梨 (作家)
梨(なし)は、日本の怪談作家。主にインターネットを中心に活動している[1]。別名はPear_QU。
経歴
幼少期、インターネットで都市伝説「八尺様」を読んだことをきっかけにネット怪談にのめり込んでいき、2ちゃんねるオカルト板のスレッド「洒落にならないほど恐い話を集めてみない?」などに自作の怪談を書き込むようになる[2]。
2015年、共同創作サイト「SCP財団」の日本支部にPear_QU名義で登録[3]。2020年に投稿した『SCP-511-JP - けりよ』や『しんに』は2022年現在の評価が100を越えるなど高評価を獲得し、同サイトの7周年を記念した「嘘のコンテスト2020」では、著作『攀縁』がTale部門総合評価2位となる[3][4]。
2021年1月、自身のnoteに投稿した『瘤談』がインターネット上で話題となる[5][6]。同作は株式会社バーグハンバーグバーグが主催する「オモコロ杯 2021」で銀賞を獲得し、以降は同社が運営するWebサイト「オモコロ」にも記事を投稿するようになる[5][1]。
同年、竹書房が主催する「怪談最恐戦2021」の朗読部門にて、梨の作品『滲む写真』を朗読した136(イサム)がグランプリ作品賞を獲得する[7]。
2022年、ComicWalkerにて8月3日に連載開始された漫画『コワい話は≠くだけで。』の原作を担当[8]。漫画は影山五月が担当した[8]。
また、同月7日自身初の単著となる『かわいそ笑』が発売[9]。発売に際してウェブライターの雨穴が推薦コメントをよせた[9]。
作風
主に日常に潜む怪異や民間伝承などを取り入れた作風を特徴とする[1]。
また、「読者も対岸の火事ではない」と表現したい思いから、民俗的エッセンスを入れる際は実在の文献を引用したり、作中の登場人物のSNSアカウントを実際に作成したりするなど、現実世界と怪談を地続きでリンクさせることがある[2]。
作品を書く際に本人は、恐怖感よりも気持ち悪さや気味の悪さ、不快感が残るような書き方を目指しているとしている[2]。そのため、特に「音の響き」を意識しているという[2]。
作品リスト
漫画原作
- コワい話は≠くだけで。(漫画:景山五月、『ComicWalker』、KADOKAWA)
書籍
- 梨「亥の子石」『実話怪談 犬鳴村』竹書房、2021年1月21日。ISBN 978-4-8019-2527-4。
- Pear_QU「trimmed file.png / 403 Forbidden」『早稲田文学 2021年秋号』早稲田文学、2021年10月11日。ISBN 978-4-480-99326-7。
- 梨「滲む写真」『怪談最恐戦2021』竹書房、2021年11月29日。ISBN 978-4-8019-2888-6。※朗読部門の元原稿としての記載。
- 梨『かわいそ笑』イースト・プレス、2022年8月7日。ISBN 978-4-7816-2111-1。
脚注
- ^ a b c “かわいそ笑 梨(著/文) - イースト・プレス”. 版元ドットコム. 2022年8月8日閲覧。
- ^ a b c d “傍観者では済ませてくれない 読者の日常世界へ怪異を侵食させる怪談作家・梨さん”. 月に吠える通信. 2022年8月8日閲覧。
- ^ a b “梨の著者ページ”. SCP財団. 2022年8月8日閲覧。
- ^ “嘘のコンテスト2020”. SCP財団. 2022年8月8日閲覧。
- ^ a b “オモコロ杯2021 〜WEB記事復古の大号令〜”. オモコロ. 2022年8月8日閲覧。
- ^ “瘤談”. note. 2022年8月8日閲覧。
- ^ “朗読部門”. 竹書房Presents 怪談最恐戦. 2022年8月8日閲覧。
- ^ a b “コワい話は≠くだけで。”. ComicWalker. 2022年8月8日閲覧。
- ^ a b “かわいそ笑”. イースト・プレス. 2022年8月8日閲覧。