アレキサンダー病

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アレキサンダー病
Alexander autopsy.jpg
アレキサンダー病の4歳児の脳解剖所見
分類および外部参照情報
診療科・
学術分野
内分泌学, 神経学
ICD-10 E75.2
ICD-9-CM 331.89
OMIM 203450 137780 137780 203450
MeSH D038261
GeneReviews

アレキサンダー病(あれきさんだーびょう、英語:Alexander disease)は、GFAP遺伝子異常によって起こる白質ジストロフィーの一種[1][2]星状膠細胞にグリア線維性酸性蛋白(GFAP)、αB-クリスタリン、熱ショック蛋白などから構成されるローゼンタル線維を認めることを特徴とする。

概説[編集]

GFAP遺伝子変異によって起こる疾患[3][4][5] (今までのところGFAP遺伝子以外の原因遺伝子は報告されていない)。発症年齢により乳児型、若年型、成人型に分類される。乳児型は頭囲拡大が見られることが多い。若年型、成人型は特徴的症状に乏しいが、頭部MRI所見で疑わしければ遺伝子解析を勧めるのが一般的。根本的治療は知られていない。

症状[編集]

従来は発症年齢により乳児型、若年型、成人型に分類されていたが、臨床症状およびMRI画像所見より大脳優位型(1型)、延髄・脊髄優位型(2型)、中間型(3型)とする新分類が提案されている[6]

1型[編集]

主に乳幼児期の発症で、神経学的所見としてけいれん・大頭症・精神運動発達遅滞、頭部MRI所見として前頭部優位の広範な大脳白質異常を認めることが特徴で、機能予後不良の重症例が多い。また、新生児期発症で水頭症頭蓋内圧亢進症状がみられる症例もある。

2型[編集]

学童期あるいは成人期以降の発症で、神経学的所見として筋力低下・痙性麻痺・球症状、MRI所見として延髄頚髄の信号異常あるいは萎縮を認めることが特徴で、1型に比較して進行は緩徐である場合が多い。家族内発症が多く、無症候の症例も存在する。

3型[編集]

1型および2型の両者の特徴を有する型。発症時期は幼児期から青年期まで幅広い。また、1型の長期生存例において2型の特徴がのちに現れることがあるが、これも本型に含める。

治療[編集]

2015年現在、標準治療は存在せず[2]、対症療法としててんかんや痙性麻痺に対して抗てんかん薬および抗痙縮薬が用いられるに留まる。小児に対して骨髄移植が試みられてもいるが、良好な成績は得られていない[7][8]

脚注[編集]

  1. ^ "MUTATION KEY TO ALEXANDER DISEASE" - United Press International
  2. ^ a b GeneReviews/NCBI/NIH/UW entry on Alexander disease
  3. ^ Li R, Messing A, Goldman JE, Brenner M (2002年). “GFAP mutations in Alexander disease”. Int. J. Dev. Neurosci. 20 (3-5): 259–68. doi:10.1016/s0736-5748(02)00019-9. PMID 12175861. 
  4. ^ Quinlan RA, Brenner M, Goldman JE, Messing A (2007年6月). “GFAP and its role in Alexander disease”. Exp. Cell Res. 313 (10): 2077–87. doi:10.1016/j.yexcr.2007.04.004. PMC 2702672. PMID 17498694. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2702672/. 
  5. ^ Messing A, Brenner M, Feany MB, Nedergaard M, Goldman JE (2012年4月). “Alexander disease”. J. Neurosci. 32 (15): 5017–23. doi:10.1523/JNEUROSCI.5384-11.2012. PMC 3336214. PMID 22496548. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3336214/. 
  6. ^ アレキサンダー病(平成23年度)”. アレキサンダー病の診断基準および治療・ケア指針の作成、病態解明・治療法開発のための研究. 難病情報センター. 2018年8月15日閲覧。
  7. ^ Staba MJ, Goldman S, Johnson FL, Huttenlocher PR (1997年8月). “Allogeneic bone marrow transplantation for Alexander's disease”. Bone Marrow Transplant. 20 (3): 247–9. doi:10.1038/sj.bmt.1700871. PMID 9257894. http://www.nature.com/bmt/journal/v20/n3/abs/1700871a.html. 
  8. ^ Messing A, LaPash Daniels CM, Hagemann TL (2010年10月). “Strategies for treatment in Alexander disease”. Neurotherapeutics 7 (4): 507–15. doi:10.1016/j.nurt.2010.05.013. PMC 2948554. PMID 20880512. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2948554/. 

外部リンク[編集]