トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
表示
|
| |||
| 物質名 | |||
|---|---|---|---|
Tris(dibenzylideneacetone)dipalladium | |||
別名 Pd2(dba)3 | |||
| 識別情報 | |||
| ECHA InfoCard | 100.122.794 | ||
PubChem CID
|
|||
| 性質 | |||
| C51H42O3Pd2 | |||
| モル質量 | 915.73 g·mol−1 | ||
| 融点 | 152 ~ 155℃ | ||
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
| |||
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Tris(dibenzylideneacetone)dipalladium(0)、Pd2(dba)3)は、パラジウムとジベンジリデンアセトン (DBA) からなる錯体で、有機合成化学において遷移金属触媒、あるいは触媒の前駆体として用いられる[1]。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) などと並び、0価のパラジウム化合物の代表例とされる。外見は深い紫色の固体。
合成
[編集]ジベンジリデンアセトンと酢酸ナトリウムの熱メタノール溶液に塩化パラジウム(II)を加えて反応させると Pd(dba)2 が生じる。これをクロロホルム中から再結晶させるとクロロホルム付加体 Pd2(dba)3•CHCl3 が得られる[2]。
用途
[編集]根岸カップリングやキャロル転位、そして不斉アリル位アルキル化反応の触媒として使われる。また、ホスフィンなどさまざまな配位子を加え、対応する Pd(0)錯体を系中で発生させるための前駆体として用いられる。
脚注
[編集]- ^ Tsuji, J. "Tris(dibenzylideneacetone)dipalladium-Chloroform" Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, L.A. Paquette, Ed.: J. Wiley and Sons: Sussex, England, vol. 8, pp. 5431 (1996).
- ^ 『実験化学講座』丸善、第4版、18巻、1991年、404ページ.
関連項目
[編集]


