ジェームズ・A・ロビンソン
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ジェームズ・A・ロビンソン(2024) | |
| 生誕 | 1960年2月27日(66歳) |
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| 国籍 |
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| 研究機関 |
シカゴ大学 ハーバード大学 カリフォルニア大学バークレー校 南カリフォルニア大学 メルボルン大学 |
| 母校 |
イェール大学 ウォーリック大学 ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス |
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ジェームズ・アラン・ロビンソン(英語: James Alan Robinson、1960年2月27日 - )は、イギリスの教授、経済学者、政治学者。シカゴ大学ハリス・スクール・オブ・パブリック・ポリシーのリチャード・L・ピアソン教授、ハリス・スクールピアソン研究所長[1][2]。2024年にダロン・アセモグル、サイモン・ジョンソンとともにノーベル経済学賞を受賞した。
業績
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チェルムスフォード出身。2004年から2015年までハーバード大学、このほかカリフォルニア大学バークレー校、南カリフォルニア大学、メルボルン大学で務めた。
国の繁栄の一方、他国における紛争の嚮導となる経済や政治の基盤に注目し、国ごとの要因について研究している。ダロン・アセモグルとの共著に『自由の命運──国家、社会、そして狭い回廊』、『国家はなぜ衰退するのか:権力・繁栄・貧困の起源』、『エコノミック・オリジンズ・オブ・ディクテーターシップ・アンド・デモクラシー』などがある[3]。
研究
[編集]独裁と民主主義の経済的起源(Economic Origins of Dictatorship and Democracy)
[編集]『Economic Origins of Dictatorship and Democracy』(2006年)は、ジェームズ・A・ロビンソンがダロン・アセモグルと共著したもので、民主主義社会の成立と民主主義の定着を分析している。彼らは「エリートが民主主義を覆そうとする強い誘因を持たないとき、民主主義は定着する」と主張し、その過程は①市民社会の強さ、②政治制度の構造、③政治的・経済的危機の性質、④経済的不平等の水準、⑤経済の構造、⑥グローバリゼーションの形態と程度に依存するとする[4]。書名はバリントン・ムーアの1966年の著作『Social Origins of Dictatorship and Democracy』に由来している[5]。
国家はなぜ衰退するのか:権力・繁栄・貧困の起源
[編集]『国家はなぜ衰退するのか:権力・繁栄・貧困の起源』(2012年)において、アセモグルとロビンソンは、最先端技術のフロンティアでの経済成長には政治的安定が必要であり、たとえばマヤ文明にはそれがなかったこと、そして創造的破壊が不可欠であることを論じる[6]。創造的破壊は、独占や寡占の権利付与に対する制度的抑制なしには起こりえない。彼らによれば、産業革命がイギリスで始まったのは、イングランドの権利章典(1689年)がそのような抑制を生んだからである。たとえば、1705年にドニ・パパンが製作した蒸気船は、ドイツのハン・ミュンデンにおいて船頭のギルドにより破壊された。パパンはロンドンへ移り、彼の論文のいくつかは王立協会で出版された。トーマス・ニューコメンは1712年にパパンの研究を発展させニューコメン大気圧機関を実用化し商業的成功を収めた一方で、パパンは1713年に無縁墓地に埋葬された[7]。
アセモグルとロビンソンは、「国ごとの発展の差は、もっぱら政治的・経済的制度の違いに起因し、文化、気候、地理、あるいは最善の政策や実務に関する知識の欠如に差の一部を帰する他の理論は退けられる」と強調する[8]。たとえば、「ソビエト連邦は世界の先進技術の一部に急速に追いつくことで高成長を生み出したが、1970年代までには勢いを失っていた。創造的破壊が欠如していたからである」と述べる[9]。
ザ・ナロー・コリドー(The Narrow Corridor)
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『The Narrow Corridor. States, Societies, and the Fate of Liberty』(2019年)で、アセモグルとロビンソンは、自由な社会は国家の力と社会の力が概ね均衡して発展したときに達成されると論じる[10]。
近代化理論への批判
[編集]ダロン・アセモグルとジェームズ・A・ロビンソンは、2008年の論文「Income and Democracy」において、国横断では所得と民主主義の強い相関が見られるものの、国固定効果を統制し、1人当たり所得と各種の民主主義指標との関係を取り除くと、「所得が民主主義に与える因果効果は見いだせない」ことを示した[11]。さらに2022年の「Non-Modernization」では、近代化理論は、制度や文化に依存しない経済と政治の連関を仮定し、たとえば「歴史の終わり」のような確定的終着点を前提するため、政治発展の多様な経路を説明できないと論じている[12]。
著書
[編集]共著
[編集]Why Nations Fail: The Origins of Power, Prosperity, and Poverty, ダロン・アセモグルと共著, Crown Publishers, 2012年
- The Narrow Corridor: States, Societies, and the Fate of Liberty, ダロン・アセモグルと共著, Penguin Press. 2019年
- 『自由の命運──国家、社会、そして狭い回廊』、櫻井祐子 訳、早川書房、2020年
脚注
[編集]- ↑ “James Robinson Named Faculty Director of The Pearson Institute” (英語). UChicago News. (2016年6月2日) 2019年12月23日閲覧。
- ↑ “James Robinson | Harris Public Policy” (英語). harris.uchicago.edu. 2018年2月2日閲覧。
- ↑ “Curriculum Vitae”. 2024年3月4日閲覧。
- ↑ “Economic Origins of Dictatorship and Democracy”. Cambridge University Press. 2025年10月18日閲覧。
- ↑ Acemoglu, Daron; Robinson, James A. (2006). Economic Origins of Dictatorship and Democracy. Cambridge: Cambridge University Press. p. 38. ISBN 9780521855266
- ↑ e.g., p. 143
- ↑ esp. pp. 202–203.
- ↑ “Why Nations Fail by Daron Acemoglu and James A. Robinson”. United States Agency for International Development (2012年10月12日). 2017年9月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年10月18日閲覧。
- ↑ p. 150.
- ↑ Daron Acemoglu and James A. Robinson, The Narrow Corridor: States, Societies, and the Fate of Liberty. New York: Penguin, 2019.
- ↑ Acemoglu, Daron, Simon Johnson, James A. Robinson, and Pierre Yared, "Income and Democracy." American Economic Review 98(3) 2008: 808–42.
- ↑ Acemoglu, Daron; Robinson, James (2022). “Non-Modernization: Power–Culture Trajectories and the Dynamics of Political Institutions”. Annual Review of Political Science 25: 323–339. doi:10.1146/annurev-polisci-051120-103913.
外部リンク
[編集]- James A. Robinson the Nobel Foundation
- “ジェームズ・A・ロビンソン”. EconPapers. 2024年3月4日閲覧。
- ジェームズ・A・ロビンソンの出版物 - Google Scholar