渡辺たをり

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渡辺 たをり(わたなべ たをり、1953年 - )は、日本随筆家

来歴・人物[編集]

渡辺清治・千萬子夫妻の娘として京都府に生まれる。父・清治は谷崎潤一郎の3番目の妻・松子とその最初の夫・根津清太郎の長男で、母方の叔母・重子とその夫・渡辺明(旧津山藩松平家松平康民の三男)の養嗣子となった。母・千萬子は日本画家橋本関雪の孫娘で谷崎の『瘋癲老人日記』に登場する颯子のモデルとなった人物。

名付け親は谷崎潤一郎。漢字では撓(ツクリは「焼」のツクリ)と書くが、当用漢字に無いので平仮名を使用している[1]

子供の頃は祖母の夫・谷崎潤一郎に可愛がられた[2]日本大学芸術学部放送学科卒業、日大大学院芸術学研究科修士課程修了。紀伊国屋書店に勤務する傍ら、1956年頃から1964年にかけて谷崎が千萬子にあてた200通あまりの書簡を軸に『祖父 谷崎潤一郎』を著し、1980年に刊行した。

演劇評論家東京芸術劇場副館長の高萩宏はたをりの夫である。

著書[編集]

  • 『祖父 谷崎潤一郎』(中公文庫、2003年)。元版・六興出版、1980年
  • 『花は桜、魚は鯛 祖父谷崎潤一郎の思い出』(中公文庫、2000年)。元版「― 谷崎潤一郎の食と美」、ノラブックス、1985年

脚注・出典[編集]

  1. ^ 『花は桜、魚は鯛 谷崎潤一郎の食と美』P. 22
  2. ^ 小谷野敦『日本の有名一族 近代エスタブリッシュメントの系図集』(幻冬舎 幻冬舎新書 2007年9月30日)p.102 - 104