アンチ・ダンピング関税措置

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アンチ・ダンピング関税措置(あんち・だんぴんぐかんぜいそち)とは、貿易取引の中で輸入国の国内産業に輸入品が被害を与えている場合に、正常な価格に是正する目的で、賦課される特別な関税措置のこと。ダンピングとは、不当廉売という意味である[1][2]。反ダンピング関税と報じられることが多い。

対象[編集]

この関税の対象となるのは、輸出国の国内価格よりも低い価格の輸出品。アンチダンピング制度は、WTO協定(GATT・AD協定)でも認められている[1]

事例[編集]

  • 2013年5月1日アメリカ合衆国商務省は、中国から輸入された合板について、不当に安い価格で販売されているとし、最大63.96%の反ダンピング関税を課す仮決定をした[3]
  • 2014年5月6日、アメリカ合衆国商務省は、日本などから輸入された一部の鉄鋼製品が、アメリカ国内で不当に安い価格で販売されているとし、最大241.91%の反ダンピング関税を課す仮決定をした[4]
  • 2018年4月、韓国が日本製の空気圧伝送用バルブに対するアンチ・ダンピング関税は、WTOによって協定違反とされ是正勧告を受けた[5]。韓国は同部品への課税措置を主張していたが、パネル会合の結果、因果関係と手続きが明確に証明されなかったとの判断に至った。

関税の実効性[編集]

2012年、アメリカは、サムスン電子LG電子韓国およびメキシコ国内で生産、輸出していた洗濯機に対しアンチ・ダンピング税の課税を決定。決定後、両社は洗濯機の生産拠点を中国国内へ移し、アメリカへの輸出を続けた。2017年、アメリカは再び両社の中国製洗濯機に対してアンチ・ダンピング税の課税を行う決定をしたが、両社は既に生産拠点を中国からタイ王国ベトナムに移しており、実効性はほぼ無い状況にある[6]

出典[編集]

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関連用語[編集]