ノートゲルト

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ノートゲルト (Notgeld) は、ドイツの緊急通貨。

20世紀の初頭、ノートゲルトはインフレーションに対応するためドイツ国内で発行された。この通貨は通常のものでなく、ドイツ中央銀行(ライヒスバンク)ではなく様々な機関(銀行、地方自治体、民間会社、国有会社)によって発行された。従ってそれは法定貨幣ではなく、支払いのために便宜的に使用されたものであった。

ノートゲルトは主として紙幣の形で発行された。他には硬貨、革、絹、リネン、切手、アルミホイル、石炭、再生紙等の形も使用された。

第一次世界大戦中のノートゲルト[編集]

ノートゲルトの最初の大規模な発行は、第一次世界大戦中に行われた。戦費負担によって引き起こされたインフレは、硬貨の価値を額面以上のものにした。多くの機関が硬貨を貯蔵し始め、更に硬貨の鋳造に使用される金属は軍需物資の生産に必要とされた。金属の深刻な不足が引き起こされたが、紙幣による代替によって改善された。

これらの紙幣は非常に多彩であり、すぐにコレクターの収集目標となった。収集目的の需要により、経済的必要性が少なくなった1921年まで多くの紙幣が発行され続けた。

戦間期のインフレにおけるノートゲルト[編集]

ビーレフェルトで発行された10億マルクノートゲルト

1922年になるとインフレはコントロールできなくなり始めた。1923年にフランスがルール占領を行うと、マルクの価値は急激に下がり、高額紙幣が次々と発行された。中央銀行は通貨の需要に対する供給ができず、ノートゲルト(パピエルマルク)が再び発行された。最終的には戦前と比較して1兆倍にも及ぶインフレが発生し、同年11月にレンテンマルクを発行して1兆分の1のデノミが行われた。