夢十色

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夢十色(ゆめといろ)は、1996年(平成8年)に中央農業総合研究センター北陸センターによって育成されたイネ(稲)の品種[1]。高アミロース米の一つ[2]。旧系統名は「北陸142号」[1]国際稲研究所の育成したインディカ米系統の「IR2061-214-3」と、韓国で育成されたジャポニカ米とインディカ米の交配品種「密陽21号」との交配によって育成された[1]

アミロース含有率が約30%の高アミロース米である[1]玄米はやや細長い[1]。「日本晴」と比較した場合、熟期はやや早く[3]、稈長は20cm短いため耐倒伏性が強い[1]。極穂重型で極多収[1]。ただし、耐冷性は弱い[1]

高アミロース米の特徴として、炊飯米に粘りがない[2]ため、ういろうやプディングなどのゲル状食品や味噌用の米麹など、加工用に適する[1]。また、食後の血糖値が上がりにくいことから、島根大学と島根県出雲市内の食品会社が、糖尿病患者向けの白がゆやおじやのレトルト食品を共同で開発・販売している[1]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j 石谷 2009, p. 154.
  2. ^ a b 日本食糧新聞社 編 2018, p. 169.
  3. ^ 夢十色 | 農研機構”. www.naro.go.jp. 2022年1月19日閲覧。

参考文献[編集]

  • 石谷, 孝佑 編『米の事典 -稲作からゲノムまで-』(新版)幸書房、2009年11月20日。ISBN 9784782103388 
  • 日本食糧新聞社 編『全国お米のこだわり銘柄事典』日本食糧新聞社、2018年4月18日。ISBN 9784889272666