コンテンツにスキップ

「キッド級ミサイル駆逐艦」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
Yas (会話 | 投稿記録)
m Category:キッド級ミサイル駆逐艦
編集の要約なし
1行目: 1行目:
{| class="wikitable" style="clear:right; float:right; margin: 0em 0em 1em 1em; width: 300px; background:#ffffff"
<div class="thumb tright">
{| class="wikitable" style="margin: 0em; width: 300px; background:#ffffff"
!colspan="2" style="color: white; height: 30px; background: navy;"| キッド級ミサイル駆逐艦
!colspan="2" style="color: white; height: 30px; background: navy;"| キッド級ミサイル駆逐艦
|-
|-
21行目: 20行目:
!colspan="2" style="color: white; height: 30px; background: navy;"| 性能諸元
!colspan="2" style="color: white; height: 30px; background: navy;"| 性能諸元
|-
|-
|排水量
| style="white-space:nowrap;" |[[排水量]]
|基準:6,210t(就役時)<br/>満載:9,574t(アメリカ海軍在籍時)→10,500t([[台湾軍|中華民国]]引渡し時)
|基準:6,210t(就役時)<br/>満載:9,574t(アメリカ海軍在籍時)→10,500t([[台湾軍|中華民国]]引渡し時)

|-
|-
|全長
|全長
55行目: 53行目:
| • [[対潜哨戒機|対潜ヘリコプター]] 2機
| • [[対潜哨戒機|対潜ヘリコプター]] 2機
|}
|}
</div>
'''キッド級ミサイル駆逐艦''' ('''Kidd class''') は、[[アメリカ海軍]]の[[ミサイル駆逐艦]]の艦級。元は[[1970年代]]後半に[[イラン]]海軍向けに開発されたものである。[[2006年]]までに全艦とも売却され、[[台湾軍#海軍|台湾海軍]](中華民国)にて'''基隆級駆逐艦''' ('''Kee Lung class''') として運用されている。
'''キッド級ミサイル駆逐艦''' ('''Kidd class''') は、[[アメリカ海軍]]の[[ミサイル駆逐艦]]の艦級。元は[[1970年代]]後半に[[イラン]]海軍向けに開発されたものである。[[2006年]]までに全艦とも売却され、[[台湾軍#海軍|台湾海軍]](中華民国)にて'''基隆級駆逐艦''' ('''Kee Lung class''') として運用されている。


70行目: 67行目:
== 同型艦 ==
== 同型艦 ==
* [[キッド (DDG-993)|キッド]] (USS Kidd, DDG-993)
* [[キッド (DDG-993)|キッド]] (USS Kidd, DDG-993)
1981年3月竣工 1998年3月米海軍退役
:1981年3月竣工 1998年3月米海軍退役
:2006年11月台湾海軍就役(DDG-1803左営)

2006年11月台湾海軍就役(DDG-1803左営)
* [[キャラハン (ミサイル駆逐艦)|キャラハン]] (USS Callaghan, DDG-994)
* [[キャラハン (ミサイル駆逐艦)|キャラハン]] (USS Callaghan, DDG-994)
1981年8月竣工 1998年3月米海軍退役
:1981年8月竣工 1998年3月米海軍退役
:2005年12月台湾海軍就役(DDG-1802蘇澳)

2005年12月台湾海軍就役(DDG-1802蘇澳)
* [[スコット (ミサイル駆逐艦)|スコット]] (USS Scott, DDG-995)
* [[スコット (ミサイル駆逐艦)|スコット]] (USS Scott, DDG-995)
1981年10月竣工 1998年12月米海軍退役
:1981年10月竣工 1998年12月米海軍退役
:2005年12月台湾海軍就役(DDG-1801基隆)

2005年12月台湾海軍就役(DDG-1801基隆)
* [[チャンドラー (ミサイル駆逐艦)|チャンドラー]] (USS Chandler, DDG-996)
* [[チャンドラー (ミサイル駆逐艦)|チャンドラー]] (USS Chandler, DDG-996)
1982年3月竣工 1999年9月米海軍退役
:1982年3月竣工 1999年9月米海軍退役
:2006年11月台湾海軍就役(DDG-1805馬公)

2006年11月台湾海軍就役(DDG-1805馬公)


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
{{commons|Category:Kidd class destroyers}}
* [[アメリカ海軍艦艇一覧]]
* [[アメリカ海軍艦艇一覧]]
* [[アメリカ海軍駆逐艦一覧]]
* [[アメリカ海軍駆逐艦一覧]]


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
{{commons|Category:Kidd class destroyers}}
* [http://wiki.livedoor.jp/namacha2/d/%b4%f0%ce%b4%b5%e9%b6%ee%c3%e0%b4%cf%a1%ca%a5%ad%a5%c3%a5%c9%b5%e9%a1%cb 日本周辺国の軍事兵器 - 基隆級駆逐艦(キッド級)]
* [http://wiki.livedoor.jp/namacha2/d/%b4%f0%ce%b4%b5%e9%b6%ee%c3%e0%b4%cf%a1%ca%a5%ad%a5%c3%a5%c9%b5%e9%a1%cb 日本周辺国の軍事兵器 - 基隆級駆逐艦(キッド級)]
*[http://www.destroyerhistory.org/coldwar/kiddclass.html ''Kidd''-class guided missile destroyers] at [http://www.destroyerhistory.org/index.html Destroyer History Foundation]
* "[http://www.hazegray.org/worldnav/asiapac/taiwan.htm#1 World Navies Today: Taiwan (Republic of China)]," Haze Gray & Underway.
* "[http://www.fas.org/man/dod-101/sys/ship/ddg-993.htm DDG-993 KIDD-class]," Globalsecurity.org.



{{スプルーアンス級駆逐艦}}
{{スプルーアンス級駆逐艦}}

2007年10月17日 (水) 14:09時点における版

キッド級ミサイル駆逐艦
USS Kidd DDG-993
艦級概観
艦種 ミサイル駆逐艦
艦名 海軍功労者 一番艦はアイザック・キッド少将に因む
前級 スプルーアンス級駆逐艦
次級 アーレイバーク級ミサイル駆逐艦
性能諸元
排水量 基準:6,210t(就役時)
満載:9,574t(アメリカ海軍在籍時)→10,500t(中華民国引渡し時)
全長 171.6m
全幅 16.8 m (55 ft)
喫水
機関 LM2500 ガスタービンエンジン4基、2軸
合計80,000馬力(60 MW)
最大速力 33 ノット
航続距離
兵員 339名
兵装 ・Mk45 5インチ単装砲 2門
ファランクスCIWS 2基
ハープーン対艦ミサイル4連装発射筒 2基
スタンダードSM-1 / Mk26連装発射機(アスロック兼用) 2基
・Mk26スタンダードミサイル/アスロック連装発射機 2基
探索装置
艦載機 対潜ヘリコプター 2機

キッド級ミサイル駆逐艦 (Kidd class) は、アメリカ海軍ミサイル駆逐艦の艦級。元は1970年代後半にイラン海軍向けに開発されたものである。2006年までに全艦とも売却され、台湾海軍(中華民国)にて基隆級駆逐艦 (Kee Lung class) として運用されている。

概要

イラン海軍は、ペルシア湾などにおける洋上防空を目的とした艦を要求し、その要求に合わせてスプルーアンス級駆逐艦バージニア級原子力ミサイル巡洋艦の兵装と戦闘システムを組み合わせて設計・開発された。しかし、イラン革命が発生したため、イランへの引渡しは中止されアメリカ海軍が取得・運用することとなった。艦名は第二次世界大戦真珠湾)にてアリゾナ艦上で戦死したアイザック・キャンベル・キッド (Isaac C. Kidd) 海軍少将に因んで命名された。その他の艦名も太平洋戦争中に戦死した少将の名にちなんでいる。

船体の基本構造などはスプルーアンス級と同様である。兵装は、スプルーアンス級のアスロック発射機およびシースパロー発射機の部分に艦隊防空ミサイル発射用のMk26連装発射機を装備した。そのため、アーレイバーク級ミサイル駆逐艦就役までの間アメリカ海軍駆逐艦の中で最有力の防空能力を有した。なお、Mk26は前部がMod3、後部がMod4となっており、後部Mk26のみアスロックを発射可能である。その他の兵装は近代化改修後のスプルーアンス級と同じである。 90年代に入って、後部マストの三次元レーダー搭載位置を高くする改修が行われた。

アメリカ海軍からは1990年代後半に全艦退役したが、中国への配慮から引渡しを見送ったイージス艦の代わりとして、台湾海軍に約2億ドルで売却された。2005年12月17日には、台湾名「基隆」と「蘇澳」の2艦の就役式典が台湾北部の基隆港で行われた。2006年11月には残る2艦も台湾へ引き渡された。これらは、艦齢延命工事と近代化改修をうけており、スタンダードミサイル (SM-2)、ハープーンを装備している。またイージス艦に比べると限定的ではあるが、同時多目標処理能力も付与されている。

キッド級は、もともとイランの潤沢なオイルマネーで贅沢に作られた艦であり、その後の改修による戦闘能力の向上を考えると、台湾海軍は格安で有力な防空艦を入手したと言えるであろう。設計上の艦齢はあと10年程度であるが、引渡し前に行われた改装兼オーバーホールもあり、物持ちの良い同海軍のことであるから、さらに長く使い続けられると思われる。

同型艦

1981年3月竣工 1998年3月米海軍退役
2006年11月台湾海軍就役(DDG-1803左営)
1981年8月竣工 1998年3月米海軍退役
2005年12月台湾海軍就役(DDG-1802蘇澳)
1981年10月竣工 1998年12月米海軍退役
2005年12月台湾海軍就役(DDG-1801基隆)
1982年3月竣工 1999年9月米海軍退役
2006年11月台湾海軍就役(DDG-1805馬公)

関連項目

外部リンク