神経繊維

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Luckas-bot (会話 | 投稿記録) による 2011年7月21日 (木) 11:55個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (r2.7.1) (ロボットによる 追加: gl:Axón)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

神経細胞

神経繊維(しんけいせんい、神経線維とも、: nerve fiber, axon)は、神経細胞細胞体から延びる細長い突起で、実体は神経細胞の軸索である。神経線維は活動電位の伝導に加え、神経終末と細胞体との間の物質交換に役立っている。肉眼的に見える「神経」は、神経線維の束(神経線維束)とその周囲の結合組織からなる。

神経細胞の構造図 en:Dendrites=樹状突起en:Rough ER (en:Nissl body)=粗面小胞体ニッスル小体)、en:Polyribosomes=ポリリボソームen:Ribosomes=リボソームen:Golgi apparatus=ゴルジ体en:Nucleus=細胞核en:Nucleolus=核小体en:Membrane=en:Microtubule=微小管en:Mitochondrion=ミトコンドリアen:Smooth ER=滑面小胞体en:Synapse (Axodendritic)=シナプス軸索樹状突起en:Synapse=シナプスen:Microtubule en:Neurofibrils=微小管ニューロフィラメントen:Neurotransmitter=神経伝達物質en:Receptor=受容体en:Synaptic vesicles=シナプス小胞、en:Synaptic cleft=シナプス間隙、 en:Axon terminal=軸索末端、en:Node of Ranvier =ランヴィエの絞輪en:Myelin Sheath(en:Schwann cell)=ミエリン鞘シュワン細胞)、en:Axon hillock=軸索小丘en:Nucleus (en:Schwann cell)=細胞核シュワン細胞)、en:Microfilament=マイクロフィラメントen:Axon=軸索

分類

末梢神経の神経繊維は髄鞘の有無(有髄、無髄と呼ぶ)、直径、伝導速度等で分類される。下表で判る通り、有髄線維と無髄線維では有髄線維が、同じ種類の線維間では直径が大きい方が伝導速度が速い。前者は跳躍伝導、後者は電気緊張電位の広がりの違いによる。一般に、骨格筋運動と付随する固有感覚、部位のはっきりした皮膚感覚は伝導速度の速い線維を、交感神経活動や鈍痛などは伝導速度の遅い線維を利用して伝えられる。

分類 髄鞘 平均直径(μm) 平均伝導速度(m/s) 役割
15 100 骨格筋や腱からの感覚、骨格筋の運動
8 50 皮膚の触圧覚
8 20 筋紡錘の錘内筋運動
3 15 部位が比較的明瞭な皮膚の温痛覚
B 3 7 交感神経の節前線維
C 0.5 1 交感神経の節後線維、皮膚の温痛覚

感覚神経(求心性神経)では次の分類が用いられることもある。

分類 髄鞘 平均直径(μm) 平均伝導速度(m/s) 感覚
Ia 15 100 筋紡錘
Ib 15 100 腱器官
II 9 50 筋紡錘、皮膚触圧覚
III 3 20 部位が比較的明瞭な皮膚の温痛覚
IV 0.5 1 鈍痛、内臓痛

異常

神経線維はさまざまな状況で損傷し、ヒトを含む動物の機能を損なう。外科的に治療できる場合もあるが、根治できないこともある。

関連項目