ブラジルチドメグサ

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ブラジルチドメグサ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : キキョウ類 campanulids
: セリ目 Apiales
: ウコギ科 Araliaceae
: チドメグサ属 Hydrocotyle
: ブラジルチドメグサ
H. ranunculoides[1][2]
学名
Hydrocotyle ranunculoides
L.f. (1782) [1]
和名
ブラジルチドメグサ[2]
英名
floating marshpennywort,[3]
floating pennywort,[4][5]
floating pennyroyal

ブラジルチドメグサ (Hydrocotyle ranunculoides) は、ウコギ科チドメグサ属[6]の植物。抽水植物、または湿生植物として生育する水草である。原産地は南北アメリカ大陸などであるが、各地に侵略的外来種として定着しており、日本では特定外来生物に指定されている。

特徴[編集]

多年草で、川辺や湿地に生える[7]。茎は横に伸び、長さは1m以上になる[7]。茎の節から数枚の葉や多数の根を生じる[8]。葉は円心形で浅く5裂し、多肉質、長さは3-7cm[8]。葉柄は7-35cm、根は最大約30cmまで伸びる[8]

花序は各節に1-3個つき、直径は約3mm[8]。茎の断片はちぎれて散布されやすく、そこから栄養繁殖を行って旺盛に個体群を拡大する。

アマゾンチドメグサなどと形態的に非常に類似する。

分布[編集]

北アメリカ南アメリカ原産。観賞用などとして輸入された個体が逸出して各地に分布を広げ、日本では特定外来生物に指定されている[7]。またイギリスでも侵略的外来種として扱われている[4][5][9]。ただし、もともと自生している北米の一部の地域では、絶滅が危惧される種として扱われている[3]

日本では熊本県菊池川で初めて発見され[10]、治水上の問題を引き起こすほか、大量に繁茂して水中に光が届かなくなり、生態系に影響をおよぼすため、除去作業が行われている[10]。しかしちぎれた茎からも再生するため、除去には注意が必要とされる[8]

脚注[編集]

  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Hydrocotyle ranunculoides L.f.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2012年8月12日閲覧。
  2. ^ a b 大場秀章(編著)『植物分類表』(第2刷)アボック社、2010年。ISBN 978-4-900358-61-4 
  3. ^ a b Hydrocotyle ranunculoides L. f. floating marshpennywort, Plants Profile”. USDA Natural Resources Conservation Service. 2012年8月12日閲覧。
  4. ^ a b Floating Pennywort (Hydrocotyle ranunculoides)”. RAFTS Invasive Species & Biosecurity Programme. 2012年8月12日閲覧。
  5. ^ a b Invasive non-native species - indicator two”. author = The Environment Agency. 2012年8月12日閲覧。
  6. ^ チドメグサ属は分子系統解析の結果、セリ科ではなくウコギ科に近縁であることが明らかにされた。チドメグサ属の記事を参照。
  7. ^ a b c 特定外来生物の解説 ブラジルチドメグサ (2011年10月22日)
  8. ^ a b c d e ブラジルチドメグサ / 国立環境研究所 侵入生物DB
  9. ^ Paul Miles (2009年). “Aquatic invaders threat to biodiversity”. The Ecologist. 2012年8月12日閲覧。
  10. ^ a b 国土交通省 九州地方整備局 菊池川河川事務所「ブラジルチドメグサ撤去作業を実施」 [1]