鶴島
鶴島(つるしま)は岡山県備前市の日生諸島に属する無人島。個人が所有している。北西岸にわずかに砂浜があり、全体的にはなだらかな丘陵だが、播磨灘に面する東海岸は断崖である。キリスト教徒の受難地として有名。
歴史
江戸時代は岡山藩の鶴島守護役が個人所有する無人島だった。浦上四番崩れと呼ばれる長崎浦上のキリスト教弾圧の際、捕らえられたキリシタンのうち117人が明治2年(1869年)に岡山藩に預けられ、翌年9月に鶴島に送られた。明治6年(1873年)に信教の自由が認められるまで、開墾と改宗を強制されて18人が死亡している。島の南東の斜面に墓地があり、自然石による墓石や殉教者碑、十字架が建立されている。改宗の祠などともに墓地は備前市の文化財に指定されている。
その後、個人所有を経て島は農林省の所有となったが、1942年頃に再び個人が所有するようになり、ミカン農園の開墾などが進められた。松くい虫による防風林の被害などでミカン栽培が行なわれなくなった後も、1990年までは所有者の家族が観光客を対象に民宿を営んでいた。現在は無人島となっており、周辺はメバルなどの好漁場として知られる。
交通アクセス
定期船はなく、チャーター船のみ。
外部リンク
参考文献
- 『角川日本地名大辞典 33.岡山県』 角川書店、1986年