通用拼音

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通用拼音
各種表記
繁体字 通用拼音
簡体字 通用拼音
拼音 Tōngyòng Pīnyīn
注音符号 ㄊㄨㄥ ㄩㄥˋ ㄆ|ㄣ |ㄣ
発音: トンヨン ピンイン
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通用拼音(つうようピンイン、Tōngyòng Pīnyīn)は中華民国台湾)における中国語などの言語のローマ字表記法のひとつである。

概要

通用拼音は、1998年、中央研究院民族学研究所副研究員・余伯泉によって発表された。

1984年教育部(日本の文部科学省に相当)によって公布された国語注音符号第二式とは異なり、国語(北京語)のほか、台湾語客家語少数民族言語にも一応対応している。ただしその表記方法は改変が繰り返され安定していない。

また、通用拼音はあくまでも道路案内等、非漢字圏の外国人のために漢字表記と併用して限定的に用いられる表記方法であり、注音符号を置き換えるものではない。

歴史

1998年に、陳水扁が市長を勤めていた台北市の道路標識の英文表記に通用拼音が採用された。陳水扁が総統になった後の2002年には、国語注音符号第二式にかわって通用拼音が中華民国(台湾)の公式ローマ字表記法とされた。しかしその後馬英九が総統になると、行政院は2008年9月16日に通用拼音にかわって漢語拼音を用いることに決定し、2009年1月1日以降施行された。このため通用拼音はもはや公式には用いられていない。

しかしこのことは、複数の方式がもともと乱立していた台湾におけるローマ字表記にさらなる混乱をもたらす結果になっている。

特徴

通用拼音は数回にわたって改訂されているが、ここでは2003年以降のつづり方を漢語拼音と比較して述べる。

通用拼音は漢語拼音と非常によく似ているが、漢語拼音のうち「j q x」は「j c s」と書く。また「zh」は「jh」と書く。 漢語拼音の「q・c」および「x・s」がそれぞれ同じ文字で表記されることになるが、両者は後続する母音によって区別する。 漢語拼音の「zhi chi shi ri zi ci si」は、それぞれ「jhih chih shih rih zih cih sih」のように、後ろに h をつける。

母音では、漢語拼音の「ü」を、先行する子音にかかわらず「yu」と書く。このため通用拼音はアクセント記号なしで書ける。 また、漢語拼音の「iu・ui・iong」はそれぞれ「iou・uei・yong」と書く。

このほか、漢語拼音の「feng weng wen」を「fong wong wun」と書くといった細かい差異がある。

関連項目

外部リンク