エマニュエル・ギベール

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エマニュエル・ギベール
Emmanuel Guibert
Salon du livre de Paris 2011 - Emmanuel Guibert - 001.jpg
2011年、パリの書籍見本市にて
生誕 1964年
フランス パリ
国籍 フランスの旗 フランス
職業 漫画家
活動期間 1992年 -
ジャンル ルポルタージュ
代表作 『アランの戦争』
受賞 本文参照
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エマニュエル・ギベール(Emmanuel Guibert、1964年 - )は、フランスバンド・デシネ作家(漫画家)、漫画原作者である。

概要[編集]

一人っ子として生まれ育った彼は、パリの美術学校である国立装飾芸術学校(École Nationale Supérieure des Arts Décoratifs)に短期間通った後、まずイラストレーションの分野で活動し、1992年に刊行された『ブリュンヌ』でバンドデシネ作家としてデビューした。『ブリュンヌ』は1930年代のナチスの台頭をハイパーリアリズムの手法で描いた野心作で、ギベールはこの作品を7年の歳月をかけて一人で完成させている[1]

この作品を描きあげた後、ギベールはダヴィッド・ベーと出会い、ベーのほかマット・コンチュールジョアン・スファールクリストフ・ブランなどがいた共同アトリエに参加、彼らが共同設立したインディペンデント系出版社ラソシアシオン(L'Association)発行の雑誌『ラパン』(Lapin)に寄稿し、ベーやスファールとの共作も発表した。とりわけ、1997年に発表されたスファール原作の『教授の娘』は、1998年にアングレーム国際漫画祭で一目惚れ賞を受賞し、好評を博している[1]。同時期には他の作家と共に、日本の漫画雑誌モーニングにいくつか短編作品を発表している[1]。2000年から2008年にかけて全3巻で発表された『アランの戦争』では、アメリカ人の友人の戦争体験を基にして描いており[1]、第3巻は2009年にアングレーム国際漫画祭のオフィシャルセレクションに選ばれている。また、2012年に書かれた続編『アランの少年時代』が、2013年にACBD批評グランプリを受賞している[1]。これ以外にも、友人の写真家ディディエ・ルフェーヴルによる、国境なき医師団への取材経験を基に80年代のアフガニスタンの情景を描いた『写真家』や、漫画原作者として漫画のシナリオを手掛けた『アリオル』や『宇宙のサーディン』などの児童向け作品がある。

作品[編集]

以下、ギベールがシナリオを手掛けた作品も含む。

シリーズ[編集]

  • 宇宙のサーディン(Sardine de l'Espace)
    • 第1シリーズ(2000年 - 2004年、全9巻、ジョアン・スファール作画)
    1. 目の中の指(Le Doigt dans l'Œil、2000年)
    2. 敵の棒(Le Bar des Ennemis、2000年)
    3. 洗脳マシン(La Machine à Laver la Cervelle、2001年)
    4. ヨーグルト泥棒(Les Voleurs de Yaourts、2001年)
    5. ボクシング大会(Le Championnat de Boxe、2002年)
    6. キャプテン・オールレッド(Le Capitaine Tout Rouge、2002年)
    7. 偉大なるサーディン(Le Grand Sardine、2003年)
    8. 肉食動物の入れ墨(Les Tatouages Carnivores、2003年)
    9. 選挙の山(Montagne Électorale、2004年)
    • 第2シリーズ(2007年 - 、既刊13巻、ジョアン・スファールとマチュー・サパン作画)
    1. CDプレーヤー(Platine Laser、2007年)
    2. ザカールとザカリアン(Zacar et les Zacariens、2007年)
    3. 毒をやっつけろ(Il Faut Éliminer Toxine、2008年)
    4. 逆戻りキキ(Le Remonte-Kiki、2008年)
    5. 私の目(Mon Œil!、2008年)
    6. 漫画のいとこ(La Cousine Manga、2008年)
    7. ピザ・トミック(Pizza Tomik、2008年)
    8. 宇宙の秘密(Les Secrets de l'Univers、2009年)
    9. おへその宝くじ(Le Loto des Nombrils、2010年)
    10. アフリプの女王(La Reine de l'Afripe、2011年)
    11. サンドウィッチ人間の島(L'Archipel des Homme-Sandwichs、2012年)
    12. シュシュプとクロクロ(Môssieur Susupe et Môssieur Krokro、2013年)
    13. 人食い漫画(Le Mange-Manga、2014年)
  • アランの戦争(La Guerre d'Alan、2000年 - 2008年、3巻)
  • 黒いオリーブ(Les Olives Noires、ジョアン・スファール原作、2001年 - 2003年、3巻)
    1. どうして今夜はいつもの夜と違うの?(Pourquoi Cette Nuit est-elle Différente des Autres Nuits?、2001年)
    2. アダム・アリション(Adam Harishon、2002年)
    3. お前は乳飲み子のヤギを食べはしないだろう(Tu Ne Mangeras Pas le Chevreau dans le Lait de sa Mère、2003年)
  • アリオル(Ariol、マルク・ブタヴァン作画、2002年 - 2006年、6巻)
    1. 立ってろ!(Debout!、2002年)
    2. お馬鹿な遊び(Jeux Idiots、2002年)
    3. ロバみたいに間抜けで、豚のように汚い(Bête Comme un Âne, Sale Comme un Cochon、2003年)
    4. ワクチンの効き目(Le Vaccin à Réaction、2003年)
    5. 空手(Karaté、2004年)
    6. 海だ!(Oh, la Mer!、2006年)
  • 写真家(Le Photographe、2003年 - 2006年、3巻) ※日本では「フォトグラフ」の題名で出版されている。

単巻[編集]

  • ブリュンヌ(Brune、1992年)
  • 教授の娘(La Fille du Professeur、ジョアン・スファール作画、1997年)
  • 紅の船長(Le Capitaine Écarlate、ダビッド・ベー原作、2000年)
  • 来ては去りゆく(Va et Vient、2005年)
  • アランの少年時代(L'Enfance d'Alan、2012年)

画集[編集]

  • 海のある田舎(La Campagne à la Mer、2002年、画集)
  • 日本人(Japonais、2008年、画集)

日本での出版[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e 『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』92頁。

参考文献[編集]

  • エマニュエル・ギベール 『アランの戦争―アラン・イングラム・コープの回想録』
  • 『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』(玄光社、2013年)

外部リンク[編集]