木骨造
木骨造(もっこつぞう)は、建築の構造の一つで、木造軸組構法、又はこれと組積造を折衷した構造である。英語表記ではティンバーフレーミング(Timber Framing)。
概要
木材による柱・梁によりラーメン (骨組)を作り、骨組の間に石材や煉瓦(時には漆喰やコンクリートも用いる)で壁体を作ることにより耐力壁とし、軸組と壁の両方で荷重を支える。不動産登記事務取扱準則はこれに該当する建物構造として「木骨石造」「木骨れんが造」を挙げる。また、「木骨ラーメン造」とも称する。また、英語の"Half Timber"(ハーフチェンバー)の訳語として「半木骨造」とも称する。
中世ヨーロッパの森林の多いドイツ、フランス オランダ、イングランド地域において盛んに作られた。日本では、明治期に西洋建築を模倣した建築物に盛んに用いられた。壁体には煉瓦や大谷石が用いられた。また倉庫などには、伝統的な土蔵造に組積造の壁を取り入れた和洋折衷の木骨造も用いられた。
1970年代初めには、アメリカとカナダで、忠実に再現されたティンバーフレーム(木骨造)が盛んに建て始められた。この復興の影には、Steve Chappell、Jack Sobon、そしてTedd Bensonの研究成果が大きく関わっている。
現在の日本では、歴史的建築物として保存されるのみで、木骨造(木造軸組構法と組積造の組み合わせ)が新築されることは皆無である。 また、木造軸組構法のみでの木骨造も、建築基準法の定めにより、筋交いと耐力壁の使用が義務づけられており、木造軸組構法(伝統工法)ではなくなっている。しかし、綿密に構造設計された木造軸組構法だけは、筋交いや耐力壁は必要とせず、今でもその伝統工法は受け継がれている。 国内での木造軸組構法の建築が可能な事業者は、ごく僅かである。