清光寺

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清光寺
所在地 山梨県北杜市長坂町大八田6600
位置 北緯35度49分57.9秒 東経138度22分44.8秒 / 北緯35.832750度 東経138.379111度 / 35.832750; 138.379111座標: 北緯35度49分57.9秒 東経138度22分44.8秒 / 北緯35.832750度 東経138.379111度 / 35.832750; 138.379111
山号 朝陽山
宗派 曹洞宗
本尊 薬師瑠璃光如来
創建年 仁平元年(1151年)
開山 悦堂宗穆和尚
開基 源清光(逸見玄源太清光)
中興年 文明7年(1475年)
公式サイト [1]
法人番号 1090005004887 ウィキデータを編集
清光寺の位置(山梨県内)
清光寺
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清光寺(せいこうじ)は、山梨県北杜市長坂町大八田にある曹洞宗寺院である[1][2]。本尊は薬師如来で、山号は朝陽山、開基は源清光(逸見黒源太清光)である[1]

歴史

源清光(逸見黒源太清光)は、源義光の孫であり、源義清(逸見冠者義清)の嫡男で1110年に生まれた[1]。後に、逸見太郎や黒源太と称し、谷戸茶臼城を築いた[1]。1151年には真言宗の道場として信立寺を城外に造った[1]。源清光は1168年に亡くなり、信立寺に葬られた[1]。その後、栄枯盛衰あったが、1475年に宗穆和尚が曹洞宗の寺として中興した[1]。里人が「キヨミツデラ」と呼んでいたことから、清光寺と改称された[1]

高原夏期大学

1921年(大正10年)8月22日〜25日に清光寺を会場として、山梨教育会北巨摩支会の主催する高原夏期大学(夏期講習会)が開かれた[3]。講習会は、「文学」、「思想」、「法律」などをそれぞれの講師が担当したが、「宗教」は当時の清光寺住職だった高橋竹迷(たかはしちくめい)が受け持った[3]。高原夏期大学は、明治以来文部省の指導の下に行われてきた教員向けの講習会とは違い、一般の人も参加できるようにしたもので、山梨県で初の試みだった[3]。翌1922年(大正11年)には、8月1日〜10日に山梨教育会と北巨摩教育支会の合同で第1回高原夏期大学が小淵沢小学校で開催された[3]。続いて1923年(大正12年)8月1日〜5日に北巨摩教育支会主催で清光寺において第2回夏期高原大学が開催され、「哲学」を東京高等師範学校教授で文学博士の得能文(とくのうぶん)が、「宗教」を仏教学者の加藤咄堂(かとうとつどう)が、「講演」を太田秀穂が、「文学」を自死した有島武郎の替わりに芥川龍之介が担当した[3]。芥川龍之介は8月2日の午後と3〜5日の午前の合計4回の講義を担当した[4]。この時の高原夏期大学には連日250人余りの人が参加し、大盛況だった[4]

清光寺は高原夏期大学を主導した堀内柳南の菩提寺であり[5]芥川龍之介が柳南に贈った句「藤の花 軒端の苔の 老いにけり」の軸装を有する[6]。1993年(平成5年)12月8日には境内にこの句の句碑が建立された[6]

文化財

北杜市の文化財として、総門附棟札と制札が指定された[7]

関連寺院

天正8年(1616年)に甲斐国長坂朝陽山清光寺5世の照庵玄光が坂本神社の神宮寺として禅洞庵という草庵を設けたのが濫觴とされる。

脚注

  1. ^ a b c d e f g h 長坂町誌編纂委員会『長坂町誌 下巻』長坂町、1990年、973-974頁。 
  2. ^ 磯貝正義/編『定本・甲斐百寺』郷土出版、1996年、234頁。ISBN 4876633371 
  3. ^ a b c d e 北杜市郷土資料館『柳南の本』北杜市郷土資料館、2015年、7-15頁。 
  4. ^ a b 45周年記念事業プロジェクトチーム/編『エピソード』山梨県長坂町、2000年、10-13頁。 
  5. ^ 飯田文弥『甲斐と甲州道中』吉川弘文館、2000年、p.218
  6. ^ a b 山梨の文学碑2 芥川龍之介「藤の花軒端の苔の老いにけり」北杜市長坂町清光寺境内 山梨県立文学館
  7. ^ 『北杜市勢要覧』北杜市企画部情報政策課、2007年。 

参考文献

  • 長坂町誌編纂委員会『長坂町誌』(1990年、長坂町)
  • 磯貝正義/編『定本・甲斐百寺』(1996年、郷土出版)
  • 北杜市郷土資料館『柳南の本』(2015年、北杜市郷土資料館)
  • 45周年記念事業プロジェクトチーム/編『エピソード』(2000年、山梨県長坂町)
  • 『北杜市勢要覧』(2007年、北杜市企画部情報政策課)

外部リンク