中村卓史

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中村 卓史(なかむら たかし、1950年9月18日 - )は、日本物理学者。専門は宇宙物理学学位は、理学博士京都大学・1978年)。京都大学名誉教授。京都府京都市出身。

略歴[編集]

受賞歴[編集]

研究活動[編集]

専門は宇宙物理学で、一般相対論分野の権威。大学院生時代から、一般相対論の基礎方程式であるアインシュタイン方程式の数値計算に取り組み、世界で初めて軸対称ブラックホール形成のシミュレーションに成功した。さらにこの研究を3次元に拡張し、数値相対論と呼ばれる分野を開拓した。また、佐々木節と共に、ブラックホール時空の摂動を計算するための基礎方程式(佐々木-中村方程式)を導出した。その後、現在ではBaumgarte-Shapiro-Shibata-Nakamura (BSSN) 形式として知られる記法により、数値相対論のシミュレーションを長時間安定に発展させることに成功した。現在は主にガンマ線バーストなどの天体現象と重力波との関係に関する研究を精力的に行っている。

林忠四郎の弟子の一人であり、林忠四郎・佐藤文隆の跡を継ぐ形で京都大学天体核物理学研究室の教授を務めた。

著書[編集]

単著[編集]

共著[編集]

編著[編集]

  • 『重力波をとらえる―存在の証明から検出へ』(京都大学学術出版会)

脚注[編集]


外部リンク[編集]