畑山元氏

畑山元氏（はたけやまもとうじ、？ - 天正10年(1582年)）は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将。土佐国の国人安芸氏の家臣。官途は越後守。

生涯

安芸国虎家臣で安芸郡畑山館主の畑山元明（官途は大和守）の子として生まれる。畑山氏は安芸氏の分家にあたる。

永禄12年（1569年）8月11日に長宗我部元親の安芸城攻略によって主君国虎が自害する^[1]と、その遺児である千寿丸（のちの飛騨守重宗：弘恒、彦左衛門、十太夫となのる、1557～1582）とともに元亀二年に

矢野国村のもとへ落ち延びる。この後弘恒は三好氏の家臣の矢野備後守の客人として矢野又六と名乗った。後に赤沢信濃守の娘婿となり板西北城を増築して住まいし安芸飛騨守橘重宗と名乗り板西三人衆と呼ばれた。

天正10年（1582年）中富川の戦いで十河存保に従い板西城を守って長宗我部元親勢と戦う。安芸飛騨守は本丸落城かと思われたその時、長宗我部元親の使者が来て「端城は捨ておけ、勝瑞を落とせば四散する」との命で元親勢は勝瑞城へ向かったので生き延びるのである。しかし畑山元氏と次男の右京大夫は戦死した。

勝瑞落城後の飛騨守は彦左衛門と名を変え帰農し板野郡蔵佐谷で新田開拓に精を出し寛永十四年（1637年 3月21日）に没っした。その末裔は今も板野郡に安芸、安藝として多数家が現存する。

元氏の長男内蔵尉（実忠）と三男の左近尉元康は永禄十二年八月末（1569）家友と共に阿波へ逃れ、十八年後の天正十五年（1587）に土佐へ戻り畑山郷で隠遁生活をおくる。

天正十七年内蔵尉と実子の実春（官途は右京介）は土居城北門へたばかり寄せられ切腹を命じられた。

激怒した一族36名は一矢報いようと土居城へ攻めかけるが全員討死し、実春の子内蔵次丸（くらのすけつぎまる）も幼少にも関わらず竹崎木工左衛門に捕縛され謀殺された。

元氏の三男元康（通称左近尉、別名安芸長宗とも。 1557～1642）は兄実忠の謀殺を受け、阿波国に落延びた。1600年、長宗我部盛親の改易処分後、土佐藩主山内一豊に仕えた^[2]。

元康の長男重房（通称忠左衛門。別名安芸忠左衛門）は当初羽柴秀長に仕え2,000石を領した。

1591年秀長が病没すると、山内一豊に仕え600石を領した。1610年元康の隠居に伴い家督を継ぐ。

重房の子は元経（通称次左衛門）、土佐藩士。

元康の次男は元利（通称孫之丞）。