チョウセンイタチ

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チョウセンイタチ
チョウセンイタチ
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 LC.svg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ネコ目(食肉目) Carnivora
: イタチ科 Mustelidae
亜科 : イタチ亜科 Mustelinae
: イタチ属 Mustela
: チョウセンイタチ M. sibirica
学名
Mustela sibirica
(Pallas, 1773)
シノニム

Mustela sibirica coreana
(Domaniewski, 1926)

和名
チョウセンイタチ
シベリアイタチ
タイリクイタチ
英名
Siberian Weasel
Siberian Weasel area.png
分布図:緑は自然分布、赤は移入個体群

チョウセンイタチ(朝鮮鼬、学名:Mustela sibirica)は、食肉目イタチ科イタチ属に属する哺乳類シベリアイタチタイリクイタチとも呼ばれる。朝鮮半島対馬の個体は、M. s. coreanaとして亜種とする説もある。中国ではその色から’黄鼬’と呼ぶ。また’顔はネズミと似て,尻尾は狼のように’から'黄鼠狼’の別名と呼ぶ。俗名の’黄大仙’は鼬の直立姿は道教の修行者,云わば仙人の瞑想や祈りと似てから付けた。

分布[編集]

ユーラシア大陸北部、ヨーロッパ東部、ヒマラヤ北部からシベリアにかけて、中国、朝鮮半島、台湾に広く分布する。日本での天然分布域は対馬だけである。また日本においては、九州、四国本州中部地方以南、九州周辺のいくつかの島に移入している。

形態[編集]

頭胴長が28-39 cm(雄)25–31 cm(雌)、尾長が16-21 cm(雄)13–16 cm(雌)、体重が650-820g(雄)360-430g(雌)になる。全身が、やや褐色がかった山吹色の体毛に覆われる。額中央部から鼻にかけて濃褐色の斑紋がある。

ニホンイタチと比べ、特に雄は大型になり、尾率が50%を越える。

生態[編集]

周辺に農耕地や林が残された住宅地、農村周辺、山麓部にかけて生息する。沢の下流部を除き、あまり山間部に入り込まないことが知られている。大阪市などでは、住宅密集地でも生息している場所がある。

ネズミ類や類、甲殻類などを食べるが、秋にはカキなどの果実類も食べる。ニホンイタチに比べ、植物質を多く食べる。

繁殖期は春で、一度に2-12頭の仔を産む。

種の保全状態評価[編集]

チョウセンイタチ Mustela sibirica
亜種 チョウセンイタチ Mustela sibirica coreana (対馬の個体群のみ)

国内移入の問題[編集]

1949年頃に、船舶の積荷などに紛れ込んで朝鮮半島から九州に侵入したとされる。また同時期に毛皮業者が養殖の為に持ち込んだものが、その後養殖場から逃げ出して、それ以後西日本を中心に分布を広げている。また、ネズミ等の害獣駆除のために放獣された場所もある。在来種であるニホンイタチと比べて体が一回り大きく、移入した場所ではチョウセンイタチが優勢になり、ニホンイタチを山間部に追い込んでいる。また、住宅地に適応し、ニワトリ等の食害や、家屋に侵入して糞尿や騒音の問題を引き起こしている。

筆の原毛[編集]

コリンスキー セーブルの画筆

筆の分野では、特にシベリア等北部に生息するMustela sibiricaをコリンスキー レッド セーブル、コリンスキー セーブル、レッド セーブル、シベリアン ファイア セーブルと呼び、雄の尾毛は、画筆や書筆の高級原毛として使われる。弾力がありしなやかで、揃いが良く、高価である。独特の「粘り」があり、使い込む程に「味」が出る。普通、日本産イタチのみならず中国産イタチと区別する。俗にコリンスキーと呼ぶ。同じブランドに「コリンスキー レッド セーブル」(或いは、コリンスキー)と「レッド セーブル」がある場合、前者が高品位で高価である。他方で、雌の尾毛を画筆に採用している業者も存在する。中国では、原毛はイタチの尾毛の筆は’狼豪’と呼ぶ。これはチョウセンイタチの中国名は'黄鼠狼’からの呼称である。

なお、ブラック セーブルはMustela putorius(en:European Polecat)であり、レッド セーブルとは異なる。これはフィッチ(fitch)、ポールキャットの名で知られる。毛はレッド セーブルよりは固く太いが、揃いは良く、弾力もある。

参考文献[編集]

  • 米田政明 阿部 永 監修 『改訂2版 日本の哺乳類』 東海大学出版会、2008年、P83
  • da Vinci Künstlerpinselfabrik DEFET GmbH 「da Vinci Watercolour brushes made from natural hair」 2002年12月
  • 株式会社 名村大成堂 『2006 ARTISTS' MATERIALS』 2006年1月

関連項目[編集]

外部リンク[編集]