ペープサート
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ペープサートとは、紙人形劇のこと。
人物の絵などを描いた紙に棒をつけたものを動かして演じる。表と裏で別の絵が描かれており、背景の前で人形を動かすことと、人形の表裏を返すことによって、動作を表現する。ペープサートは和製英語で、英語ではペーパーシアター (paper theater) といわれる。
当初の紙芝居は、この紙人形劇であったが、関東大震災以後、失業した大量のシロウトが参入し、芝居を演じる技術が必要な立絵は忘れられ、描ききりの平絵のみになってしまった。それを、永柴孝堂(1909 - 1984)が、戦後に復活させ、平絵の紙芝居と区別するために、ペープサートと呼ばれた。
『鉄腕アトム』の最初のテレビ放送『冒険漫画人形劇・鉄腕アトム』(1957年4月13日から同年9月28日まで放送)も、このペープサートであり、このことは、その後のテレビアニメが、戦前以来の東映系的アニメーションとはまったく異なるペープサート的な起源と原理によって作られていることを示している。この原理は、その後のゲーム絵やフラッシュアニメなどとも共通のものであり、ペープサートは、日本アニメの原点としての意義を持つ。