コクレルネズミキツネザル属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
コクレルネズミキツネザル属
コクレルコビトキツネザル
コクレルネズミキツネザル Mirza coquereli
保全状況評価[1]
ワシントン条約附属書I)
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 霊長目 Primates
: コビトキツネザル科 Cheirogaleidae
: コクレルネズミキツネザル属 Mirza
学名
Mizra Gray, 1870[2][3][4]
和名
オオネズミキツネザル属[2]
コクレルネズミキツネザル属[5]

コクレルネズミキツネザル属(コクレルネズミキツネザルぞく、Mirza)は、哺乳綱霊長目コビトキツネザル科に分類される属。

分布[編集]

マダガスカル北西部および西部[6]

形態[編集]

体長20 - 22.5センチメートル[6]。尾長30 - 33センチメートル[6]体重290 - 320グラム[6]。体色は濃褐色や灰褐色[6]

分類[編集]

以前はコクレルネズミキツネザル(コクレルコビトキツネザル)Mizra coquereliのみで本属を構成していた[3][4]。さらに以前はネズミキツネザル属に含める説もあったが[6]、1982年により大型であること・形態・行動から独立した属に分割する説が提唱された[4]。 コクレルコビトキツネザルは隔離分布するとされていたが、2005年にミトコンドリアDNAシトクロムbの分子系統推定などからこのうち北部個体群がM. zazaとして新種記載された[4]

以下の分類・和名・英名は日本モンキーセンター(2018)に従う[5]

生態[編集]

乾燥した落葉樹林に生息する[6]。単独で生活する[6]夜行性で、昼間は枝や葉・蔦などを組み合わせた球形の巣で休む[6]

果実、樹脂、芽、昆虫、カエル、カメレオン類やヘビ類といった爬虫類、小型の鳥類などを食べる[6]

繁殖様式は胎生。10月に交尾を行う[6]。妊娠期間は3か月[6]

人間との関係[編集]

森林の破壊、食用の狩猟などにより生息数が減少している種もいる[6]

出典[編集]

  1. ^ Appendices I, II and III<https://cites.org/eng>(Accessed 25/04/2018)
  2. ^ a b 相見滿・小山直樹 「キツネザル類はどのように分類されてきたか」『霊長類研究』第22巻 2号、日本霊長類学会、2006年、97-116頁。
  3. ^ a b 岩本光雄 「サルの分類名(その8:原猿)」『霊長類研究』第5巻 2号、日本霊長類学会、1989年、129-141頁。
  4. ^ a b c d Peter Kappeler, Rodin M. Rasoloarison, L. Razafimanantsoa, L. Walter, Christian Roos, "Morphology, behaviour and molecular evolution of giant mouse lemurs (Mirza spp.) Gray, 1870, with description of a new species," Primate Report, Volume 71, 2005, Pages 3-26.
  5. ^ a b 日本モンキーセンター霊長類和名編纂ワーキンググループ 「日本モンキーセンター 霊長類和名リスト 2018年3月版」(公開日2018年3月30日・2018年5月23日閲覧)
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m 小山直樹 「コクレルコビトキツネザル」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ8 太平洋、インド洋』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社2001年、152-153頁。

関連項目[編集]