鳥居清経
鳥居 清経(とりい きよつね、生没年不詳)とは、江戸時代中期の浮世絵師。
来歴
初代鳥居清満の門人[1]。俗称は大次郎。清満の門下で鳥居清長に次いで優れていた。江戸の芝居番付の版元中島屋伊左衛門の子。宝暦末期から安永にかけて黒本、黄表紙等の版本の挿絵に多く活躍した浮世絵師である。一枚ものの役者絵の作例は非常に少なく、それも紅摺絵に限られている。その画風はかつての鳥居派のものではなく、清満の影響が極めて強い。『鳥居画系譜』は享保9年(1724年)に鳥居派の工房にいたといわれる清経の影響を受けているとするが、その人物の作品は未だに確認されていない。鈴木春信風の美人画もみられる。
作品
- 「市村亀蔵の京の二郎と尾上菊五郎のしけただ」 細判 紅摺絵
- 「大谷広次」 細判 紅摺絵 神奈川県立歴史博物館所蔵
- 「市川雷蔵の奴出来助と芳沢五郎市のけいせい吉岡」 細判 紅摺絵
- 「岩井半四郎の小女郎」 細判 錦絵
参考文献
- 井上和雄編 『浮世絵師伝』 渡辺版画店、1931年 ※近代デジタルライブラリーに本文あり。65コマ目。
- 藤懸静也 『増訂浮世絵』 雄山閣、1973年
- 吉田暎二 『浮世絵事典(定本)』(上巻) 画文堂、1974年
- 日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典』第2巻 大修館書店、1982年
- 小林忠、大久保純一 『浮世絵の鑑賞基礎知識』 至文堂、1994年
脚注
- ^ 『浮世絵類考』、『鳥居画系譜』