全国リボーン側溝工業会

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全国リボーン側溝工業会(ぜんこくリボーンそっこうこうぎょうかい)は、騒音解消を目的とし、側溝本体の蓋受部と側溝蓋の接触部を互いに曲面にしたコンクリート側溝を製造販売する企業による業界団体である。

概要[編集]

リボーン側溝とは、「リボーン(新しく生まれ変わった)」+「側溝」を意味する。

近年、世界中において環境問題が重視され、環境を考えた製品が数多く開発されており、土木事業においても例外ではなく、側溝業界にも変化の波が押し寄せている。 そういった中で、側溝は衛生面の整理の他、洪水などの風水害にも効果を発揮している環境製品といえよう。

歴史からみると、「全ての道はローマに通じる」と言われるとおり、欧州の古代ローマ都市やその周辺でも道路整備がなされ、その道路の端にも排水路(側溝の原点であろう)が敷設されて、その高度の技術が確認されている。

日本においても、豊臣秀吉太閤の時代(安土桃山時代)の大阪城周辺で、当時の大阪の町並みを想像させる排水路(側溝技術)が発見されて公開されており、そこに住んでいた民衆の生活状況も解明されてきている。

近代に入り、セメントが発明されてからは土木事業にも活用されるようになり、現場にて型枠や鉄筋が組まれ、砂利、砂などで構成されたセメントが打たれ、「現場打ち側溝」として日本各地で敷設されるようになり、街中での洪水対策の効果も上がっていった。 近年は、施工時間、人件費、道路通行止めなどで受ける影響におけるコスト削減が図られ、側溝は「現場打ち側溝」から、コンクリート二次製品として工場で生産される「プレキャスト側溝」へと技術が向上し、土木工法が変化していった。 また、コンクリート二次製品の普及促進と産業の活性化の目的で、建設省(現:国土交通省)の指導において「構造物のプレキャスト化による施工の合理化」などが図られるようになり、側溝需要が拡大すると共に、雇用も大きく改善されていった。

しかし、時代は成長しても、側溝構造には、それほど早い進化はみられなかった。 自動車が大量生産されて多く走る現代において、側溝の上を走ることも多くなり、蓋のガタゴト騒音を発生させて、昼夜を問わず、周辺の住民に騒音被害をもたらしたのである。 自動車時代と共に騒音時代に突入していくという、生活が豊かになる代わりに静かな環境が失われていく構図に変化していった。

全国リボーン側溝工業会の組織化[編集]

騒音を軽減させるために考えられたのが、側溝の蓋がのる部分にゴム等の緩衝材を張るという技術である。 だが、2年又は3年でゴムが劣化し、再び騒音が発生するという状況になった上に、産業廃棄物となるゴムのごみも増え、蓋まで取替えるという状況も起き、長年、こういった問題を解消するには至っていなかった。

そこで、騒音問題、産業廃棄物の問題を解決するために「リボーン側溝」が開発され、全国リボーン側溝工業会として組織されたようである。

技術面では、曲面同士の接触によって「線」で支え騒音を解消していることを中部大学の研究によって発表されている。「点」から「線」への発想転換によって接触面が増え、側溝のガタツキ騒音を軽減させる技術進歩がみられ、これら技術革新は、側溝業界の新たな技術進歩となって、近年、接触部を「点」から「線」の接触を図った側溝が多く開発される原点ともなった。

曲面側溝(蓋受け部が曲面)の研究について[編集]

中部大学

側溝騒音における研究では、中部大学土木工学科の教授によって、「従来の側溝は平面で受けており、点で支えられていた。曲面で受ける側溝は、線で支えられていることがわかった。」と発表されている。

「点でなく線」で支えて側溝蓋のガタゴト騒音を解消する技術の進歩が急速に図られるようになったと共に、騒音環境の改善がみられ、業界としてのプレキャスト技術の向上にもつながった。

岐阜工業高等専門学校

側溝の安定性における研究では、岐阜工業高等専門学校環境都市工学科の准教授によって、「力学的安定性」と題する論文が発表されている。

側溝蓋のガタツキがなくなるので破損が減り、側溝の経年寿命が長くなることで、自治体における保全補修などの経費削減効果もみられるようになった。

また、都市環境として観察した場合、「騒音解消」が図れると、騒音障害が除かれる事で安眠もでき、住民の安定心理や生活環境が改善されるだけでなく、ゴム等の緩衝材が必要なくなったことで産業廃棄物の廃材削減を可能とし、近年のCO2削減効果につながっているとの研究もなされている。

外部リンク[編集]