中間法人
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中間法人(ちゅうかんほうじん)とは、
- 私法上の法人(私法人)を目的によって分類する場合、営利法人(会社)でも公益法人でもない中間的目的をもつ法人。次項の意味の中間法人の他労働組合、信用金庫、各種協同組合、共済組合等がある。
- 旧中間法人法に基づいて設立された法人。
講学上の概念としての中間法人
営利(構成員への利益分配)を目的する法人(会社)ではなく、公益法人認定法(およびかつての民法の法人規定)が定める公益を目的する法人でもない、非営利・非公益の法人のことを講学上、「中間法人」という。
例として、医療法人、法人である労働組合、管理組合法人、信用金庫や各種協同組合、相互会社、かつての中間法人法に基づく中間法人、公益社団・財団法人でない一般社団・財団法人などがこの中に含まれる。
中間法人法における中間法人
概念上の中間法人のうち中間法人法(平成13年法律第49号)に基づいて設立された法人。社員に共通する利益を図ることを目的とし、かつ、剰余金を社員に分配することを目的としない(同法第2条第1項第1号)。同法第2章第1節の規定による有限責任中間法人と、第3章第1節の規定による無限責任中間法人の2つがあった。
概念上の中間法人には、かつては一般法がなく、法人の種類ごとに労働組合法、各種の協同組合法などの特別法があるのみだった。そのため、愛好会、同窓会、マンション管理組合など、営利と公益のいずれも目的としない社団は、特別法がある場合を除いて法人格を取得する道がなく、任意団体(権利能力なき社団)としてしか存在できなかった。そのため、任意団体の持つ土地、建物等の資産の名義が代表者など個人のものとなっていて、名義人の個人資産との混同や名義人が死亡した際の相続の混乱、名義人が横領する可能性など、多くの問題があった。
そこで中間法人法が制定され、それまで法人格をもてなかった中間的社団にも法人格を取得する道を開いた。この法律は一般法で、営利すなわち構成員への利益分配(株式会社における株主への配当)はできないものの、会社と同様にあらゆる事業をおこなうことが可能となった。
もっとも、実際に登記された中間法人の内訳を見た場合、立法者が本来想定していたであろう「同窓会」や「管理組合」はあまり多くなく、業界団体や、証券化における資産保有SPCの親法人としての利用が多かった。
2008年(平成20年)12月1日に施行された公益法人制度改革関連三法のうちの関連法律整備法の規定により、一般社団法人に吸収され、中間法人制度は廃止された。これまでに設立された中間法人も、一般社団法人に移行する。
- 有限責任中間法人 - 設立に際し、最低300万円以上の基金を必要とする。基金の拠出者は、法人の債務に関して対外的な責任を負わない。
- 公益法人制度改革3法施行後(2008年12月以降)は、有限責任中間法人は一般社団法人とみなされるが、施行日を含む事業年度が終了した後(最長で2009年11月末で終了する事業年度、一般的に多いとされる三月決算法人は2009年3月末の事業年度終了後)、最初に招集される定時社員総会の終結の時までに、その名称に「一般社団法人」という文字を使用する旨の定款の変更を行う必要がある。
- 無限責任中間法人 - 設立に際し、最低基金総額の制限は無い。設立の際に社員として登記されたものは、無限責任中間法人の債務に対して、法人と連帯して債権者に責任を負う事となる。形態としては、合資会社・合名会社の無限責任社員と同等である。
- 公益法人制度改革3法施行後(2008年12月以降)に、無限責任中間法人は2009年11月までに一般社団法人に移行しなければならなくなった。なお、無限責任中間法人は、2008年12月以降は特例無限責任中間法人とみなされ(ただし、表記上は無限責任中間法人のまま)、2009年11月までに総社員の合意、定款の改定、債権者保護措置、移行の登記を行うことにより、一般社団法人に移行することができた。2009年11月の期限までに、一般社団法人設立登記の申請をしなかった場合は、その特例無限責任中間法人は解散したものとみなされ、清算手続きに移行する(関係法律整備法37条)。
銀行振込で使う略称はいずれも「チユウ」。