偽性クッシング症候群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。リョリョ (会話 | 投稿記録) による 2013年8月12日 (月) 15:44個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (style)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

偽性クッシング症候群(ぎせいクッシングしょうこうぐん)とは、アルコール多飲やうつ状態において、クッシング症候群類似の症状を認める疾患群のこと[1]

機序

アルコール摂取により副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(corticotropin-releasing hormone; CRH)の過剰分泌がみられるのと同時に、下垂体のネガティブ・フィードバック機構の反応性低下による視床下部-下垂体-副腎系が出現することが機序と考えられている[2]

症状

クッシング症候群同様の症状がみられる。満月様顔貌、近位筋の筋力低下、中心性肥満、高血圧などがある。

治療

禁酒により視床下部-下垂体-副腎系の反応性は正常になり、回復すること[3]、また身体の症状も改善することが知られている。

脚注

  1. ^ 門脇誠三ほか: 日本医事新報 4656: 62-63, 2013.
  2. ^ Groote Veldman R, et al.: Eendocr Rev 17: 262, 1996.
  3. ^ Nieman LK, et al: J Clin Endocrinol Metab 93: 1526, 208.