アオミノウミウシ

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ウミウシ
Glaucus atlanticus 1 cropped.jpg
アオミノウミウシ (Glaucus atlanticus)
分類
: 動物界 Animalia
: 軟体動物門 Mollusca
: 腹足綱  Gastropoda
上目 : 異鰓上目 Heterobranchia
: 裸鰓目 Aeolidina
: アオミノウミウシ科 Glaucidae
: アオミノウミウシ属 Glaucus
: アオミノウミウシ G. atlanticus
学名
Glaucus atlanticus Forster[1]1777[2]
和名
アオミノウミウシ
水中での姿

アオミノウミウシ(青蓑海牛、Glaucus atlanticus)は、軟体動物門腹足網裸鰓目アオミノウミウシ科に属するウミウシの一種。

特徴[編集]

「海のナメクジ」と呼ばれるウミウシ類の仲間とは思えない姿で、胴体前部左右には人の平手を拡げたような鰭を備え、その後ろにはやや小さい鰭、さらに後ろにもう1つの小さい鰭を持っており、これで海を遊泳するように動かす。胴体後部が爬虫類の尾のようにも伸び、体型から英語で「ウミツバメ」 (Sea Swallow)、「青い天使」 (Blue Angel)、「青い竜」 (Blue Dragon) などとも呼ばれる。

体長は20-50ミリメートルほど。

分布[編集]

熱帯から温帯の海に生息する外洋性のウミウシで、日本でも南西諸島や、小笠原諸島などで見られることがある。外洋性ゆえに普通は沿岸部では見られないが、たまに沿岸部に漂着する時がある。消化管に空気を入れて浮遊し、波の流れと自らの遊泳によって移動を行う。

生態[編集]

肉食性で、主にクラゲ類のような浮遊性刺胞動物に付くが、それらに取りついて移動手段にするだけでなく、栄養源として捕食する。特に猛毒の刺胞を持つカツオノエボシギンカクラゲといった種を好み、クラゲの毒をものともせずに食べてしまう。

しかも美しい姿をしているものの、いわゆる電気クラゲと呼ばれる猛毒のクラゲ類の刺胞を体内に取り込んでおり、それを他のミノウミウシ類のように捕食者に対する武器として用いる。毒性は健在なので、その美しさと優雅さに惹かれても、直接手で触れることは危険である。2017年2月14日には、オーストラリア中東部を襲った46℃の記録的熱波の影響からクイーンズランド州沿岸部一帯でアオミノウミウシが大発生し、触れたサーファーや海水浴客63人が毒の被害に遭ったことが報じられている[3]

広い外洋に生息しているため、子孫を確実に残せるように雌雄同体であるうえ、断続的に3000個以上の卵を産卵し、放流する。

出典[編集]

  1. ^ ヨハン・フォースター (1729-1798) naturalist, Arnold Förster (1810-1884) entomologist or Raymond Robert Forster (1922-2000) spider expert
  2. ^ アオミノウミウシ JODC 日本海洋データセンター
  3. ^ 46℃の熱波でコウモリ大量死、海に逃げた市民をアオミノウミウシの毒針が襲う - ギズモード・ジャパン