コンテンツにスキップ

メバチ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。49.135.79.229 (会話) による 2012年4月1日 (日) 11:20個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (M)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

メバチ
Fishbaseによる画像
保全状況評価[1]
VULNERABLE (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : サバ亜目 Scombroidei
: サバ科 Scombridae
亜科 : サバ亜科 Scombrinae
: マグロ族 Thunnini
: マグロ属 Thunnus South,1845
亜属 : マグロ亜属 Thunnus South,1845
: メバチ T.(T.) obesus
学名
Thunnus obesus
(Lowe,1839)
英名
Bigeye tuna

メバチ(目鉢、学名 Thunnus obesus)は、スズキ目・サバ科に分類される魚の一種。全世界の熱帯・温帯海域に広く分布する。マグロの中でも漁獲量が多く、重要な食用魚となっている。日本ではメバチマグロ(目鉢鮪)とも呼ばれる他、地方名としてバチ(東北・関東)、メブト(九州)などがある。また、若魚は各地でダルマとも呼ばれる。

形態

成魚は全長250 cm・体重210 kgに達し、マグロ属8種の中ではミナミマグロキハダと並ぶ中型種である。ただし日本近海産は熱帯産より小型で、2 m以上の個体は少ない。

体は太い紡錘形で、マグロの中では最も体高が高くずんぐりした体型をしている。またが大きいのも特徴で、和名「メバチ」や英名"Bigeye tuna"もここに由来する。胸鰭はクロマグロより長いが、ビンナガほどではない。体色は背中が藍色、体側から腹面が銀白色をしている。若魚は成魚よりも体が前後に細長く、体側に白い数本の横しま模様があり、キハダの若魚に似る。

生態

全世界の熱帯・温帯海域に広く分布し、赤道から南北に緯度35度の範囲に多く生息する。ただし地中海には分布しないことが知られ、日本沿岸でも日本海には入らない。

暖かい海域の中層に生息し、群れで回遊する。日中は他のマグロより深い層を泳ぎ、水深300 mの深海にも達するが、夜は表層に現れる。

利用

延縄などの遠洋漁業で漁獲される。21世紀初頭の時点では年間30万t前後が漁獲されており、マグロ類の種類別漁獲量ではキハダに次ぐ。日本では鮮魚としての流通はキハダより多い。ただし乱獲によって個体数は減少しており、IUCNレッドリストでは1994年版からVU(絶滅危惧II類)として記載された。

身は赤くて柔らかい。脂肪の多い「トロ」の量はクロマグロより少ないものの、刺身寿司種に使われる。 春から夏にかけてはクロマグロの味が落ちるとされており、この時期にはメバチの需要が高まる。

参考文献

  1. ^ Uozumi, Y. 1996. Thunnus obesus. In: IUCN 2007. 2007 IUCN Red List of Threatened Species. <www.iucnredlist.org>. Downloaded on 29 April 2008.

このテンプレートは廃止により使われていません。{{Commonscat}}に張り替えてください。