マイクロ波化学

マイクロ波化学（まいくろはかがく、英: microwave chemistry）とは、主として物質の合成に、マイクロ波を利用する化学の一分野である。

マイクロ波は、電子レンジなどで利用されているように、物質の加熱を行う事が出来る。特に、その加熱様式は、従来のガスバーナーやオイルバスなどを用いた対流加熱と異なり、マイクロ波に対して応答する物質のみを選択的に加熱する（過熱）事が出来る為、様々な応用を可能とする。

鈴木・宮浦カップリング反応など多くの有機合成反応について、マイクロ波を用いる事で、触媒量の大幅な削減（マクロ量を検出限界量まで減らしても問題ない）や、反応時間の大幅な短縮（数日を要した反応が数分程度で済むなど、フラッシュケミストリー）、収率の大幅な向上（60%程度だった収率を99%程度まで上げるなど）など、非常に多くの有意な報告がある。

同じ薬品を合成するにしても、マイクロ波を用いれば、合成に掛かる費用は大幅に縮減可能であり、実際、多くの製薬会社や化粧品会社では、これを利用して大幅なコストダウンに成功している。

関連項目

• マイクロ波工学
• en:Microwave effect
• en:Non-thermal microwave effect

外部リンク

• AMPERE (Association for Microwave Power in Europe for Research and Education)
• Microwave Chemistry Pages --> Comprehensive introduction to "microwave chemistry"
• MAOS (Microwave-Assisted Organic Synthesis) --> General web resource guide of "microwave chemistry"
• Microwave Synthesis @ organic-chemistry.org
• homepages uconn.edu site with microwave equipment and research
• Chemical Vapor, Oxide Matalorganic
• Alternative methods of energy input: Microwave technology
• Microwave synthesis - synthetic protocols from organic-reaction.com