とは別だということを示すために、(中国の香港の行政責任者「香港特別行政区政務司司長」の別訳である「政務長官」を流用し)「ベーメン・メーレン保護領担当政務長官」というのはどうかと思っているのですが、いかがでしょうか。--182.167.56.136 2012年12月27日 (木) 14:43 (UTC)Sie[返信]

独自の判断で訳を創設すると独自研究になる可能性もあるので出典を見つけて、その訳にならったほうが良いと思います(その訳に問題があろうとなかろうと)。とりあえずフランツ・ノイマン『ビヒモス ナチズムの構造と実際 1933-1944』(みすず書房)は「保護領担当国務大臣」となっていますので私は現行のままを支持します。他の本でカール・ヘルマン・フランクの役職の訳を見つけたらまた報告いたします。--Omaemona1982会話2013年1月2日 (水) 11:51 (UTC)[返信]
Omaemona1982さま。ご意見ありがとうございます。フランツ・ノイマン(岡本友孝・小野英祐・加藤栄一)『ビヒモス—ナチズムの構造と実際1933-1944—』(みすず書房、1963年)について御教示いただいたことも感謝いたします。同書を確認いたしましたら、確かにフランクの役職は「ドイツ国の保護領担当国務大臣」となっていました。ただ、同書では「Reichsminister」は「帝国大臣」、「Deutscher Staatsminister」は「ドイツ国の国務大臣」と、周到に訳し分けられています。日本語版『ビヒモス』に依拠する場合には、フランクの役職は「(ドイツ国の)国務相」「(ドイツ国の)国務大臣」のママとしつつ、その他のヒトラー内閣々僚については「帝国大臣」と修正する必要がでてくると存じます。ともあれ、私もフランクの役職の適訳を既存の権威ある日本語文献から探してみます。よろしくお願いいたします。--182.167.56.136 2013年1月4日 (金) 07:15 (UTC)Sie[返信]

コメントドイツ語版de:Staatsminister (Deutschland)に役職の解説があるようです。この記述ではオットー・マイスナーも同様にStaatsministerの地位にあったとされています。ドイツ語版のそれぞれの記事では、フランクもマイスナーも「Staatsminister im Rang eines Reichsministers」、つまりライヒ大臣の地位を持つStaatsministerとなっているようです。また訳文ですが参考までに「Staatsminister」は辞書サイトでは国務大臣の訳がなされています。現在のドイツでは「Staatsminister im Auswärtigen Amt」という副大臣的役職があり、日本では外務省国務大臣と訳されているようです。--126.62.120.26 2013年1月5日 (土) 10:53 (UTC)[返信]