ポール・ナッシュ

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ポール・ナッシュ(Paul Nash, 1889年5月11日 - 1946年7月11日)は、20世紀前半のイギリスを代表する具象系の画家。中でも、シュルレアリスム系統の作品が著名。

イギリスに生まれる。ロンドン・グループ(London Group)やユニット・ワン(Unit One)といった美術家のグループにも参加。これらを通じて、ヴォーティシズムの作家たち(エドワード・ワズワースなど)やベン・ニコルソン(Ben Nicholson, 1894年-1982年)、バーバラ・ヘップワース(Barbara Hepworth, 1903年-1975年)、ヘンリー・ムーアなどとも交流する。

写実的な画風で、風景画や戦争画も描いていた。シュルレアリスムの作品としては、自然の風景の前に、幾何学的なオブジェを配置したり、不合理かつ謎めいた組み合わせの対象を描く作品が有名。デペイズマンの効果を狙った作品である。

代表作

  • 巨石記念物の等価物、1935年、テート・ギャラリー所蔵
    • イギリスの田園風景を背景に、突然出現したように、巨大な円柱2本や格子模様のある四角いオブジェ等を配している。ワズワースのような「海のシュルレアリスム」とは異なる系統で、デ・キリコピエール・ロワ風でありながら、より抽象性が増しており、ベン・ニコルソンやヘンリー・ムアなどの影響が感じられる。
    • カラー版20世紀の美術(監修=末永照和、美術出版社、2000年)の77ページにこの作品の図版が掲載されている

関連項目