カイザー窓

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Kaiser window function for n=100 and α= 0.5,1,2,4,8,16.

カイザー窓 (Kaiser window) はデジタル信号処理で使用される準最適の窓関数 wk である。そして公式

によって定義されている。ここで I0 は第1種の0次の変形ベッセル関数であり、α は窓の形状を決める任意の実数である、そして整数 n は窓の長さである。

定義から、この関数は常に k = n/2、すなわち窓の中心でピークをもち、そして窓の端に向かって指数関数的に減衰する。

α の値が大きくなるほど窓は狭くなっていく。α = 0 は長方形窓に相当する。逆に言えば、より大きい α に対して、メインローブの幅は wkフーリエ変換後の空間で増加し、サイドローブは振幅で減衰する。このようにしてこのパラメータはメインローブの幅とサイドローブの領域を支配している。α を大きくするほどカイザー窓の形状はガウス型関数に近似したものとなる。

他の窓関数では、変更可能なパラメータが無く、得られるダイナミックレンジが固定されている場合が多いが、カイザー窓の場合はαの値を大きくするだけで、ダイナミックレンジを自由に広く取ることが可能である。

カイザー-ベッセル派生 (KBD) 窓[編集]

関連した窓関数は カイザー-ベッセル派生 (Kaiser-Bessel derived; KBD) 窓である、これは修正離散コサイン変換 (MDCT) での使用に適当であるように設計されたものである。

KBD 窓関数 dk はカイザー窓 wk の項で、公式

KBD window function for M = 128 and πα = 2, 8, 24, 100.

で定義される。

これは長さ 2n の窓を定義している。ここで定義から dk はMDCTに対する次のプリンセン-ブラッドレイ条件を満たす: dk2+dk+n2 = 1(wn-k = wk を用いて示される)。

KBD 窓はもう1つの MDCT 条件である対称性 dk = d2n-1-k も満たす。

応用[編集]

KBD 窓関数はAdvanced Audio Codingデジタル音声フォーマットで使われている。

参考文献[編集]

  • A. V. Oppenheim, R. W. Schafer, and J. R. Buck, Discrete-Time Signal Processing (Prentice-Hall, 1999).
  • J. F. Kaiser, "Digital Filters," System Analysis by Digital Computer chap. 7 (Wiley: New York, 1966); F. F. Kuo and J. F. Kaiser, eds.
  • KBD Window Page
  • H.Kato web page