カンディル

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カンディル
Candiru.png
カンディル Vandellia cirrhosa
Bleeker, 1858
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: ナマズ目 Siluriformes
: トリコミュクテルス科 Trichomycteridae
: ヴァンデリア属 Vandellia
: カンディル V. cirrhosa
英名
Candiru

カンディル(Candiru)は、ナマズの仲間でアマゾン川など南アメリカ熱帯地方に生息する肉食淡水魚の総称である。セトプシス(ケトプシス)科およびトリコミュクテルス科がこれに属する。カンジェロ、カンジルとも。狭義のカンディルとしてトリコミュクテルス科のVandellia cirrhosa、もしくはVandellia亜科に属するナマズのみを指す場合もあるが、トリコミュクテルス科およびセトプシス科全体をカンディルと呼ぶのが一般的である。日本ではカンジル、カンジルー、カンジール、カンビルとも表記される。

生態[編集]

カンディルは他の大型魚のエラから侵入して吸血したり、肉を食いちぎりながら体内に侵入する。アンモニアの成分に反応するため、人間の尿道や膣などから内部に侵入し、危害を加えることもあるので、生息地の人々には毒針を持つ淡水エイと並び恐れられている。(特に尿道の短い女性、子どもは注意が必要である。)

体内にカンディルが侵入してしまった場合、カンディルは、食らいついた獲物から離れないよう、ひれ釣り針のような返しが付いており、体内に侵入されると手で引き離すのはまず不可能である。このため、摘出するためには切開が必要である。また、体内から取り出せたとしても、感染症などによって命を落とすこともある。

また、カンディルは性質も獰猛であり、ピラニアは基本的に人間などの大型動物を自ら襲う事は少ないが、カンディルの場合は自分より大きな獲物でも集団で襲うといった特徴がある。

他のカンディルによってはエラに侵入せず直接他の生きた魚や死魚の肉を食す種類や、砂の中の微生物を食べて生きる比較的おとなしい種類も存在する。

主な種類[編集]

トリコミュクテルス科[編集]

バンデッド・カンディル
学名:Pseudostegophilus nemurus
全長10cmほどで、黄土色の体に黒い縞模様が入るのが外見的な特徴である。エラに侵入するタイプの典型として、頭部が押しつぶしたように平たくなり、他の魚の体内へ入り込みやすくなっている。

セトプシス科[編集]

バイオレット・カンディル
学名:Cetopsis coecutiens
全長20cmほどの大型のカンディル。鯨を思わせる丸い頭部が特徴で、英語ではWhale Catfishとも呼ばれる。大型の魚や死骸の表皮を食い破り肉を食う性質がある。人目をひく捕食形態から水族館やアクアリウムで飼育されることがあるが、エラや排泄孔から侵入するトリコミュクテルス科のカンディルと異なり、皮膚に噛み付いて直接穴を開けることがあるため注意が必要である。

外部リンク[編集]