飛行服

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飛行服(ひこうふく)とは、軍用機のようなエンジンのついた航空機に搭乗する際に着用するための衣服で、保温性、実用性、耐久性、耐火性に重きが置かれている。旧日本軍では航空衣袴・航空被服と呼んだ。

歴史

アメリカ軍

陸軍航空隊、空軍

海軍

イギリス軍

ドイツ軍

フランス軍

日本軍、自衛隊

第一次世界大戦から第二次世界大戦にかけての列強の空軍陸軍航空隊、海軍航空隊を含む)では、牛革馬革羊革といった動物皮革製の飛行服が主流だったが、日本では衣服に使える革はほぼ輸入に頼らなければならなかった(現在の日本でも、基本的に自給できるのは豚革のみである。朝鮮併合満州建国以降は大陸産の皮革をより容易く輸入出来る様になった。)。このため、日本では陸海軍とも、航空隊草創期には革製の飛行服が制定されたものの、大正期のうちにこれを廃止し、布製の飛行服を夏冬とも使用した。

陸軍

  • 大正3年制[1]航空衣袴・航空兜:将校准士官正衣に似たダブルボタンの黒革製航空衣、レザーパンツ風の黒革航空袴、戦車帽に似た航空兜。昭和初期しばらくまで利用された。

海軍

  • 大正5年式航空被服:黒の羊革ハーフコートとズボンなどからなる。フランス式。
  • 大正14年式航空被服:カーキ色の綾織木綿(ギャバジン)ツナギ。イギリス式。
  • 昭和4年式航空被服:表に防水布地を使用、チェーンファスナーを採用し、以後の基本形となった。
  • 昭和9年式航空衣袴:昭和4年式を軽量化し、動きやすくした。
  • 昭和17年式航空衣袴:基本的には昭和9年式と同じ。

脚注

  1. ^ 大正三年八月二十八日陸達第二十六号。航空勤務用被服制式。

参考文献

  • C. G. スウィーティング『アメリカ陸軍航空隊衣料史』(邦訳、グリーンアロー出版社、1991年)
  • 『日本海軍航空隊 軍装と装備』(『モデルアート』2004年4月号臨時増刊)

関連項目