春鶯囀
壱越調で、四箇之大曲(しかのたいきょく)の一つである。唐の高宗が鶯の声を聞き、楽師に命じてそれを模して曲を作らせたとも、合管青(がっかんせい)という人が作曲したとも伝えられている。鶯のさえずりを模したかと思われる旋律が曲を通して用いられている。
概要
舞楽の構成としては、遊声(ゆうせい)・序(じょ)・颯踏(さっとう)・入破(じゅは)・鳥声(てっしょう)・急声(きっしょう)の6楽章から成り、この全曲を通して演奏すると約2時間かかる。1967年(昭和42年)、国立劇場の第2回雅楽公演で宮内庁楽部によって明治以来初めて舞楽として全曲一具が演奏された。また舞人は6人または4人で舞う。
颯踏と入破の楽章は管絃としても演奏され、それには双調の渡物も存在する。
朝鮮の「春鶯囀」
朝鮮の宮中舞踊にも漢字で同名の曲(ハングル:춘앵전、チュネンジョン)があるが、音楽も舞も日本のものとは全く別物で1人で舞う。