どうして、ニワトリは道を横切ったの?

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どうして、ニワトリは道を横切ったの?

どうして、ニワトリは道を横切ったの?」(Why did the chicken cross the road?)は、有名ななぞなぞリドル・ジョーク英語版)の一つ。その答えは「反対側に行きたかったから(To get to the other side)」。アンチユーモアの一種であり、ジョーク特有の不可思議な設定により、聞き手はトンチの利いたオチを期待するが、実際には単純な事実が述べられるだけである。このジョークは、一般によく知られた典型的なものであり、過去何度も繰り返され、変化してきた。

歴史[編集]

1847年、ニューヨークの月刊誌『The Knickerbocker』に掲載されたなぞなぞである[1]

There are 'quips and quillets' which seem actual conundrums, but yet are none. Of such is this: 'Why does a chicken cross the street?['] Are you 'out of town?' Do you 'give it up?' Well, then: 'Because it wants to get on the other side!'

(実際、難問のようで難問ではない「quip and quillets」というものがある。例えばこんなものがある。「どうして、ニワトリは道を横切ったの?」。あなたの答えは「街を離れたいから」ですか? あきらめますか? 答えはこうだ。「なぜなら反対側に行きたかったから!」)

1890年代には、雑誌『Potter's American Monthly』に改変版が掲載された[2]

Why should not a chicken cross the road? It would be a fowl proceeding.

(なぜニワトリは道を横切ってはいけないのか? それはニワトリ次第であろう。)

バリエーション[編集]

雲南省の214号線で道路を横切るニワトリ

有名であるがゆえに、問題と答えを知っていることを前提にしたジョークもたくさんある。例えば「遠回りするには遠すぎた」というように、別のオチをつけることもある。他の種別としては、ニワトリ以外の動物に道を渡らせるものがある。例えば以下に挙げる。

  • 「なぜアヒル(または七面鳥)は道を横切ったの?」「ニワトリは休日だったから」
  • 「なぜ恐竜は道を横切ったの?」「ニワトリはまだ存在しなかったから」
  • 「なぜクジラは海を横切ったの?」「他の海洋に行きたかったから」

この類例で以下のものがある。

  • 「なぜチューインガムは道を横切ったの?」「ニワトリの足にくっついていたから」

単純にside(反対側)を置き換えたバージョン。

  • 「なぜニワトリは公園(遊び場)を横切ったの?」「他の滑り台に行きたかったから」

この類例で数学的な変形をしたものがある。

  • 「なぜニワトリはメビウスの輪を横切ったの?」「同じ側に行きたかったから」

ノックノック・ジョークと組み合わさったものもある。

「どうして、ニワトリは道を横切ったの? 馬鹿野郎の家に行きたかったからさ。 トントントン('Why did the chicken cross the road? To get to the idiot's house'. Knock knock',)」
「そこにいるのは誰?(Who's there?)」
「ニワトリ(The chicken)」

あるいは「なぜアヒルは道を横切ったの?(Why did the duck cross the road?)」「自分がニワトリでないことを証明するためじゃないか?(To prove he's not chicken?)」のような改変版もある。

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ The Knickerbocker, or The New York Monthly, March 1847, p. 283.
  2. ^ Potter's American Monthly (1892), p. 319.

参考文献[編集]