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ジュゴン科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジュゴン科
ジュゴン
ジュゴン Dugong dugon
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 海牛目 Sirenia
: ジュゴン科 Dugongidae
学名
Dugongidae
Gray, 1921[1]
模式属
Dugong Lacépède, 1799[1]
和名
ジュゴン科[2]
亜科

ジュゴン科(ジュゴンか、Dugongidae)は、哺乳綱海牛目に分類される科。

現生種はジュゴン亜科に属するジュゴン属ジュゴンの1属1種のみであるが[1]ステラーカイギュウ亜科英語版に属する絶滅種であるステラーカイギュウのほか、ドゥシシレン属など新生代化石種を多数含む[3]

進化史

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カリブ海に出現した海牛類の祖先は始新世に放散し、大西洋のマナティー科の系統が分岐したあとにジュゴンの祖先を含む複数の系統がテチス海で多様化し、漸新世初期までにインドシナ半島から太平洋西部に進出した[4]。この中でインド洋から東南アジア南西諸島珊瑚海バヌアツにかけて分布するジュゴンが唯一現存する[5]。ジュゴンの西側の分布北限である日本では沖縄本島宮古島周辺で確認されるのみとなっているが[6]、明治時代には奄美大島八重山列島でも普通種であった[5]。本科の日本での化石としては、最古のものでは北九州の上部漸新統から産出しており[7]、西方から日本列島に進出した初期の系統に属すると考えられている[8]。同様に西方から進出したハリテリウム亜科は北海道の中部中新統、本州の中部・上部中新統から記録があり[9][10][11]、ジュゴン亜科は北海道の中部中新統から1例が報告されている[12]。一方でステラーカイギュウの祖先を含む系統は中期中新世にカリブ海から北太平洋に進出した[13]。ステラーカイギュウ亜科は寒冷な海域に適応して北アメリカ大陸西部沿岸を北上し[13]、さらにベーリング海を南下して後期鮮新世には日本海に到達した[3]。ステラーカイギュウはステラーカイギュウ亜科で唯一現世まで生存したが、狩猟圧によって1768年に絶滅した[14]

分類

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出典

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  1. 1 2 3 Jeheskel Shoshani, "Order Sirenia," Mammal Species of the World, (3rd ed.), Volume 1, Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (ed.), Johns Hopkins University Press, 2005, Page 92–93.
  2. 川田伸一郎・岩佐真宏・福井大・新宅勇太・天野雅男・下稲葉さやか・樽創・姉崎智子・横畑泰志世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』第58巻 別冊、日本哺乳類学会、2018年、1-53頁。
  3. 1 2 長澤一雄、葉室麻吹、葉室俊和、水上輝夫、安田俊雄、中川賢勇「富山県高岡市頭川層から産出したヒドロダマリス属の海牛化石:日本海を南下した海牛」『化石』第116巻、日本古生物学会、2024年、19-34頁、doi:10.14825/kaseki.116.0_19
  4. 森浩嗣・宮田和周・加藤敬史「古第三紀カイギュウ類の太平洋進出について」『日本古生物学会第171回例会講演予稿集』日本古生物学会、2022年、9頁。
  5. 1 2 粕谷俊雄「ジュゴン」、環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室 編『レッドデータブック2014 -日本の絶滅のおそれのある野生動物-1 哺乳類』ぎょうせい、2014年、32-33頁。
  6. 内田詮三「ジュゴン」、沖縄県文化環境部自然保護課 編『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物 第3版(動物編)』沖縄県文化環境部自然保護課、2017年、98-99頁。
  7. 岡崎美彦「芦屋層群からの海牛化石の産出」『北九州市立自然史博物館研究報告』第5巻、北九州市立自然史・歴史博物館、1984年、189-195頁。
  8. 長澤一雄「東北地方を中心とした海棲哺乳類化石について─新第三紀の化石と山形近海の漂着鯨類─」『化石研究会会誌』第49巻 2号、化石研究会、2016年、72-81頁。
  9. 甲能直樹・高泉幸浩「北西太平洋から初めてのハリテリウム亜科の海牛」『化石』第53巻、日本古生物学会、1992年、1-6頁。
  10. 小林昭二「群馬県安中市の板鼻層(中期中新世後期〜後期中新世前期)産のハリテリウム亜科の海牛目化石」『地球科学』第56巻第3号、地学団体研究会、2002年、179-190頁。
  11. 古沢仁「北海道初山別から産出した世界初の胎児を伴うHaritheriinaeの海牛化石」『日本古生物学会2003年年会講演予稿集』日本古生物学会、2003年、27頁。
  12. 犬塚則久・岩見沢団体研究グループ「北海道北桧山町小川の中新統よりジュゴン(Dugong)の発見」『地質学雑誌』第86巻 9号、日本地質学会、1980年、639-641頁。
  13. 1 2 古沢仁「カムチャッカ州ベーリング島のステラーカイギュウ」『化石』第58巻、日本古生物学会、1995年、1-9頁、doi:10.14825/kaseki.58.0_1
  14. Ann Forsten & Phillip M. Youngman, Hydrodamalis gigas, Mammalian Species, No. 165, American Society of Mammalogists, 1982, Pages 1–3, https://doi.org/10.2307/3503855.
  15. Manja Voss & Oliver Hampe (2017). "Evidence for two sympatric sirenian species (Mammalia, Tethytheria) in the early Oligocene of Central Europe". Journal of Paleontology. in press. doi:10.1017/jpa.2016.147.
  16. Vélez-Juarbe, Jorge; Domning, Daryl P. (2014). “Fossil Sirenia of the West Atlantic and Caribbean region. X. Priscosiren atlantica, sp. nov”. Journal of Vertebrate Paleontology 34 (4): 951. doi:10.1080/02724634.2013.815192.
  17. Vélez-Juarbe, Jorge; Domning, Daryl P. (2015). “Fossil Sirenia of the West Atlantic and Caribbean region. XI. Callistosiren boriquensis, gen. et sp. nov”. Journal of Vertebrate Paleontology 35: e885034. doi:10.1080/02724634.2014.885034.
  18. Manja Voss; Silvia Sorbi; Daryl P. Domning (2017). "Morphological and systematic re-assessment of the late Oligocene "Halitherium" bellunense reveals a new crown group genus of Sirenia". Acta Palaeontologica Polonica. 62 (1): 163–172. doi:10.4202/app.00287.2016.
  19. Furusawa, Hitoshi (1988). A new species of hydrodamaline Sirenia from Hokkaido, Japan. Takikawa Museum of Art and Natural History. pp. 1–73